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【2025年対応版】ハラスメントを生まない組織心理シリーズ|無自覚な行為者・指導できない上司・板挟み管理職を科学する(社労士+心理学監修)
2025/10/17
はじめに|「悪意のないハラスメント」を減らすには
ハラスメント防止法の施行を契機に、多くの企業で研修や相談体制の整備が進みました。
しかし現場では、依然として次のような課題が見られます。
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行為者本人に悪意がなく、無自覚のままトラブル化するケース
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上司がパワハラを恐れて指導を避けるケース
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中間管理職が板挟みとなり疲弊・離職するケース
これらは「ハラスメント防止」だけでは解決できない組織心理の課題です。
本シリーズでは、心理学・行動科学・労務管理の3視点から、“人が人を傷つけない組織”をつくる教育設計を解説します。
(※本ページは教育・組織開発の観点からまとめた一般的解説であり、個別の法的助言を目的とするものではありません)
第1部|シリーズ全体の構成
回 | テーマ | 主な内容 | 対象層 |
---|---|---|---|
第1回 | 無自覚なハラスメント行為者を変える教育設計 | 認知・感情・行動のずれから生じる“気づかぬ加害”を心理的に分析 | 一般社員・若手層 |
第2回 | “指導できない上司”の心理と職場リスク | パワハラを恐れすぎる管理職の心理構造と行動変容プログラム | 管理職・教育担当者 |
第3回 | “板挟みの中間管理職”の心理と組織リスク | 上にも下にも挟まれるリーダーのロールストレスと支援策 | 中間層・経営層・人事部門 |
第2部|3つの心理構造を読み解く
① 無自覚な行為者の心理
本人に悪意はなくとも、「冗談のつもり」「昔は普通だった」という認知のずれが相手に苦痛を与え、職場の信頼を損なう。
➡ 認知バイアス・感情知能・メタ認知の教育が効果的。
② 指導できない上司の心理
ハラスメント防止が進む一方で、「叱るのが怖い」「嫌われたくない」といった恐れの心理が広がり、育成停滞・離職増加を招いている。
➡ 支援的対話・アサーティブ研修・自己効力感の回復が重要。
③ 板挟み管理職の心理
上層の成果圧力と、部下の共感要求のあいだで疲弊。
「上にも下にも言えない」状態が続くことで、組織全体の意思伝達が詰まる。本人に悪意はなく誠実だが、結果的に「頼りない上司」と見なされ、信頼が蓄積しない。
➡ ロール・ストレス理論に基づく役割明確化・ピア支援が有効。
第3部|3タイプ比較チャート
分類 | 無自覚な行為者 | 指導できない上司 | 板挟み管理職 |
---|---|---|---|
主な心理 | 「自分は悪くない」 | 「嫌われたくない」 | 「誰かを傷つけたくない」 |
行動傾向 | 冗談・軽視・同調 | 回避・沈黙・迎合 | 優柔不断・孤立・過負荷 |
組織への影響 | 信頼低下・不信連鎖 | 育成停滞・離職 | モチベーション低下・機能不全 |
改善アプローチ | 自覚促進・感情知能 | アサーティブ訓練 | メタ認知・セルフコンパッション |
第4部|教育・支援プログラム体系
階層 | 対象 | 主なプログラム例 |
---|---|---|
一般社員層 | 行為者予防教育 | 無自覚行為・アンコンシャスバイアス講座 |
管理職層 | 育成・指導力回復 | “叱れない上司”の行動変容プログラム |
中間管理職層 | 組織調整支援 | 板挟みリーダー支援プログラム |
経営層 | 組織文化再設計 | ハラスメントリスクレビュー・再発防止体制設計 |
第5部|セルフチェックリスト&無料資料
自分の立場で「どんな傾向があるか」を確認できるチェックリストを用意しました。
該当する項目に✓を入れて、今の職場行動を振り返ってみましょう。
◆ 無自覚な行為者チェック(一般社員・若手向け)
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注意や指摘をした際に、相手が怒ったり落ち込んだりした経験がある
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冗談や雑談のつもりで相手を傷つけたことがある
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自分の言葉づかいを“きつい”と言われたことがある
◆ 指導回避傾向チェック(管理職向け)
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部下を注意する前に「パワハラと思われないか」と考えてしまう
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注意よりも自分でやり直した方が早いと感じる
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「嫌われたくない」「良い上司と思われたい」と思うことが多い
◆ 板挟み度チェック(中間管理職向け)
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上からの指示と現場の声の板挟みでストレスを感じる
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誰かを守ろうとすると、別の誰かを裏切る気がする
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部下の不満を上司に伝えられず抱え込んでしまう
☑チェック結果の目安
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1〜2項目:通常範囲
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3〜5項目:軽度の心理的ストレス傾向あり
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6項目以上:心理的負担・組織的支援が必要な可能性
心理的傾向セルフチェックリスト(Word版)無料ダウンロード
『心理×労務で見るハラスメント防止教育の新潮流(2025)』
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各タイプ別セルフチェック欄(記入式)
- 若手・管理職・中間管理職の心理傾向毎に分類
第6部|シリーズ各ページのご案内
第1回 無自覚な行為者を変える教育設計
認知バイアス・感情知能・心理的防衛を理解し、
“気づかぬ加害”を防ぐ教育プログラムを紹介。
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第2回 “指導できない上司”の心理と職場リスク
パワハラを恐れるあまり育成を止めてしまう管理職の心理を解剖。
アサーティブ技法や行動変容ワークを中心に改善策を紹介。
▶ 記事を読む
第3回 “板挟みの中間管理職”の心理と職場リスク
上司にも部下にも挟まれるリーダーを救う、組織的支援と心理教育。
ロール・ストレス理論とセルフ・コンパッションを実践解説。
▶ 記事を読む
第7部|よくある質問(FAQ)
Q1. 社内のどの層から取り組むのが効果的ですか?
→ 管理職層・中間層が最も効果的です。行動変容が可視化され、組織全体に波及します。
Q2. 外部研修だけでなく社内講師育成も可能ですか?
→ はい。社内トレーナー養成型プログラム(2日間+フォロー)を提供しています。
Q3. 心理的支援やカウンセリングは伴走形式ですか?
→ ご希望に応じ、社労士・産業カウンセラー・臨床心理士の連携体制で支援します。
第8部|まとめ|“人が人を育てる”組織へ ― ハラスメント防止から行動変容教育へ
ハラスメント防止とは、「怒らない」「叱らない」ではなく、“人と向き合う力を育てる”ことです。
心理学的理解と制度設計を両輪とする教育により、上司も部下も安心して対話できる環境が整います。
2025年以降は、「防止」から「変容」へ。それが、企業の人材育成力を決める時代です。
ご相談・お問い合わせ
RESUS社会保険労務士事務所では、
心理教育・労務設計・組織改善を一体化した「ハラスメント防止教育支援シリーズ」を提供しています。
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