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【2025年対応版】中小企業の懲戒処分と退職勧奨の実務ガイド｜戒告・減給・出勤停止・懲戒解雇まで（社労士監修）
2025/10/06
はじめに｜中小企業ほど「解雇リスク」に直面する
中小企業では即戦力採用が多いため、採用後に「期待した働きができない」「勤務態度に問題がある」「モチベーションの低下が顕著」という事態が少なくありません。
「もう辞めてもらいたい」「解雇する方法はないか」と思っても、法律上の解雇は非常にハードルが高く、訴訟になれば会社側が敗訴することも多いのが現実です。あまり強い対応をすると、組織が委縮してしまい続けて欲しい従業員が辞めてしまうかもしれません。
そこで実務上は、教育・注意・面談・文書記録などの施策を積み重ね、最終的に退職勧奨や懲戒処分に至るのが一般的です。
第1章｜中小企業における懲戒処分前のステップ（退職勧奨の実務）
1. OJTトレーニング記録を残す
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能力不足や勤務懈怠の場合、まずは教育の機会を与えた証拠を残します。
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OJTの内容（何を、どのように指導したか）とその成果を記録し、「改善のチャンスを与えた」と主張できる形にします。
2. 研修の実施
3. 顛末書・始末書の活用
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軽度のミス：顛末書で事実・原因・改善策を記録。
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重大なミス・不正：始末書で反省・誓約を残す。
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書面が積み重なると「注意しても改善されなかった」ことが明確になります。
4. 1on1面談とルール化
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定期的な1on1面談で改善指導を行い、本人の意思を確認。
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「改善するのか、改善できなかったらどうするのか（辞めるのか）」を選択肢として提示することも可能。
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面談記録は議事録形式で残し、違法な退職勧奨とならないよう透明性を確保。
5. 上司のメモの取り方
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「いつ・どこで・どんな文脈で『退職したい』と発言があったか」をメモに残す。
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後のトラブルで「そんなことは言っていない」と否定されるのを防ぎます。
6. 公正な人事評価
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定期的に人事評価を実施し、同僚との比較を含めて本人にフィードバック。
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評価の透明性を高めることで「自分の立場」を納得させやすくなります。
7. キャリア面談・適性検査
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本人のキャリアを尊重した面談や適性検査を実施。
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「本人の将来を考えて退職を勧めた」という誠実な姿勢を示せます。
第2章｜中小企業で最終的に懲戒処分に進む場合
上記の施策を講じても改善が見られない場合、初めて懲戒処分を検討します。
懲戒の種類
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戒告・けん責：最も軽い。書面注意。
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減給：労基法91条により「1回の額は平均賃金の1日分の半額、月額は1/10まで」。
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出勤停止：数日間の出勤を禁じ、賃金不支給。ただし社会的影響が大きい。
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諭旨解雇：本人に退職届を提出させる形。慎重な運用が必要。
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懲戒解雇：最も重い処分。背信行為など重大な理由が必要。裁判で争われやすい。
第3章｜違法リスクを避けるための注意点
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即解雇は原則として無効（横領・暴力などの重大背信行為以外では認められにくい）。
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退職勧奨は繰り返し・強要すると違法となり、損害賠償のリスク。
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書面・面談・評価記録の有無が「違法か適正か」を分ける。
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実際の処分実施前には社労士・弁護士に相談するのが望ましい。
第4章｜よくあるケースと対応例
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能力不足・仕事が遅い → OJT＋研修＋顛末書
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遅刻・無断欠勤 → 指導記録＋始末書＋1on1面談
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ハラスメント行為 → 被害者ヒアリング＋懲戒委員会＋懲戒解雇検討
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横領・情報漏洩 → 即時の懲戒解雇も可能だが、必ず証拠収集を行う
まとめ｜「積み重ねの記録」が会社を守る
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中小企業こそ「すぐ辞めさせたい」と思いがちだが、即解雇は大きなリスク。
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OJT・研修・文書・面談・評価・キャリア支援を積み重ねることで、穏便な退職に導ける。
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それでも改善が見られない場合に懲戒処分を実施するのが、安全で合法的な対応。
FAQ｜中小企業の懲戒処分・退職勧奨でよくある質問
Q1. 即日解雇はできますか？
A. 原則できません。横領や暴力などの重大な背信行為がある場合を除き、即日解雇は不当解雇とされやすいです。
Q2. 退職勧奨と退職強要の違いは？
A. 退職勧奨は本人に選択肢を与える行為、退職強要は繰り返し圧迫して辞めさせる行為です。強要は違法になります。
Q3. 顛末書・始末書は必ず必要ですか？
A. 必須ではありませんが、記録がなければ「注意した事実」を立証できません。裁判リスクを考えると必ず残すべきです。
Q4. 懲戒解雇にしたら退職金は払わなくていいですか？
A. 就業規則に「退職金不支給の定め」があれば可能ですが、裁判で無効とされるリスクもあるため慎重に判断してください。
Q5. 記録はどの程度残すべきですか？
A. OJT記録、面談メモ、顛末書・始末書、人事評価、メールやLINEのやり取りなど、できる限り多角的に残すことが望ましいです。
お問い合わせ・ご相談について
懲戒処分や退職勧奨の実務は、ほんの少しの判断ミスで「不当解雇」や「違法な退職強要」とされるリスクが高まります。
中小企業の現場感覚に即した対応を行うためには、第三者の専門家によるチェックが有効です。
当事務所では――
✅ OJT・研修・面談記録の整理
✅ 顛末書・始末書の文例提供
✅ 懲戒処分の有効性チェック
✅ 訴訟リスクのシミュレーション
など、実務に直結するサポートを提供しています。
「迷ったときに早めに相談する」ことが、トラブル回避と企業防衛につながります。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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