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外部ハラスメント相談窓口の見直し完全ガイド|人事総務部のための実効性調査・アンケート設計

2026/01/09

はじめに|なぜ今、「外部相談窓口」を見直す企業が増えているのか

パワーハラスメント防止法の施行から数年が経過し、多くの企業では社内外のハラスメント相談窓口が「制度上は整備されている状態」にあります。そして、法律上の要件で整備した窓口も一定期間が経過し、人事総務担当部門には次のような局面が訪れています。

  • 経営層から「相談窓口が機能しているか」確認を求められる

  • 新年度・契約更新時期に入り、外部委託の妥当性を評価する必要性

  • 監査・内部統制・ガバナンス観点から、リスク耐性への説明資料を求められる

このとき人事部に求められるのは、「設置している」という説明ではなく、「その窓口が実効性を有しており、継続すべき(見直すべき)」ことの説明です。


1.「整備されている」と「機能している」は別の話

社内相談体制については、

  • ハラスメント規程がある

  • 外部相談窓口を設置(契約)している

  • 社内周知文書を配布している

といった点は、チェックリスト形式で誰でも確認できます。

しかし、窓口の実効性については、定量的な評価だけではわかりません。

  • 従業員が実際に窓口を認識しているか

  • 利用に心理的な抵抗を感じていないか

  • 本当に困ったときに使われる状態か

「実効性」は、制度整備状態だけではなく対象となる従業員の“受け止められ方”の問題であり、形式的な書面確認だけでは判断できません。


2.実効性確認が行われないまま放置される理由

人事部としても、

  • 特に問題が起きていない

  • 相談件数がゼロ

  • 忙しく、そこまで手が回らない(導入時に大変な労力を要した)

といった事情から、外部委託先の見直しは後回しになりがちです。

しかし、「見直しをしていないこと」自体が、将来の説明リスクになるケースもあります。これは実効性評価の重要な視点であり、結果的に変更が無かったとしても、「見直し作業を行った」ことを記録しておくことが人事部としての役割であり、事故が発生した時の企業リスクの回避にもつながります。業務委託先は毎年更新時に見直しをしていても、外部相談窓口はまだ導入実績が浅く、これから更新ルーティン対象先として見直され始めている分野でもあります。


3.形骸化したまま見直しをしない場合のリスク(人事視点)

見直しを行わず、実効性を調査・確認しないまま現行の相談体制を放置すると、次のようなリスクが生じる可能性があります。

✅相談できないまま問題が深刻化する

✅監督機関や外部弁護士の介入に発展する

✅相談窓口が形骸化しており裁判等で実効性が低いと評価される可能性がある

 →人事担当部門として、社員管理体制の不備が責任を問われる

パワハラ関連法による義務は個別解決を求めるものではなく、「適切な防止措置が行われていたこと」であり、重要なのは、結果ではなく「確認・見直しのプロセスを踏んでいたか」が問われる点です。


4.外部相談窓口見直しの基本的な考え方

本ページでは、委託先の再選定や変更を推奨するものではありません。

あくまで、企業・人事総務部として、「相談体制が適切に整備され、定期的な見直しによって防止措置レベルを維持していた」ことを第三者に主張できるための専門家によるガイドです。

通常の外注先同様に、古くなってきた外部委託先の点検・見直しが必要になったときに、どう整理作業を進めるべきかを理解するための実務整理です。


5.見直し時の基本プロセス

STEP1.社内アンケートによる実効性確認

窓口の点検時に最初に行うべきは、現行の相談窓口が社員たちにどのように受け止められているかの実態把握です。

  • 窓口は広く認知されているか

  • 窓口設置による安心感があるか

  • 緊急時に窓口利用の選択肢はあるか

など、匿名アンケートで確認することが必要です。


STEP2.アンケート結果に基づく問題点の整理

アンケート結果から、

  • 窓口周知不足

  • 制度理解不足

  • 心理的ハードル

  • 中立性への不安

など課題点を切り分けます。

アンケート実施と整理作業によって初めて、「制度そのものの問題か」「運用・周知の問題か」が整理できます。


STEP3.見直しの必要性判断(人事内部判断作業)

  • 現行サービス改善で対応できるか

  • 委託先変更が必要なほどの課題か

  • 委託先見直しを検討すべきか

人事部内で整理します。


6.実効性確認アンケート|設問設計の考え方

社内アンケートは、「満足度調査」ではなく「利用可能性の確認」を目的に設計します。

設問設計の基本視点

✅窓口があることを知っているか

✅窓口はいつか使えると思っているか

✅実際に使おうと思える先となっているか


7.アンケート設問例(たたき台)

以下は窓口に関するアンケート調査実施時の設問例です。実施にあたっては、企業の実情に応じて調整が必要です。

  1. 会社にハラスメント相談窓口があることを知っていますか

  2. 相談窓口があることで、職場での安心感はありますか

  3. これまでに、相談窓口を利用したいと思ったことはありますか

  4. 相談窓口の連絡先は、スマートホンに記録しているなどすぐに確認できる状態ですか

  5. 相談窓口の利用ルール(匿名可否・秘密保持など)を理解していますか

  6. 相談すると不利益が生じるのではないかと感じたことはありますか

  7. 外部相談窓口について、中立性があると感じますか

  8. 相談窓口が「ある職場」と「ない職場」では、働く気持ちに影響があると思いますか

  9. 相談窓口はご自身の仕事の悩みや辛いときの相談内容が受付範囲に含まれていると思いますか
  10. 窓口に相談することで、自身の状況について助言や改善が期待できそうと感じますか

※自由記述欄を設けることで、数値化できない不安や要望も把握できます。

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8.アンケート実施時の注意点(人事実務)

  • 匿名性の確保

  • 回答時間は短く(5分程度)

  • 回答を強制しない(返信率優先)

  • 「評価目的ではない」ことを明示

これらを守らないと、実態を反映しない結果になります。アンケート設計のポイントは、ハードルを低くすることです。「外部窓口を利用したことがありますか」のような、個人的な質問は設計しないことなどが挙げられます。


9.当社の外部相談窓口サービス

当社の外部相談窓口サービスは、

  • 労務専門の国家資格者(社労士)による相談受付体制

  • 中小企業にも導入しやすい料金設計(従量課金プラン/月額5,500円~)

  • 年一度の総相談実績と傾向レポート配布(無料)

既存窓口委託先の変更だけでなく、初めての窓口外部委託や既存窓口との併用などでもご利用いただけます。

↓詳しい内容は以下からご確認

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よくあるご質問(FAQ)

Q.アンケートを取らなくても問題はありませんか?

A.直ちに違法となるものではありませんが、法律で求められている防止措置の実効性を確認していない状態は、説明責任の観点でリスクが残ります。


Q.相談件数がゼロでも見直しは必要ですか?

A.相談ゼロはそれだけで「安心」なのか「使えない」のか判定できません。アンケートの実施でなければ内容は判断できません。


Q.小規模企業でも見直しを実施する意味はありますか?

A.あります。むしろ人数が少ないほど、相談しづらさが生じやすい傾向があります。


Q.アンケート結果が悪かった場合、必ず制度変更が必要ですか?

A.必ずしも制度変更が必要とは限りません。周知や説明の改善で対応できる場合もあります。アンケートは実施で終わらさず、結果の分析が必要です。


お問い合わせ

当社では1万名を超える大企業から官公庁・学校法人まで、50団体以上の外部相談窓口の実績を活かし、企業にとって最適な窓口設置方法、設置に関するアドバイスを行っております。

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