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障害者の雇用実態と助成金【障害者職場復帰支援助成金】

2019/09/11

厚生労働省が常用労働者5人以上の民間事業者9,200事業所(有効回答6,181事業所)を対象に調査した『平成30年障害者雇用実態調査(2019.6.25公表)』の集計データによると、従業員規模5人以上の事業所に雇用されている障害者数は82万1,000人とされています。

✅身体障害者:42万3,000人

✅知的障害者:18万9,000人

✅精神障害者:20万人

✅発達障害者:3万9,000人

※平成30年度調査では重複障害のある者をそれぞれの障害に重複して計上しているため合計と全障害者数は一致しません。

平成30年度調査は平成25年度調査と実施方法が異なるため結果の正確な比較はできませんが、特に精神障害者の雇用者数が大幅に増加(前回4万8,000人)しています。

また、調査によると一日当たり6時間未満の短時間労働者が過半を占めており、障害の事情に配慮する企業が増えていることがわかります。

障害者雇用の課題と配慮について

身体障害者の雇用上の課題について

回答のあった企業の約7割が「雇用上の課題がある」としています。

(主な課題)

1⃣会社内に適当な仕事があるか(約7割)

2⃣障害者を雇用するイメージやノウハウがない(約5割)

3⃣採用時に適正、能力を十分把握できるか(約4割)

4⃣職場の安全面の配慮が適切にできるか(約3割)

5⃣従業員が障害特性について理解することができるか(約3割)

障害者を雇用しない理由

障害者を雇用しない理由は8割が「当該障害者に適した業務がないから」と回答、以下「職場になじむのが難しいと思われるから(約3割)」、「施設・設備が対応していないから(約3割)」、「障害者雇用について全くイメージが湧かないから(約2割)」、「障害者の雇用管理のことがよくわからないから(約2割)」と続き、「過去に障害者を雇用したがうまく続かなかった」などの回答もあります。

《障害者雇用促進法》

「障害者が地域の一員として共に暮らし、共に働く当たり前の社会」実現に向けて、2003年より政府は障害者雇用対策方針を定め、現在は常時雇用する従業員の一定割合(民間企業は2.2%、45.5人に一人雇用)以上の障害者を雇用することが義務付けられ、未達成の企業には納付金の徴収が規定されています。2021年4月には2.3%の引き上げが予定されており、今後は未達成企業の指導強化や社名の公表措置に踏み切ることとされており、障害者雇用促進法への取組は企業のCSR(社会的責任)やブランディングに大きな影響を与えることになります。

障害者雇用納付金の徴収・調整金の支給

障害者雇用率未達成の事業主は不足する障害者数に応じて1人につき月額50,000円(100人を超え200人以下の事業主は令和2年3月31日まで40,000円)の納付金を納付しなければならないこととされ、反面、法定障害者雇用率を超えて障害者を雇用している企業は超えて雇用した障害者数に応じて1人につき月額27,000円(100人以下の事業主は21,000円)が報奨金として支給されます。

また、在宅就業障害者または在宅就業支援団体に対し仕事の対価を支払った一定の事業主には「在宅就業障害者特例調整金・報奨金」として納付金の減額、支給されます。

障害者職場復帰支援助成金

事故や難病の発症等による中途障害などで、長期の休職を余儀なくされた労働者に対して、職場復帰のために必要な職場適応の措置をとり、雇用を継続した事業主に対して助成されるもので、中途障害者などの雇用継続の促進を目的としています。

《主な支給要件》

1.対象となる労働者(①~④の全てに該当)

①職場復帰の日に次のいずれかに該当する者

☑身体障害者

☑精神障害者(発達障害のみの方を除く)

☑難治性疾患のある方

☑高次脳機能障害のある方

※職場復帰の日とは、出勤簿などにおいて確認できる、療養のための休職に引き続く連続した休職期間後の最初の出勤日を言います

②指定の医師の意見書で、①の障害に関連して、3カ月以上の療養のための休職が必要とされた方

③障害者総合支援法に基づく就労継続支援A型事業所の利用者として雇用されていない方

④国等の委託事業費から人件費が支払われていない方

《職場復帰の要件》

1.事業主が雇用していた雇用保険被保険者について、雇用保険被保険者として職場復帰させ、継続して雇用することが確実であること

2.次の「職場適応の措置」に要する経費や指定の医師の意見書の交付、その他この助成金の申請に要する経費を事業主が全額負担すること

《職場適応の措置》

次の①~③のいずれかの措置を、休職期間中または職場復帰の日から3カ月以内に行うこと

①能力開発・訓練関係(原則50時間以上)

②時間的配慮等関係(医師の指導による労働時間調整等)

③職務開発等関係(支援機器の導入)

④リワーク支援関係(躁鬱病の場合。上記と併せて実施)

《支給額》

企業規模 支給額 助成対象期間 支給総額
中小企業 70万円 1年 第一期:35万円

第二期:35万円

中小企業以外 50万円 1年 第一期:25万円

第二期:25万円

 

《休職から支給申請までの流れ》

今後の障害者雇用促進法の対応

まだまだ十分とは言えないものの、法律の施行や超少子高齢化社会における人材確保の対策に向けて、企業のほかステークホルダーの障害者雇用に対する意識は確実に変化しつつあります。雇用が義務付けられている一定規模以上の企業のほか、小規模事業者の人事担当者にとって『障害者雇用に全く取り組む気が無い』ことは問題ですが、今後企業に根強くイメージする「ノウハウがない」、「仕事を与える自信がない」、「障害者の雇用管理がわからない」点については行政による助成金の活用や専門家の協力で解消することを進めていくことが求められます。

 

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