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社員を独立させない方法と、独立の嫌がらせを回避する方法

2023/05/29

新型コロナの在宅時間で始めた副業がうまくいきそうなので、独立を考えている。

定年退職を機に、趣味を事業にするため教室を開業したい。

資格試験に合格したので、勤務先をやめて独立開業したい。

 

ふとしたタイミングで起業を考えたり、独立のチャンスが急に到来することがあります。長年文句ひとつ言わず絶対に辞めないと思っていた社員から退職を切り出されることもあるでしょう。本当に、人生は何が起きるかわかりません。

実業家として独立するためには運転資金や新規顧客をどうやって獲得していくか、広告宣伝の営業活動まで、様々なことを考えなければなりませんが、なかには面倒な悩みもあります。

それは、「勤務先から独立したときにいやがらせされるのではないか(すでに嫌がらせされている)」という心配です。

当社のような社労士事務所のように資格があれば独立開業することが多い業者や、特別な技能やセンスを要する美容師や塾講師、不動産業、接骨院、ラーメン店のような飲食サービス業からも独立に関する相談が多くあります。それなりに規模の大きな企業に勤務している方は独立開業のトラブルは無縁ですが、中小企業で重要なポジションにいた方や、長年顧客との窓口を担当していた方などは、同業者への転職や独立開業する場合にトラブルになり、そのトラブルは泥沼になることもありがちです。近年の人出不足も相まってか、退職トラブルは増えているように思えます。

会社としては業務執行のポジションや交際費等の権限、福利厚生制度など様々な待遇の施策によって優秀な人材をつなぎとめておくわけですが、転職や独立はその施策が失敗に終わることを意味します。リクルート社のようにもともと独立開業を促すことを組織の思想としている会社であれば問題とならないかもしれませんが、多くの会社はそうではありません。企業の経営者心理としては施策の失敗による逆恨みもありますし、競合への転職や独立開業が自社にとって脅威となる心配もあります。資格を要する弁護士事務所や社労士事務所、行政書士事務所で開業を支援すると公言していても内心不服な所長も多く、実際にはいやがらせを受けたという相談は珍しくありません。

一方で従業員側としても様々な事情があります。自分の腕を試してみたい、難しい資格試験のモチベーションが独立開業だった、なかには顧客先の社長や部下たちから独立を促されていたり、いまの勤務先の不正行為を発見してしまったり、職場の不満が限界にまで達して独立する以外に方法がないと考える方も当然います。独立した人たちの理由は皆それぞれです。

しかし、今の勤務先に入社する際に、「退職後●年間は同業他社への転職や独立しない」と誓約書を書かされていたことを思い出したり、「県内で独立するなら訴えるからね」と言われているかもしれません。また、実際に独立した直後に、元の勤務先から内容証明郵便によって業務差し止め通知や損害賠償請求が届くということもあります。

さて問題となりやすい業務差し止めの根拠となる『競業避止義務違反』ですが、どういった場合に違反となり、独立をあきらめなければならないのでしょうか。結論から言えば、独立をあきらめる必要はありません。

企業側からすれば、会社に貢献してもらうために資格取得費を支援したり、営業ノウハウを伝授したのであり、それは独立するために提供したものではないという理屈はわかります。ラーメン屋のスープのようなノウハウだけでなく、顧客まで引っ張っていかれたなら、独立された企業としては「後ろ足で砂を掛ける」最低な行為と主張することもあるでしょう。

インターネットで検索すると、「競業避止義務違反」や「不当競争防止」は憲法で保障された職業選択の自由を制限する行為で厳格で、容易には企業の主張は認められないとあります。もちろん、在職中の労働時間中に開業の準備をしたり、他の従業員の勧誘活動を行ってはいけませんが、法律で制限されうる行為であっても、法律を知らない相手方からの嫌がらせは止めることはできないのではないかという心配はぬぐえません。

退職金があってもなくても、円満に退職することが社会人として当然とはいえ、先のようによく思われないような退職や、部下のことを部下とも思わないような上司の下であったり、法律を遵守しない劣悪な職場環境の原因である会社に対して円満に退職することはなかなか難しいものがあります。もちろん普通の会社員には法律を盾にするための知識も、弁護士を雇う余裕もありません。

実際に当社のような「企業の顧問」を行っている業界にいると、気に入らない従業員を解雇したいといった相談や、競合に転職した元従業員やその勤務先に対してなにかできる『良い方法』はないかという相談もあります。実際に、顧客リストなど機密情報を転職先に提供した元従業員や、従業員らと共謀して会社をつぶそうとした労働者の問題から、企業側のいやがらせとしては取引先や仕入れ先への通知はあたりまえ、鬼電や自宅訪問など精神的な嫌がらせやここでは書けないようなプロ級のギリギリの妨害行為をされているという相談を受けることもあります。

私たちは法律を遵守することは当然ですが、法律で判定できないそんな実社会を生きています。独立開業する際には準備が大切ですが、どんな準備ができるのか見当もつきません。企業であれば、優秀な人材が独立する気にもならないような職場環境を提供しなければなりませんし、もしも独立するならば嫌がらせされないような心がけだけではなく、嫌がらせさせないための準備も大切です。すべての転職や独立が歓迎され、応援されるものであればよいですが、現実はそんなにハッピーではありません。

 

明らかな嫌がらせ行為が事実であれば、口コミサイトに書き込む(ぞ)。

取引先に対して取引禁止通知を出すようであれば、第三者を介入させる(ぞ)。

不正行為が蔓延しているのであれば、監督官庁に申告する(ぞ)。

 

嫌がらせに対する対策だけでなく、事前に相手の行動を想定して対策を打っておくことがトラブル防止に大切であることは間違いありません。つまり、どんな嫌がらせされると嫌なのかを知っておかなければなりません。

当社は独立された企業、独立したばかりの企業の双方から相談があり、そのやり方や対応方法をたくさん見聞きしています。当社も独立した時期に様々な嫌がらせを受けたこともあります。

トラブルを大きくするのは簡単ですが、余計なトラブルは最低限におさえ、新しい生活にエネルギーのベクトルすべてをかけること。愛情を注いだ元部下の裏切りに余計なエネルギーを注ぐことや、卑屈な元勤務先のいやがらせにいつまでも心労を続けることは高リスクで非生産的で事業にとって邪魔でしかありません。しつこいようですが、起業は準備が大切です。

 

あらゆる嫌がらせ方法を見聞きしてきた当社では、企業が従業員に独立させないための効果的な福利厚生施策(辞めさせない方法)だけでなく、元勤務先の報復が怖くて独立を躊躇している未来の事業者からの相談を承っております(初回相談料無料)。※元従業員に嫌がらせをしたい事業者や、すでに嫌がらせを受けている元労働者からの相談は法律に抵触するためお受けすることができません。

 

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