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中小企業も知っておくべきSDGsの取り組み

2019/10/21

SDGsってなに!?

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは『Sustainable Development Goals』の略称で、『持続可能な開発目標』を意味します。最近は新聞やテレビの他、経営者や専門家の会話でもSDGsが話題に上がるようになり、社会の認知度がますます高まっているキーワードです。お恥ずかしながら当事務所も先日顧客からの質問に十分に回答できなかったため、慌てて勉強しなおしています。

SDGsは2015年9月の国連サミットで全会一致で採択された『持続可能な17の国際目標』を指し、国連加盟国193か国が2016年から2030年までの15年間で達成するために掲げた開発目標のことを指します。SDGsは『leave no one behind(地球上の誰一人として取り残さない/誰も置き去りにしない)』ことを誓い、発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものとして日本も総理を本部長とした推進会議を頻繁に開催したり、経団連が行動企業憲章をSDGsに併せて改定するなど、積極的に取り組んでいます。

平成30年12月に関東経済産業局が中小企業を対象に初めて調査・公表した『中小企業のSDGs認知度・実態等調査』では、回答のあった中小企業500社のうち、「SDGsについて全く知らない」と回答した企業は84.2%(中小企業の認知度15.8%)であったとされ、「自社に関係ない(低優先)」と回答した企業は43.9%に対して、「既に取り組んでいる(必要性が理解できる)」と回答した企業は56.1%とニーズが上回る結果となりました。

中小企業の経営者が興味を持つということは、儲けてばかりでなく社会に還元しなければならないと生まれ変わったわけではなく、『そこにはビジネスチャンスがある』と期待している表れであり、世界各国の投資家たちもSDGsに取り組む企業へ資本を異動させる投資(インベストメント)と撤退(ダイベストメント)が活発になっています。

SDGsに取り組むと得する?

スターバックスのコーヒー豆のフェアトレード化やプラスチックストローの廃止取り組みなどは慈善活動ではなく、批判による損害とSDGs取組による賞賛の損得勘定を考慮して企業が判断していることは経営者であれば理解できると思います。

企業のブランドイメージを高め、消費者からの支持を得、売上が向上し、投資家に見返りがあるというビジネス循環を期待した活動と言えます。

これらは消費者の心理的行動を見越した活動と思われますが、BtoBの社会にも当然に広がり始めています。社会情勢がSDGsに傾き始めた今、取引の相手先についてもSDGsへの取組をチェックされるのは大企業に限ったことではなく、当然に中小企業にもいずれ一般的になるかもしれません。現に将来の事業活動に影響を与えると考えられるBCP(事業継続計画)やSDGsへの取組などは企業間における取引条件や地銀の融資、補助金の採択で評価される対象になりつつあります。

SDGsの取組によって広がる可能性

☑企業イメージの向上

国際的信用の指標であるSDGsの取組は一般の多くの人の信用力向上にも影響し商売に影響を与えます。また、そのような会社で働いてみたい印象を与え、多様性に富んだ組織作りにもつながります。

☑社会の課題への対応

現代社会が抱える様々な課題に対して必要な取組として世界中で認められたSDGsは、経営リスクの回避や地域社会での信頼獲得へつながります。

☑生存戦略としての優位性

現代社会は変化が早く、生存競争はますます厳しくなっています。しかしSDGsは普遍的であり、今後はSDGsへの取組で大きな成果を出した企業から取引条件としてSDGsを求めてくる可能性も高まっています。

☑新たな事業機会の創出

SDGsへの取り組みを通じ、共感を得た企業や消費者から地域連携、新創業、コラボレーション、事業パートナーなど、今までに無かった新しい形でのイノベーションを生むことが期待できます。

世界最大の投資ファンドである日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は2017年からSDGs関連のESG投資に1兆円規模の投資を開始しています。ESG投資とは、企業価値の判断基準として財務以外の情報である「環境(Environment)」、「社会(Social)」、「ガバナンス(Governance)」の要素を考慮することであり、将来の課題解決、リスク軽減に対する市場評価が高まっていることを意味します。

知らなくても取り組んでいる?中小企業のSDGs

SDGsに新たに取り組んでいきたいと思う中小企業も多いと思いますが、実は中小企業でも既に取り組んでいることがたくさんあります。例えば、『働き方改革の実施』や『女性の活躍推進』、ペーパーレス(IT化)や節電といった『省エネの推進』など、SDGsを知らなくても事業の創意工夫の中でSDGsにつながる活動を行っています。まずは自社の取組について認知し、SDGsを意識した見直しや垂直・水平的に拡大できるものが無いか調べてみましょう。

CSRとSDGsはどう違う?

多くの大企業にはCSRの担当部門または担当者が設置されていますが、CSRはビジネスを全面に押し出さない『社会貢献の一環』と位置づけされるものです。儲かったお金を社会に還元すべきとの考え方ですが、SDGsは、『事業を通じて社会課題を解決する』という考え方で、いわばビジネスと社会問題の解決を両立させる点では企業にとっても取り組みやすく、またあらゆる規模の企業にもフィットしやすい考え方です。儲けの無い中小企業でCSR活動などと言い出すと従業員や関係者から批判を買う恐れがありますが、SDGsであればだれも文句は言いません。万人に歓迎される考え方である点がSDGsの大きな利点であり、広がりを続けている点はSDGsもまた持続可能であり、今後も拡大していくはずです。

わたしたち中小企業にもできること

SDGsは普遍的な目標として「誰も置き去りにしない社会の実現」を掲げています。それらの目標は崇高で私たち中小企業や個人にはあまり関係ないと思うかもしれません。しかし、国家や大企業にもできることの限界があり、私たち一人一人や小さな企業でもできることは数多くあります。大きな負担を負ってまで進めていくような特別なことではなく、日常から既に取り組んでいることなど、意識して取り組むことができれば社会全体に好影響を及ぼし、同時に持続可能な経営につながります。儲けながら社会に貢献できれば企業としてはこれ以上求めるものはありません。機運の高まるSDGsの取組へ、先行者利益をつかむなら好機は今かもしれません。

 

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