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最低賃金は2019年度も大幅引き上げ!中小企業の取り組む対策は?

2019/07/31

大阪府の最低賃金は10月から過去最高の964円!

7月31日、経営者と労働者の代表に学識者を加えた公労使で構成される厚生労働省の中央最低賃金審議会は2019年度の最低賃金の目安額を、4年連続3%超、過去最大の上げ幅となる全国平均で27円の引き上げ、901円とすることを決定しました。全国平均が900円を超えることも、地域別で1,000円の大台(東京1,013円・神奈川1,011円)に乗ることも初めての事となり、10月1日以降順次適用されることはほぼ確実となりました(例年若干の修正があります)。

【令和元年8月30日大阪労働局発表】
大阪の最低賃金は28円引き上げ、時間額964円へと予定通り最低賃金が改正決定されました。

先進国と比較した日本の生産性については嫌というほど聞かされ続けたおかげで、世論・政策ともに最低賃金の引き上げは推進が多数で、決定された以上は体力の有無を問わず、中小企業は従う以外にありません。

政府は全国平均について、「より早期に全国加重平均が1,000円になることを目指す」こととしています。今後も確実に増大して行く最低賃金の圧力に対して、中小企業事業主はどのように注意し、対策していく必要があるのでしょうか。

《このページの目次》

  • 長時間労働(残業時間)削減への取り組み
  • 社内業務の合理化(スリム化)
  • 行政指導の対策
  • 未払い賃金リスクの対策
  • 助成金の活用

長時間労働(残業時間)削減への取り組み

働き方改革は最低賃金の引き上げにかかわらず現代の事業主にとってメリットの大きい取り組みです。採用難・人材不足の回避にはワークライフバランスへの取り組みや残業削減が最も効果的です。一日8時間・一週40時間を超える時間外労働に対しては割増賃金として25%を加算(22時から5時までの深夜はさらに25%)しなければならず、また一か月60時間を超える時間外労働に対してはさらに25%(中小企業は猶予措置あり)の加算となるため、長時間労働による割増賃金の負担は事業主にとってさらに重い負担となります。社会保険料にも影響するため、残業時間の削減は事業主にとって最大の労務関連テーマです。

社内業務の合理化(スリム化)への取り組み

かねてから言われ続けている社内業務の合理化にはRPA(PC業務の自動化)とBPO(一部業務のアウトソーシング)は欠かせませんが、今回の最低賃金の引き上げによって導入のハードルはさらに下がります。従業員のコストと、外注コストを比較した際の従業員コストが引き上げされるため、ITテック市場はさらに勢いを増していくはずです。事務代行、入力代行、経理・総務代行など、あらゆる定型業務は従前より外部委託化が進んでいますが、さらに営業代行、広告(集客)代行、採用代行など、非定型業務にまでアウトソーシング化を進めることを検討しなければなりません。社内業務のインソース(内製化)にこだわるとさらにコストプッシュするばかりか、売り手市場による従業員の流動化、転職の容易さの加速によって技術の一切が流出するリスクを増やすことになります。アウトソーシング費用は高額なため導入しないという判断は『対応できる安い賃金の従業員』の存在が不可欠なため、人手不足と採用難に併せた最低賃金の引き上げで、もはや避けることはできません。

行政指導の対策

働き方改革関連法の施行に伴い、労働基準監督署の調査(臨検監督)も強化され、近年の調査時には通常の労働帳簿と併せて『年次有給休暇取得記録』の提出も指示されます。サービス残業など最低賃金法の違反は臨検監督で上位の是正指導事項に上がっており、悪質と判定された場合は書類送検のほか社名公表(いわゆる『ブラック企業リスト』行き)され、引き上げに従わないことのリスクはあまりにも大きなものとなります。従前より適法事業所と違法事業所の競争力格差は極めて問題視されており、労働局は労働基準監督署の監督業務の一部を社会保険労務士・弁護士・監督官OB等へ委託することを決定しており今後さらに事業所に対する取り締まりは強化されることは間違いありません。中小企業も当然、臨検監督の対象として例外扱いされることはないため、最低賃金の引き上げによる抵触は全従業員を対象に調査が必要です。

未払い賃金リスクの対策

つい数年前まで未払い残業代の請求は時効がたった2年ということもあり『割に合わない』という弁護士もいました。しかしここまで急ピッチで最低賃金が引き上げされれば未払い賃金の額も自動的に増大し、弁護士等報酬も『十分元を取れる』ものになりつつあるのは確実です。固定残業代・裁量労働制など、法適合要件のハードルが高い制度やサービス残業などで潜在的に未払い賃金が発生するということは、それだけ紛争時のダメージも大きくなるということになります。自社の労働時間管理制度については今一度見直しし、サービス残業などの未払い賃金・未払い残業代等は絶対に発生させないよう完璧な労務管理がさらに求められることとなります。下級裁判所のたった一つの判例を基準に合法と説明して複雑な制度を勧めている無責任な専門家(社労士・弁護士・コンサルタント会社)がいますが、判例は固有性が強く合法と断定することはできないのは常識です。労務管理は「シンプル」が最強です。他の専門家(セカンドオピニオン)の意見も十分聞き、自社の労働時間管理が適切かどうか、今一度確認しておくことが必要です。

助成金の活用

最低賃金の引き上げは負担ばかりではありません。従業員のモチベーションが高まるのは当然ですが、行政もただ引き上げるだけで何の支援も行わないということはありません。キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)のほか、例年より実施されている『業務改善助成金』は事業場内最低賃金を引き上げる中小企業・小規模事業者に対して支給される助成金で、設備投資(機械設備・POSシステムなど幅広い投資)の費用の一部を補助してくれるうえ業務の生産性に一定の向上が見られればプラスアルファで受給額が増額される制度で、過去に同様の助成金を受給していても対象となります。最低賃金の引き上げとセットになっているような助成金なので、自社が要件に適合できるかどうかは十分確認しておくことが必要です。

ピンチをチャンスに

最低賃金引き上げの社会的効用はともかく、十分な余力や資金調達に困難な中小企業・小規模事業主は極めて合理的な経営に早急に取り組む必要があります。特に小規模の飲食店やサービス業は経営に深刻な影響を及ぼすと言われていますが、これも機会ととらえ適切な労務管理に取り組めば離職率は低減し、助成金を受給できる要件を満たす確率が増大し、アルバイトやパート含めた従業員達とのトラブルや紛争が回避されます。良い面を前向きにとらえて取り組みを進めることが大切です。

※弁護士や社労士等顧問先の無い小規模事業主様には簡易調査(簡易労務監査)も承っております【相談無料】。

 

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