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労働基準法施行規則等の改正によって各種届出書の押印が廃止されます
2021/01/07
厚生労働省の労働政策審議会(労働条件分科会)は労働基準法施行規則等の改正要綱について諮問され、かねてよりメディアで何度もとりあげられていた「脱ハンコ」の流れは労働基準法関係も対象となり2021年(令和3年)4月1日より施行されることが正式に決定いたしました。
例えば就業規則の作成・変更時の届出に義務付けられている過半数代表者等の意見書(労基法90条)や、時間外・休日労働に関する協定書(36協定届)、変形労働時間制・フレックスタイム制・裁量労働制・事業場外労働等の労働時間制度などに関する各種労使協定の届出様式から労働者および使用者の押印欄が削除されるなど、施行に伴い様式も変更されます。(労使協定等の過半数代表組合・過半数代表者欄にはチェックボックスを新設)
対象となる様式は解雇予告除外認定申請書等まで広範にわたり、ほぼすべての申請書から押印欄が消えます。なお、多くの企業に関係する36協定届は一足先に記載例が公開されています。
一方、押印・署名不要となるのはたとえば「協定届」のみであり、「協定書」は労使による署名・押印が必要です。
※一部の届け出については、「協定届」と「協定書」を一体として提出することが認められているため、双方共に押印が不要になるかどうかは今後の運用を確認する必要があります。
代行業務をおこなう社労士の押印(電子押印)も原則不要となりますが、助成金の不正受給の片棒を担がされないように、真正なものは押印をルールとしておくなど、実務上の不正対策は検討しておくのがよさそうです・・・。
このほか、日本年金機構においても令和2年12月25日以降の年金手続き申請・届出様式の押印廃止が公表されています。
※引き続き押印が必要な届出書
- 国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書
- 国民年金保険料口座振替辞退申出書
- 委任状(年金分割の合意書請求用)
- 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
- 健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書
- 船員保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書
- 健康保険・船員保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書(ゆうちょ銀行用)
- 健康保険・厚生年金保険 保険料預金口座振替辞退(取消)通知書
- 船員保険・厚生年金保険 保険料預金口座振替辞退(取消)通知書
- 健康保険・船員保険・厚生年金保険 保険料預金口座振替辞退(取消)通知書(ゆうちょ銀行用)
労働基準法関連の電子申請は2%程度、36協定の電子申請利用率は1%程度とされていますが、届出書の押印廃止によって電子申請が加速することを期待したいですね。
労働基準法施行規則等の一部を改正する省令について(厚生労働省サイトリンク)
年金手続きの押印を原則廃止します(日本年金機構サイトリンク)