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【2026年版】上司と部下のLINEで“絶対送ってはいけない”メッセージ集|ハラスメント・評価低下・信頼喪失を防ぐ安全なやり取りの実務ガイド
2025/11/27

(監修:RESUS社会保険労務士事務所/社会保険労務士 山田雅人)
1.はじめに|LINEは便利だが“最もトラブルを生みやすい連絡手段”
LINE・Teams・Chatwork・Slackなどのチャットは、業務連絡のスピードを高める一方で、「言い方」「タイミング」「既読プレッシャー」「私生活への踏み込み」 により、関係悪化・評価低下・ハラスメント・離職の火種になりやすい領域です。
特に以下の傾向が2025〜2026で強まっています。
・対面以上に “圧” が伝わりやすい
・感情が読み取りづらく誤解されやすい
・短文ゆえに攻撃的・拒絶的に見えやすい
・既読/返信速度が評価と結びつきやすい
・夜間・休日の連絡が “私生活侵害” と捉えられやすい
本ガイドでは、上司→部下/部下→上司の双方の立場から“送ってはいけない”/“気を付けるべき”メッセージと安全な言い換え例をハラスメント対策の実務視点で整理しています。
2.上司→部下に「絶対送ってはいけない」メッセージ
2-1.“圧”につながる言い方
【NG例】
・「もっとがんばれ」
・「普通はできるよね?」
・「やる気ある?」
・「ちゃんとして」「は?」
・「失望した」「残念すぎる」
【危険理由】
抽象的・評価的な表現は、事実より“人格否定”として受け取られやすい。
【安全な言い換え例】
・「〇〇の部分をもう1段階具体化してみよう」
・「期限が近いので情報共有をお願いしたい」
・「次は〇〇の観点も入れるとより良くなる」
2-2.否定のワードを短文で送る
【NG例】
・「ダメ」
・「違う」
・「何やってんの」
・「意味わからん」
【危険理由】
感情的・攻撃的に読み取られ、委縮・反発・離職につながりやすい。
【安全な言い換え例】
「〇〇の目的からすると、△△の方が近いかもしれない」
「この部分の意図をすり合わせたいので、3分だけ話せますか?」
2-3.“評価”と“感情”を直結させる
【NG例】
・「最近の勤務態度、正直期待外れです」
・「がっかりしました」
【危険理由】
評価を感情で伝えるとパワハラ認定リスクが高い。
【安全な言い換え例】
「最近〇〇の遅延が増えているため、支援したいと思っています。明日10分お時間いただけますか?」
2-4.夜間・休日・早朝の連絡
【NG例】
・「明日までに対応して」
・「見たらすぐ返して」
・「急ぎです」※深夜・休日に送信
【危険理由】
勤務時間外の指示はハラスメント・労働時間トラブルの火種。
【安全な言い換え例】
「勤務時間中に見てもらえれば十分です」
「明日の18時までに進捗を共有してもらえると助かります」
※緊急時は “例外運用” と明記
「緊急対応のため夜分に連絡しています。時間外の返信は不要です」
2-5.私生活領域への踏み込み
【NG例】
・「彼氏(彼女)できた?」
・「子どもはいつ?」
・「飲み会来いよ」
・「休日何してた?」
【危険理由】
家族・交友・宗教・身体・経済状況など、プライベート詮索は法的リスクが高い。
【安全な言い換え例】
「今は仕事の話だけにしておきますね。休めるときにしっかり休んでください」
2-6.感情の丸投げ
【NG例】
・「正直腹が立っています」
・「もう無理です」
・「限界です」「キレてもいいですか?」
【危険理由】
感情表出は委縮・恐怖・萎縮を生み、相談ルート遮断の要因に。
【安全な言い換え例】
「状況が難しいと感じているので、一度段取りを一緒に整理したいです」
2-7.“指導の形をした攻撃”
【NG例】
・「このレベルなら他の部署では通用しないよ」
・「他の会社ならクビだよ」
・「評価下がるよ?」「次やったら終わりだね」
【危険理由】
恐怖や不利益を示唆した指導はパワハラリスクが極めて高い。
【安全な言い換え例】
「〇〇の品質と納期の両立が必要なので、どうすれば実現できるか一緒に検討させてください」
3.部下→上司に「送らないほうがよい」メッセージ
3-1.反発・攻撃に見える言い方
【NG例】
・「それは違うと思います」
・「説明が不十分でした」
・「もっと考えてください」
【安全な言い換え例】
「認識がずれている可能性があるため、一度整理してもよいでしょうか」
「意図を理解したいので補足いただけると助かります」
3-2.責任転嫁・丸投げ
【NG例】
・「じゃあどうしたらいいんですか?」※状況説明なし
・「できません」「その仕事は気が進みません」
・「担当じゃないです」「私の仕事ではありません」
【安全な言い換え例】
「▽▽という理由で現状は難しいのですが、こうすれば実現できそうです」
3-3.短文による拒絶・断絶
【NG例】
・「無理です」
・「知らないです」
・「関係ありません」
【安全な言い換え例】
「現状対応が難しいため、優先順位をご相談させていただけますか?」
3-4.愚痴・不満の“記録化”
【NG例】
・「チームの雰囲気が悪いです」
・「〇〇さんの態度が嫌です」
・「納得いきません」
【安全な言い換え例】
「困っている状況があり、職場改善につながる可能性があるため一度相談させていただきたいです」
3-5.“対等要求”に見える
【NG例】
・「こうするべきです」
・「改善してください」
・「この業務は非効率です」
【安全な言い換え例】
「より効率化できる可能性があるため、提案という形で共有してもよろしいでしょうか?」
4.誤解ゼロで伝わる“安全な連絡テンプレ”
5.企業としてルール化すべきポイント
・業務連絡に使うツールの線引き
(例:LINEは緊急時のみ/業務連絡はTeamsに統一)
・夜間・休日の連絡原則は禁止、例外時のみ明記
・“既読=即返信”の文化をつくらない
・感情の共有ではなく「事実・目的・期限」
・困ったときほど早めに相談できる仕組みづくり
6.まとめ|“言い方”ではなく“仕組み”でトラブルを防ぐ
コミュニケーションの問題は個人の性格ではなく、仕組み・ルール・マニュアル・教育で改善できる領域です。
上司・部下どちらか一方の努力ではなく、双方が “安全に意見を出し合える環境” をつくることで離職・不満・トラブルを未然に防ぐことができます。
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