NEWS

大阪府警察本部のハラスメント防止研修講師を担当させていただきました

2022/12/07

弊社代表の山田雅人が12月2日、大阪府警本部にて実施された幹部職員向けハラスメント防止研修の講師を担当させていただきました。

今年から全企業が対象となったパワハラ防止措置義務に伴い、一般企業だけでなく学校法人やNPO団体など、様々な組織からハラスメント防止研修をご依頼いただくことが大変増えました。ハラスメントはすべての組織のリスクファクターとして無視できない問題といえます。

最近では元陸上自衛隊の五ノ井里奈さんが所属していた部隊で酷い集団セクハラによる被害を申告したにもかかわらず自衛隊組織として誤った対応を行い、陸上自衛隊トップが本人に直接謝罪するなど事件が大きく報道されました。

大阪府警内においても前枚方署長の男性警視が部下にパワハラ、セクハラ行為を繰り返したとして2022年8月に実名公表され懲戒処分された事案(同日付けで依願退職)が大きく報道されたり、四条畷警察署では当時28歳の巡査長が上司からのいじめや嫌がらせによるパワハラ行為によって自殺(公災認定)するなど、国家公務員においても縦割り社会という理由だけでは済まされないハラスメント事件が発覚しています。

公務員のなかでもその職務においてより高い倫理観が求められる警察官においては、国民の信頼維持に「不祥事対策」は必要不可欠であり、民間企業同様にセクハラ・パワハラのようなハラスメント事件は大きな問題です。今年9月の大阪府警本部長訓示でも署幹部のハラスメント事案について、「府警を取り巻く状況は大変厳しく、危機的状況にあることを認識してもらいたい」など、相次ぐハラスメント事案についてトップとして厳しいコメントを発しています。

組織としてハラスメント対策要綱を制定し、防止のために取組みを行っているものの、本部人事課によると各人の意識を高めるためには民間企業の意識レベルを浸透させるべきであるとの意見も強く、今回は当事務所が一般企業や学校法人など民間団体に対して行っている実践的なハラスメント研修を是非受講させたいとのご相談を受け、名だたる有名弁護士事務所や研修会社が(たぶん)参加したであろう熾烈なコンペを勝ち抜き、大阪府警の上級幹部を含めた管理職者数百名を対象に講義形式(集合対面+WEB配信+録画視聴)にてハラスメント研修を行ってまいりました。

今回の研修は大人相手のため、ハラスメントの基本説明はわずかにし、きわどい判例や実際の実務で起きた事案、また自覚を促すセルフチェックや不適切な行動・言動例、また国家公務員は身分が強く保証されており民間企業と比較して処分が甘いと言われている件について、そうではない最新の判例をご紹介しました。

副本部長(大阪府警のナンバー2)もご挨拶に見え、「警察といえどもハラスメントは民間同様に重要な問題であり、一般企業がどのように取り組みしているのか大変興味がある。時間が許す限り私も受講させていただいてよいか」とお声がけいただき、実際にすべてのカリキュラムを受講されていたようです。

(研修を行う当社代表の山田)

当社の所感(研修の感想)

今回は府警本部の大会議室にて約300名の対面にあわせて、オンラインによる各署への同時配信で大規模な研修となりましたが、大人数でのセミナーを行うとだいたい数名は居眠りしている方がいます。講師力不足にもよると思いますが、やはり無理やり受けさせられる企業研修はなかなか興味を持ちづらいものです。しかし今回会場にご参加いただいた大阪府警の皆様は誰一人居眠りする人はおらず、時には大きな頷き、また数名の女性は辛辣な無自覚者の例に対して拍手せんばかりの感嘆ぶりも見え終始前のめり、終わりは拍手喝采で大変興味を持っていただけたようです。

先の陸上自衛隊セクハラ事件のマズすぎる対応を見ていた当社としては、警察組織も所詮は外向きにアピールするために「形式的な研修」を実施するだけのパフォーマンスだろうと当初は思っていましたが全く異なり、本気でハラスメントを撲滅するという気概が伝わってきました。民間企業で実施している管理職向け研修であれば内容は当方に全面的にお任せしたいというご要望だったにもかかわらず、あそこを強調してほしいとか、あの話題は入れてほしいとか、NGは無いのでどんどん攻めてほしいとか、時間は気にしなくてもいいのでもっと辛辣なコメントが欲しいとかの要望も多く、講師に対するパワハラ(類型:過大な要求)だよと言ってしまったほどです。

当社としては報道に向けて外部メディアの撮影隊を参加させるなど一般公開するものかと思って有名人になるチャンスを期待していましたが、人事統括責任者の警視曰く公表する予定もなくあくまでも幹部の自覚を促すための内部向けのもので、「パワハラ撲滅に向けた人事措置の一環」となんともがっかりの対応でしたが、とにかく私たち一般市民としては、私たちの平穏安寧な暮らしのため、危険を承知で職務にあたる警察官の皆様がパワハラやセクハラに絶望して辞めてしまったりしないよう、『健全な組織』で持てる力を発揮していただければ何も言うことはありません。

(他団体への研修実績)

●学校法人明治大学 新入職員向けハラスメント防止研修(令和5年)

●農業法人団体 経営幹部向けハラスメント防止研修(令和5年)

●非鉄金属製造企業(一部上場) 経営幹部・管理職・一般社員向けハラスメント防止研修(令和5年)

●大手家具メーカー(一部上場) 経営幹部向けハラスメント防止研修(令和5年)

・・・・他民間・官公庁にて100社以上の講義実績

➡ハラスメント防止研修のご要望はこちらへ