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中小企業を元気にするファシリティマネジメント(FM)

2019/09/02

中小企業にもできるファシリティマネジメント

ひと昔前までは経営といえば、「ヒト・モノ・カネ」の3要素といわれていましたが、現代の経営の武器は「人・金・情報・ファシリティ」の4要素とされます。

通常企業の経営者は「人・金」は毎日のように考えていますが、「情報」といわれるとやや甘く、「ファシリティ」というと【??】という顔になります。

欧米では既に普及した考え方で、日本国がグローバルスタンダートで遅れているのが、『BPO(業務プロセスの外部委託)』と『ファシリティマネジメント』といわれています。

ファシリティとは、

不動産、オフィスなどのワークプレイスのほか、設備、備品や通信網など企業が保有又は使用することができるすべての資産を指し、それらを効率的に管理・活用する活動をファシリティマネジメント(FM)といいます。不動産価値向上を目的としたアセットマネジメント分野、不動産の維持管理としてのプロパティマネジメント分野やビルマネジメントのほか、施設を総合的に「長期事業活動」にまで落とし込んで考えることがファシリティマネジメントといえます。

ファシリティの最適化

ファシリティを管理する一般的な部門といえば総務部門が挙げられます。総務部門といえば、黙々と会社の事務を処理するイメージがありますが、現代の総務部門は積極的に会社価値向上のための提案を行うことを求められています。しかし、人材や専門知識の不足のほか、特に権限の問題でFMまで幅広く扱う総務部門は中小企業では極めて稀です。FMはトップダウンが効果的といいますが、それでも大規模なものから即時できるものまでFMは幅広く、限られた範囲内でも行うことに意義はあります。組織全体で取り組む場合だけでなく部門、支店ごとでもファシリティの最適化について検討しましょう。

ファシリティマネジメントの例

✅テレワーク制度等導入によるオフィスのダウンサウジング

✅生産工程アウトソーシングによる工場のダウンサウジング

✅コミュニケーションを促す会議室利用方法の検討

✅食堂の業務利用

✅デッドスペースのソロワーク(集中スペース)利用

✅耐用年数の長い什器類や快適なチェア等の入れ替え

✅オフィス空間の照明種類や輝度、緑化やスピーカーの設置、空調コントロールなどリラックスできる環境の整備

✅身体障害者雇用拡大に向けたバリアフリー・ユニバーサルデザイン化

✅防災備蓄品の管理、入れ替えのほか新しい災害対策サービスの導入

✅オフィス内のレイアウト、フリーデスクの導入

これらは売上と費用の収支だけでなく、従業員の満足度(ES)や生産性向上なども含めて長期的な視点で考えることが必要です。

FMとBCP

BCP(事業継続計画)は事前の備えです。近年は災害リスクに対する意識は高まりつつありますが、企業は「豪雨」「台風」「地震」「火災」のような自然災害だけでなく「テロ」や「インフルエンザウィルス」、「ブラックアウト(大規模停電)」まで複合的に発生する可能性のある災害として対策を講じる必要があります。

地震の火災の中、大雨が重なれば火災が消えると思っているかもしれませんが、風が伴えば関東大震災のような大規模な範囲への火災拡大によって、被害は相当な範囲に及びます。BCPはFMと密接に関連しており、ファシリティ維持をふまえたBCPが望ましい施策です。

公的機関のファシリティマネジメント

近年は高度成長期に建築された公共団体や病院、学校施設などのほか、トンネルや橋梁の老朽化についても問題が顕在化しています。これらの保有や管理、修繕の対策を後回しにすると、事故や故障のほか災害時には生命の安全を脅かす危険が伴い、それに要する費用は財務基盤を脅かす、もしくは破綻させるほどの負担になります。3.11東日本大震災の発生以降、特に注目を集めるようになった用語にBCPやFM、DR(システム災害復旧)があり、関心は行政だけでなく民間企業にもさらに高まっています。

おわりに

ファシリティマネジメントを意識することは省エネや環境にやさしい施設づくりなど、企業の果たすべき責任(CSR)にも直結する取り組みです。また長時間労働是正にも効果があり、アウトプットの質が変わり、サービスや品質レベルを高め、生産性を向上させるなど、経営にとって効果が高く『会社を元気にする施策』といわれています。中小企業においては割くことのできる資金や人員に限界がありますが、競争力を維持・向上させるためには無視することのできない必要な取り組みといえます。皆様の会社でも自社で検討会を開いたり、外部専門家を活用するなどFMを意識した取り組みを検討ください。

 

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