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有給休暇の取得率は52%へ【2019年度就労条件総合調査】

2019/11/06

年次有給休暇の取得率は52.4%と前年より1.3%改善

厚生労働省が10月29日、『平成31年度就労条件総合調査の概況』を公表いたしました。

対象は平成31年1月1日現在の状況について無作為に抽出した常用労働者30人以上を雇用する民営企業を対象に得た有効回答4,127社から『企業の属性』、『労働時間制度に関する事項』、『賃金制度に関する事項及び資産形成に関する事項』について期間を定めずに雇われている労働者(パートタイムを除く)を対象に調査を行っています。労働市場の現状を計るためにも重要な指標が盛りだくさんの調査結果につき、人事部門担当者は必ず確認しておきましょう。

所定労働時間

1日の所定労働時間は1企業平均7時間46分(昨年7時間46分)、週所定労働時間は企業規模平均で「1,000人以上」が39時間、「300~999人」で39時間07分、「100~299人」で39時間17分、「30~99人」で39時間32分となり、産業別では「金融業・保険業」が38時間18分と最短、「宿泊業、飲食サービス業」で39時間57分と最長となっています。企業規模が小さいほど、サービス業ほど長時間労働の構造は従来と変化ありません。

週休形態

週休制度の形態では、「何らかの週休二日制」を採用する企業は82.1%(84.1%)、「完全週休二日制」は44.3%(46.7%)、週休二日制の企業規模割合は「1,000人以上」で63.6%、「300~999人」が56.3%、「100~299人」が51.0%、「30~99人」が40.3%となり、企業規模が小さいほど完全週休二日制の導入率は低くなっています。

完全週休二日制で働く労働者は全体で57.0%(前年59.4%)となっています。

年間休日総数

年間休日総数の企業単位平均は108.9日(前年107.9日)、労働者一人平均は114.7日(113.7日)となっています。企業規模別にみると、「1,000人以上」で115.5日、「300~999人」で113.7日、「100~299人」が111.1日、「30~99人」が107.5日となっています。年間休日数においても規模が小さくなるほど日数が少ない構造は従来通りとなります。有給休暇取得義務化に合わせて年間休日数を削減する影響も懸念されていましたが、影響は未だ限定的なようです。大手コーヒーチェーンの「ドトールコーヒー」では暦の土日祝日と年末年始を会社の休日と定めていた(約126~127日)を119日に固定したことがニュースで大きく取り上げられ物議を醸していましたが、今後の年間休日総数はどう変動するのか注目したいところです。

ドトールコーヒーはもともと年間休日数が平均より大幅に多い『優良企業』であり、ブラック企業と呼ぶには経営陣がかわいそうな気もしますが、やはり優良企業であっても労働条件の重要な休日を変更する場合の批判を免れることはできないようです。ご注意ください。

(労働契約法第10条)
使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。

年次有給休暇の取得状況

平成30年の一年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越除く)の平均は労働者1人18日(前年18.2日)、そのうち労働者が取得(消化)した日数は9.4日(9.3日)で、取得率は52.4%(51.1%)となりました。規模別にみると、「1,000人以上」で58.6%、「300~999人」で49.8%、「100~299人」で47.2%となりました。有給休暇の取得義務化が適用される前の年度につき期待したほど大きく伸びませんでしたが、政府が2020年までに掲げる数値目標である70%には遠く及ばない状況です。事業主の皆様は100%に向けて取り組みを強化していただきたいところです。(当社は2年連続100%消化)

勤務間インターバル制度

11時間以上終業から始業までの間隔が空いている労働者につき「全員」と回答した企業割合は32.9%(前年40.5%)、「ほとんど全員」で35.0%(33.5%)、「ほとんどいない」で3.0%(2.0%)、「全くいない」で10.7%(6.8%)となりました。

勤務間インターバル制度の導入状況は、「導入している」が3.7%(1.8%)、「導入を予定又は検討している」で15.3%(9.1%)、「導入予定はなく、検討もしていない」で80.2%(89.1%)となりました。なお、勤務間インターバル制度を検討していない企業は「超過勤務の機会が少なく、制度導入の必要性を感じない」が53.0(45.9%)%、「制度を知らない」で19.2%(29.9%)となっています。

助成金によって勤務間インターバル導入を推進していましたが、助成金の効果はあまり期待したほどではなかったようです。

その他の調査

✅時間外労働の割増賃金率を26%以上とする企業割合は5%

✅一か月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を法定以上(25%加算以上)とする中小企業は43.4%

✅変形労働時間制を採用している企業割合は62.6%、みなし労働時間制を採用している企業は14.2%

おわりに

就労条件総合調査は有給休暇消化率など話題に上がる重要な統計調査の一つで、主要産業における労働時間や賃金など民間企業の就労条件の現状を明らかにすることを目的としています。政策立案の基礎資料としても活用されているほか、私たち事業主にとっても「一般的」な労働市場の変化をつかむために興味深いデータを収集でき、実務に活用できる調査です。人材不足・採用難を感じている事業主であれば自社の数値と平均値を比較し、労働環境を改善するためにも大きく役に立つものですので是非活用したいところです。

 

《出典:平成31年度就労条件総合調査(厚生労働省リンク)》

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