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【2026年10月更新】えるぼし認定Q&A徹底解説|要件・計算方法・差戻し原因を社労士が整理

2026/04/15

(最終更新日:2026/10/12)

はじめに|えるぼし認定は「調べても分かりにくい」と感じていませんか?

えるぼし認定(女性活躍推進法に基づく認定制度)は、企業の女性活躍の取組を評価する重要な制度ですが、実際に調べてみると、

  • 公式ホームページに多数のリンクやPDF資料が分散している
  • 別紙様式や解釈資料を個別に確認する必要がある
  • 必要な情報が一つのページに整理されていない

といった構造になっており、必要な情報にたどり着くまでに時間がかかる制度と感じる方も少なくありません。

また、えるぼし認定の申請では、

  • 数値の定義
  • 対象労働者のカウント方法
  • 例外的な取扱い(特例)

の理解が不十分なまま進めると、申請後に追加資料を求められたり、申請を取り下げたりすることにつながります。

本ページでは、厚生労働省の「状況把握、情報公表、認定基準等における解釈事項について」(令和8年4月24日改訂、令和8年10月1日適用。以下「解釈事項」)をもとに、実務でよく問題になる論点をQ&A形式で整理します。文中の「問○」は、解釈事項の問番号です。

※本ページは制度の概要と解釈の整理です。個別の取扱いは、管轄の都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)へご確認ください。


よくあるQ&A(実務で詰まるポイント)

えるぼし認定は、制度の理解と数値の整理の両方が求められる、難易度の高い認定制度の一つです(くるみん認定・ユースエール認定も同様の傾向があります)。公式の基準と解釈事項を細部まで確認することが欠かせません。

その中でも特にお問い合わせが多い論点を整理しています。

Q1. 「常時雇用する労働者」とはどこまで含みますか?

A. 雇用契約の形態を問わず、次のいずれかに該当する者です(問1)。

  • 期間の定めなく雇用されている者
  • 有期雇用で、過去1年以上引き続き雇用されている者、または雇入れ時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者

ただし、

  • 日本企業の国外の事業所等で雇用される労働者 → 含まれません
  • 昼間学生(学生アルバイト等) → 企業規模の判断では原則として含まれません

✅重要:常時雇用する労働者が101人以上の事業主が状況把握・情報公表を行う場合は、1年以上の雇用が見込まれない者や学生アルバイト等も対象になります。「企業規模の判定」と「状況把握・情報公表の対象」は範囲が異なります。

Q2. 出向者はどちらにカウントしますか?

A. 企業規模の判定(常時雇用する労働者の数)では、原則として、生計を維持するのに必要な主たる賃金を負担する企業の労働者として扱います(問2)。

認定基準の算定では、項目によって扱いが分かれます(問3)。

  • 出向元でカウント:採用の競争倍率、正社員に占める女性割合、平均継続勤務年数、継続雇用割合、管理職に占める女性割合、課長級への昇進割合
  • 出向先でカウント:雇用管理区分ごとの法定時間外・法定休日労働時間

✅注意:この区分に従うことが難しい場合は、出向元と出向先でダブルカウントしないことを条件に、異なる扱いも可能とされています。

Q3. 雇用管理区分とは何ですか?

A. 職種、資格、雇用形態、就業形態等の区分で、区分ごとに異なる雇用管理を予定しているものです。

例:

  • 総合職
  • 一般職
  • パート
  • 契約社員

✅注意点:

  • 属する労働者が全体のおおむね1割程度に満たない雇用管理区分は、職務内容等に照らして類似の区分とまとめて算出できます。ただし、雇用形態が異なる区分はまとめられません(問32)。
  • 「採用の競争倍率」と「平均継続勤務年数」は、無期雇用のすべての雇用管理区分ごとに基準を満たす必要があります(問32)。
  • 区分の設定は算出結果を大きく左右するため、実態と合っているかが重要です。

Q4. 中途採用は計算に含みますか?

A. 項目によって異なります。

  • 状況把握の「採用した労働者に占める女性労働者の割合」:中途採用も含める必要があります(問12)
  • 「採用における男女別の競争倍率」:中途採用も含めることが望ましいとされています(問18)。内定者を採用者に含めて算出することも差し支えありません
  • 「継続雇用割合」:対象は新規学卒者等に限られます(Q6参照)

なお、認定申請用のパンフレットでは、採用の競争倍率について「中途採用を含む」と説明されています。問18の表現だけから中途採用を任意に除外せず、申請用の集計範囲はパンフレット・様式と照合し、取扱いに疑義がある場合は労働局へご確認ください。

✅実務上の落とし穴:「採用=新卒のみ」「採用=すべて」と一律に考えず、項目ごとに対象を確認する必要があります。

Q5. 勤続年数はどう計算しますか?

A. 認定基準の「平均継続勤務年数」は、期間の定めのない労働契約を締結している労働者が対象です。

  • 有期から無期に転換した労働者:原則として有期雇用だった期間も含めて把握しますが、それまでの勤務年数が明確でない場合は、転換者を別の雇用管理区分として算出することや、平成25年4月1日から継続勤務しているものとして扱うことも認められています(問13)
  • 転籍者:転籍先で新たに労働契約を結ぶため、原則として転籍後から数えます(問4)
  • 会社合併:合併前後の勤務年数を合算します(問34)

✅よくあるミス:転換者を転換後の期間だけで計算してしまう。

Q6. 継続雇用割合とは何ですか?

A. 10事業年度前とその前後の事業年度(9~11事業年度前)に採用された新規学卒者等のうち、現在も継続して雇用されている者の割合です。

✅ポイント:認定基準では、「女性の継続雇用割合÷男性の継続雇用割合」が雇用管理区分ごとに8割以上であることが求められます。平均継続勤務年数の男女比(7割以上)といずれかを満たせばよく、両方とも算出できない場合(男性のみ・女性のみの区分がある場合等。問35)は、女性正社員の平均継続勤務年数が産業平均以上かどうかで判断します。

Q7. 残業時間はどう計算しますか?

A. 雇用管理区分ごとに、労働者の法定時間外労働と法定休日労働の合計時間数の平均を各月で算出し、直近の事業年度の各月すべてで45時間未満であることが基準です。

✅重要:

  • 年間の平均ではなく、各月の平均で判定します。1か月でも平均が45時間以上の月があると、この基準は満たしません
  • 月の初日から末日まで従事した労働者のみを、その月の対象としてカウントします(月の途中で入退社した者は含めません。問14)
  • 事業場外みなし労働時間制・裁量労働制の適用者、管理監督者、高度プロフェッショナル制度の適用者は、算定の対象から除外します(問36・認定パンフレット)

この項目を満たさない場合でも、1段階目・2段階目では、他の評価項目の適合数と、満たさない項目の取組・公表・実績改善要件を確認します。労働時間基準を満たさないことだけで、すべての段階が一律に認定不可になるものではありません。

Q8. 管理職の定義は?

A. 「管理職」とは、「課長級」と「課長級より上位の役職(役員を除く)」にある労働者の合計です(問16)。「課長級」とは、次のいずれかに該当する者です。

  • 通常「課長」と呼ばれている者で、2係以上からなる組織、または構成員10人以上(課長を含む)の組織の長
  • 呼称や構成員数にかかわらず、職務の内容と責任の程度が課長級に相当する者(ただし一番下の職階ではないこと)

✅重要:

  • まず名称・係の数・構成員数で形式的に判断し、該当しない場合は実態に即して判断します
  • 一般的に「課長代理」「課長補佐」は課長級に該当しません
  • 実務上、管理職の人数が組織規模に比べて多い場合や、部下のいない管理職が多い場合は、組織図や職務分掌などで実態を説明できるよう準備しておくことをおすすめします

Q9. 女性管理職比率はどう判断しますか?

A. 次のいずれかに該当すれば、「管理職比率」の基準を満たします。

  • 直近の事業年度の管理職に占める女性の割合が、産業ごとの平均値以上
  • 直近3事業年度で平均した「課長級の1つ下の職階から課長級に昇進した割合」の女性÷男性が8割以上

✅注意:

  • 産業の区分は産業大分類が基本で、製造業はより細かく区分されています(問38)
  • 平均値は毎年7月に更新されます。現在の適用期間は2026年7月1日~2027年6月30日です。申請時に適用される平均値を必ず確認してください

Q10. 多様なキャリアコースとは何ですか?

A. 直近3事業年度に、次の実績があることです。

  • ア:女性の非正社員から正社員への転換
  • イ:女性労働者のキャリアアップに資する雇用管理区分間の転換
  • ウ:過去に在籍した女性の正社員としての再雇用
  • エ:おおむね30歳以上の女性の正社員としての採用

必要な実績の数は企業規模で異なります。

  • 常時雇用する労働者が300人以下の事業主:1項目以上
  • 常時雇用する労働者が301人以上の事業主:2項目以上(非正社員がいる場合は、アを必ず含む)

✅重要:雇用管理区分が1つしかないなど、満たすことのできない項目は除いて考えます(問40)。直近3事業年度に実績がない場合の「2年以上連続して改善」の判断方法も、問41で別に定められています(Q14参照)。

Q11. 情報公表は何を出せばいいですか?

A. 2026年4月1日から、公表の必須項目が拡大されました(問25)。

  • 301人以上:男女間賃金差異と女性管理職比率(必須)に加え、「機会の提供」と「両立の雇用環境」の区分からそれぞれ1項目以上(合計4項目以上)
  • 101~300人:男女間賃金差異と女性管理職比率(必須)に加え、1項目以上(合計3項目以上)
  • 100人以下:努力義務

これとは別に、えるぼし認定を受けるには、認定基準の実績を「女性の活躍推進企業データベース」で公表している必要があります(自社ホームページでの公表では足りません)。

100人以下でも、認定に必要な実績公表は必要です。認定後も年1回以上、実績等の公表を行います。改正に伴う初回の情報公表は、2026年4月1日以降に最初に終了する事業年度の実績を、次の事業年度の開始後おおむね3か月以内に公表します。

✅よくあるミス:法に基づく情報公表と、認定基準の実績公表を混同してしまう。

Q12. 行動計画は必ず必要ですか?

A. はい、必須です。100人以下で策定が努力義務の事業主でも、認定を受けるには必要です。

  • 策定
  • 労働局への届出
  • 社内周知
  • 外部公表

の4つがそろっている必要があります。行動計画に必ず記載するのは、①計画期間、②数値目標、③取組内容、④取組の実施時期です(問7)。

✅注意:計画期間の開始日が2026年4月1日以降の行動計画は、改正後の規定・指針に基づいて状況把握を行い、策定する必要があります(問9)。

通常のえるぼし認定は、必要な要件と公表等がそろえば、行動計画の期間満了を待たずに申請できます。行動計画の目標達成を要件とするプラチナえるぼしとは区別してください。

Q13. 「直近の事業年度」とはいつですか?

A. 原則として、認定申請を行う事業年度の前の事業年度です(問57)。

  • 申請時に前の事業年度の数値を把握することが難しい項目は、前々事業年度の数値を使うことができます
  • 直近の事業年度以後の最新の数値を使うこともできますが、採用の競争倍率や労働時間など一定の期間が必要な項目は、1年間分の数値が必要です
  • 項目ごとに異なる事業年度を「直近の事業年度」として扱うことも差し支えありません

Q14. 数値が基準未達の場合は?

A. 1段階目・2段階目では、満たさない評価項目について、

  • 関連する取組を実施し、その実施状況をデータベースで公表すること
  • 2年以上連続して実績が改善していること

が求められます。

✅2026年4月からの見直し(1段階目のみ。問43):次の項目は、2年以上連続した改善のほか、3事業年度の平均値を1年ずつずらして比較し、3つの平均値が連続して改善していれば、その改善傾向を評価する方法も選べます。女性割合などは上昇、労働時間は減少を確認するため、すべての項目を同じ不等号で判定するものではありません。

  • 採用のうち、正社員に占める女性割合等による基準
  • 継続就業
  • 労働時間等の働き方
  • 管理職比率のうち、女性管理職割合による基準

直近の事業年度をX年度とした場合、X~X-2年度、X-1~X-3年度、X-2~X-4年度の3つの平均値を比較するため、5事業年度分のデータが必要です。具体的な指標と改善の判断方法は、認定申請書の記載例等も確認してください。

採用の競争倍率、課長級への昇進割合の男女比、多様なキャリアコースには、この新しい選択肢は適用されません。2段階目の基準は見直されていません(問44)。

✅多様なキャリアコースの特例(問41):直近3事業年度に実績がない場合、4事業年度前より3事業年度前の合計実績人数が多ければ、「2年以上連続して改善」とみなされます。

Q15. 女性が少ない会社でも取得できますか?

A. 条件次第で可能です。1段階目は5つの評価項目のうち1つまたは2つを満たし、満たさない項目について所定の取組・公表・実績改善要件を満たす必要があります。女性が少ないことだけで認定の可否は決まりません。

✅取得のポイント:

  • 多様なキャリアコース(常時雇用する労働者が300人以下の事業主は1項目以上の実績が必要)
  • 1段階目の改善傾向の評価(Q14)
  • 採用・登用の取組の見直し

Q16. えるぼしプラスとは何ですか?

A. 2026年4月1日に創設された認定で、えるぼし(1~3段階目)・プラチナえるぼしの基準に加えて、女性の健康支援に関する基準を満たす企業が対象です。

✅ポイント:

  • 休暇制度等は女性専用である必要はなく、全労働者向けの制度でも、女性の健康上の特性への配慮に利用できれば差し支えありません(問49)
  • 制度を整備していれば、まだ利用者がいなくても対象になります(問50)
  • えるぼしを取得していなくても、最初からえるぼしプラスを申請できます(問51)

取得後の注意: えるぼしプラス認定・プラチナえるぼしプラス認定を取得した後に、女性の健康支援に関する要件を満たさなくなった場合、プラス部分のみを辞退・取消しとすることはできません。通常のえるぼし認定・プラチナえるぼし認定へ自動的に移行するものではなく、それぞれの要件を満たしている場合は、別途認定申請が必要です(問54)。

Q17. プラチナえるぼしは、2026年10月に何が変わりましたか?

A. 2026年10月1日から、求職者等へのセクシュアルハラスメント防止措置に関する情報を、女性の活躍推進企業データベースで公表することが認定要件に追加されています(問45~47)。

方針の明確化・周知啓発や相談対応体制に関する情報など、必要な公表内容を確認します。既に認定されている事業主等の公表時期や、定期的に採用活動をしていない場合にも取扱いがあります。通常のえるぼしの5項目の評価とは分けて、公式資料または労働局で確認してください。


申請前に確認したい事項

申請書の補正や追加確認を防ぐため、次の事項を確認してください。差戻しの件数や割合を示すものではありません。

  • 雇用管理区分の設定・まとめ方の誤り
  • 対象とする事業年度のずれ
  • 数値の定義の誤り(対象者の範囲、様式の記載漏れ・誤記載)
  • データベースでの実績公表の漏れ

申請準備では、根拠資料と公表内容の整合性も確認しましょう

えるぼし認定は、

  • 基準そのものは明確
  • 解釈事項による実務上の取扱いが細かい
  • 複数の資料を読み込まないと全体像をつかみにくい

という特徴があります。申請書に記載する数値だけでなく、対象者・対象期間・算定方法と、裏付け資料・公表内容の整合性も確認してください。


えるぼし認定サポートのご案内

当事務所では、えるぼし認定の取得を具体的に進めたい企業・法人様に向けて、実績数値の算出、帳簿・裏付け資料の整理、認定申請書類の作成を支援しています。対応はすべてメールで行い、全国からのご依頼を承ります。

電話・オンライン会議・対面での相談や打合せは承っておりません。すべてメールで対応します。

よくあるご相談

  • 様式への数値の記載方法が分からない
  • 雇用管理区分の設定やまとめ方が分からない
  • 申請前に不足資料がないか確認したい

サービス内容と料金(税込)

段階 料金
無料簡易診断(ヒアリングシートの回答内容のみ確認) 無料
詳細診断(資料点検・実績数値の一次確認) 55,000円~
申請支援の着手 110,000円
帳簿整理 110,000円~
認定申請支援 110,000円~

申請支援(着手・帳簿整理・認定申請支援)の合計は330,000円(税込)~、詳細診断から申請支援一式を実施する場合は合計385,000円(税込)~です。行動計画の新規策定・変更等は、別途お見積りとなります。

無料簡易診断はヒアリングシートの回答内容のみを確認するもので、規程・帳簿の点検、数値の検証・再計算、集計は含みません。無料診断時は、ヒアリングシートのみをご返信ください。詳細診断のみのご利用も可能です。

資料は原則として電子データでご提出いただきます。紙資料しかない場合は送付前にメールでご相談ください。事前の合意のない紙資料は受け付けておりません。原本は送付しないでください。紙資料・写真・スキャンPDF等からの入力・転記・データ化、追加集計等は別途お見積りとなります。有料業務は内容と費用を事前にメールでご了承いただいてから開始します。資料の送付だけで料金が発生するものではありません。

各段階でご依頼いただき実施した業務の費用は、認定結果にかかわらず発生します。申請書類は当事務所が作成し、労働局への提出は企業・法人様ご自身で行っていただきます(代理申請は行っておりません)。行動計画の届出やデータベースへの登録・公表も企業・法人様ご自身で行っていただきます。認定取得や特定の認定段階を保証するものではありません。

詳しくは、えるぼし認定取得支援サービスのページをご覧ください。

▶ えるぼし認定取得支援サービス|無料簡易診断・帳簿整理・申請書類作成を社労士がサポート

お問い合わせ

お問い合わせフォームから「えるぼし無料簡易診断希望」とお知らせください。ヒアリングシートをメールでご案内します。

制度全般や、自社が制度の対象となるかどうかについてのご質問は、管轄の労働局へ直接お問い合わせください。

▶【えるぼし無料簡易診断を申し込む】お問い合わせフォームへ


公式情報

本ページの内容は、2026年10月12日時点で確認した厚生労働省・労働局の公表資料に基づきます。


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