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【2025年版】社内アンケートの関連法律と違反リスク|労安法・個人情報保護法・パワハラ防止法ほか主要法令の実務対応

2025/09/29

はじめに|なぜ法令遵守が重要なのか

従業員アンケートやES(従業員満足度)調査は、職場改善やリスク管理のために多くの企業が導入しています。
しかし、設計や運用を誤ると 「個人情報保護法違反」「労安法違反」「ハラスメント防止義務違反」 といった法的リスクにつながることがあります。直ちに違法とならなくとも、違法性が疑われて従業員の不信を招くようでは全くの逆効果になりかねません。

本ページでは、社労士監修のもと、社内アンケートに関わる主要な関連法律と違反リスクを整理し、企業が実務で注意すべきポイントを解説します。


関連する主要法律とアンケートの位置づけ

1. 労働施策総合推進法(パワハラ防止法)

  • 事業主にパワハラ防止措置を義務化

  • 実態把握の手段として社内アンケートが有効

  • 注意点:匿名性を確保し、報復人事の懸念を排除する必要あり

2. 労働安全衛生法(ストレスチェック制度)

  • 常時50人以上の事業場に「年1回のストレスチェック」を義務付け

  • 任意の社内アンケートとは区別が必要

  • 違反リスク:「ストレスチェックをアンケートで代替」と誤解されると法令違反

3. 公益通報者保護法(内部通報制度)

  • 従業員の通報を守秘義務のもとで適切に扱う義務

  • アンケートの自由記述欄で不正を指摘した場合も「通報」に該当する可能性あり

  • 注意点:社外窓口や匿名集計での対応が望ましい

4. 個人情報保護法

  • 回答内容が個人情報に該当する場合の適切な管理が必須

  • IPアドレスや社員番号が残ると「個人識別情報」となり違反リスク

  • 違反リスク:匿名性を担保せず公開 → 個人情報保護委員会からの指導対象

5. 男女雇用機会均等法・労働基準法

  • 回答内容を理由に解雇・降格・不利益取扱いを行うと違法

  • 「アンケート回答をした社員だけが不利益を受けた」ケースは特に問題化しやすい


違反リスクの具体事例

  • 匿名性欠如:社員番号が必須入力 → 「報復人事」疑惑で労基署に申告

  • ストレスチェック未実施:アンケートを代替にして義務を果たさなかった → 労安法違反

  • 自由記述の公開:個人を特定できる記載をそのまま回覧 → 個人情報保護法違反

  • 結果隠蔽:経営層が改善せずデータを放置 → 労組・メディア問題化


実務でのリスク回避策

  • 匿名性を確保:IP・社員番号を残さず、外部集計を利用

  • 法令義務と任意調査を分ける:ストレスチェックと社内アンケートを混同しない

  • 不利益取扱い禁止の明示:回答内容を人事評価に使わないことを明文化

  • 結果のフィードバック:概要を公開し、改善につなげることで「隠蔽」批判を防止

▶社内アンケート実施でよくある失敗とリスク回避法|匿名性・バイアス・やりっぱなし防止


当事務所のサポート

RESUS社会保険労務士事務所では、法令遵守を重視したアンケート運用を支援しています。

  • 法令チェックリスト付き設問設計

  • 匿名性を担保した外部回収・集計

  • ストレスチェック制度との併用サポート

  • 改善提案レポート(法令対応を含む)

  • 労基署調査・厚労省対応を見据えた支援

▶ 詳しくはこちら:[社内アンケート調査代行サービスページ]


まとめ

  • 社内アンケートには「労安法・個人情報保護法・パワハラ防止法」など複数の法令が関連

  • 匿名性欠如・ストレスチェック代替・不利益取扱いは違法リスク大

  • 法令遵守を前提とした設計・運用が、従業員の信頼性確保と企業防衛につながる

  • 専門家のサポートを受けることで、安心してアンケートを活用できる

「法令遵守は企業防衛と信頼性確保の両輪」


よくある質問(FAQ)

Q1. 社内アンケートとストレスチェックは同じですか?
A. 異なります。ストレスチェックは労安法で義務化、社内アンケートは任意調査です。混同すると法令違反になります。

Q2. 回答を人事評価に利用するのは違法ですか?
A. 回答を理由に不利益取扱いを行うと労基法や均等法に抵触する可能性があります。

Q3. 匿名性を担保するにはどうすればよいですか?
A. 社員番号やIPを残さず、外部集計を活用する方法が有効です。

Q4. 個人情報保護法違反になるケースは?
A. 自由記述をそのまま公開し個人が特定される場合などが典型です。

Q5. 公益通報者保護法とは関係ありますか?
A. 自由記述で法令違反の指摘があった場合、内部通報と同等に扱う必要があります。

Q6. 中小企業でも法令違反リスクはありますか?
A. あります。むしろ中小企業ほど匿名性担保や制度設計が不十分で、リスクが顕在化しやすいです。


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