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【2025年版】ハラスメントと若手離職の関係|“辞めやすい職場”をつくる3つの要因と、今日からできる予防策

2025/11/13

監修:RESUS社会保険労務士事務所(社会保険労務士 山田雅人)
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はじめに|若手離職の“隠れた根本原因”はハラスメント

若手離職の相談で最も多い背景の一つが「ハラスメント(パワハラ・モラハラ)」です。

しかし、企業側は「ハラスメントは無いと思う」「うちの上司はそんなタイプではない」と考えているケースが多く、認識のズレが離職やトラブルの温床になっています。

実際の相談では、

  • “叱ったつもり”がパワハラに感じられる

  • 冗談のつもりが威圧に聞こえる

  • 上司は覚えていない言動が、若手には強く印象に残る

といった“微細な行動”が若手のストレス源になりやすい傾向があります。

本ガイドでは、若手離職の背景にあるハラスメントとその構造、今日からできる予防策を実務レベルで整理します。


1.若手が「職場を辞めたい」と感じる3つのハラスメント要因

(1)指導の言い方が“厳しすぎる・曖昧すぎる”

若手世代が離職理由として最も多く挙げるのが、「指導の仕方がきつい(≠適切な叱責ではない)」です。

具体的には:

  • 感情的な言い方

  • 責めるような表情・威圧感

  • 目的説明がなく、怒られて終わり

  • 人前で叱られる、指導の説明が下手・不十分

若手は「何が悪かったのかわからない状態」に強いストレスを感じます。


(2)心理的安全性の欠如

心理的安全性が低いと、次のような行動が出やすくなります。

  • 質問できない

  • ミス報告を避ける

  • 相談せず抱え込む

  • 助けを求められない

結果として、ミスが増え、評価が下がり、「この会社に合っていないかも…」と感じやすくなります。

実際、若手の離職相談で最も多いキーワードは「相談しにくい」が上がっています。


(3) 上司本人は“ハラスメントの自覚がない”

現場では、上司が悪意なくハラスメントに該当するケースが少なくありません。

例:

  • 本人は励ましているつもり

  • 「冗談だよ」と日常的に言う

  • 同世代の価値観ギャップに無自覚

  • 無意識の圧力(声・姿勢・表情)

この“無自覚ハラスメント”が若手の退職理由になりやすいのが2025年以降の特徴です。


2.若手がハラスメントと感じやすい“具体的な言動例”

以下は、実際の相談で頻出するケースです。

●「この程度は普通だろ」という言い方

→ 価値観の押し付けと受け取られやすい。

●「なんでこんなこともできないの?」

→ 自己効力感を大きく損なう代表例。

●人前での指摘・ため息・舌打ち

→ 若手は“周囲の目”を最も気にする世代。

●曖昧な指示

→ 「どうして怒られたのか」が理解できず離職の引き金に。

●業務量の偏り(特定の人に集中)

→ 公平感を強く重視する若手にとっては重大ストレス。


3.ハラスメントと若手離職をつなぐ“心理メカニズム”

若手の離職は、単なるミスや相性の問題ではありません。
背景には次の3段階があります。

【STEP1】否定的な体験が積み重なる

・理由のない叱責
・曖昧な指示
・雑な扱い

【STEP2】「相談できない」状態に陥る

・相談しにくい雰囲気
・上司が忙しそう
・人前での指摘が怖い

【STEP3】“辞めるしかない”と結論づける

・逃げたい
・もう話したくない
・SNS等に発信したい
・辞めても理解されないと思っている

結果として、ハラスメント被害がSNS投稿・口コミ悪化・リベンジ退職に発展することもあります。


4.今日からできるハラスメント予防の“5つの実務対策”

対策1:指導基準と言い方の標準化

  • 叱る場面

  • 叱る言い方

  • 叱らない場面

  • ほめる基準

この4つを明文化するだけで、ハラスメントの大半が防げます。管理職者向けに指導基準書を作成するのもトラブル防止に効果的です。


対策2:新人フォロー体制の明確化(オンボーディング)

特に入社後1〜3か月は要注意。チェックリスト・毎日の声かけ・1on1で「孤独」を防ぎます。


対策3:心理的安全性を高める小習慣

  • 「わからなかったらまた聞いてください」

  • 「ミスしても大丈夫。次に活かそう」

  • 一度で伝わらなくてOK

これだけで離職率が大きく改善します。

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対策4:外部相談窓口を設置する

若手は社内より外部を信頼しやすい傾向があります。
不満がSNSに出る前に声を聴ける“安全な受け皿”を作ることが重要。

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対策5:管理職研修で“無自覚ハラスメント”を防ぐ

  • 伝え方の癖

  • 表情・声のトーン

  • 心理的安全性

  • 価値観ギャップ

管理職がここを理解するだけで、職場のトラブルは激減します。

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5.自己診断チェックリスト(簡易版)

□ ミスの指摘が感情的になっていないか
□ 説明不足のまま指示していないか
□ 人前で叱っていないか
□ 若手からの質問が減っていないか
□ 不満を“早期に拾う仕組み”があるか
□ 外部相談窓口を設置しているか


6.まとめ|若手離職を防ぐ最大のポイントは「環境と伝え方」

若手が辞める理由の中心は、「人間関係×伝え方」にあります。ハラスメントは、上司の性格や個人の問題ではなく、職場の仕組み・文化の問題です。

小さな改善の積み重ねが、採用・定着・エンゲージメントの向上につながります。

RESUS社会保険労務士事務所では、ハラスメント防止研修・若手定着支援・外部相談窓口を一貫して提供しています。

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FAQ(よくある質問)

■ Q1. ハラスメントと指導の違いは何ですか?

意図ではなく“受け手の状況”が重要です。目的説明・背景共有がなく、感情的・威圧的な言い方はハラスメントと受け取られやすくなります。


■ Q2. 若手の離職理由は本当にハラスメントが多いのですか?

多いです。相談内容の半数以上が「指導の言い方」「人間関係」です。


■ Q3. 外部相談窓口はどのような効果がありますか?

SNS投稿・口コミ悪化の前に“不満のガス抜き”ができ、ハラスメントの早期発見にもつながります。


■ Q4. 管理職研修は効果がありますか?

非常にあります。伝え方や価値観ギャップを理解すると、若手との摩擦が大幅に減ります。