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マッチングアプリ成功法則は人事コンサルタントから学べ?

2022/05/19

社会保険労務士という職業は基本的に企業の給与計算や社会保険の届出を専門に扱うイメージがあるかもしれませんが、もちろんそれだけではなく、従業員のキャリアや仕事に関する悩み、資格取得の勉強方法から転職まで働く人たちから様々な相談があり、ときにはなかなか恋人ができないといったプライベートな悩みを伺うことまであります。

近年はマッチングアプリが全盛期ですが、そんなアプリを使ってもなかなか恋人ができず、「仕事ばかりで人生が面白くない」という悲壮な相談があったため、当事務所といたしましてもお取引先企業のアブセンティズム(心身の不調による業務不能)は看過できませんのでいろいろ調査研究してみたところ、『マッチングアプリはマーケティングである』結論に至り、ビジネスのマインドと数ある手法を取り入れたアドバイスを行ったところ、あらあら嘘みたいに恋人ができたとの報告をいただき、私も私もと「マッチングアプリのカリスマ」などと若干イジリ気味の評判をいただき本業を圧迫する勢いで相談が寄せられております。

当事務所は人手不足の中小企業から相談を受けて、求人票の作成から面接のアプローチ、採用基準や内定者フォロー、入社後の定着施策などを総合的にコンサルティングしていますが、確かにマッチングアプリとそっくりです。

求人票とは「自己プロフィール」、採用基準は「恋人に求める最低限の要件」、面接のアプローチは「デートの誘い方」、内定者フォローは「長く付き合うための方法」と言えます。そして、これら人事プロセスを総称した採用計画はすべて『婚活(恋活)』として置き換えて考えることができます。

人材獲得のための採用計画は一連一体でありどの工程も外すことができないはずですが、人手不足の企業や、恋人ができず悩む人には必ずどこかに問題があります。裏を返せば、これら施策をしっかりと行えば成果は必ず得られるものと断言できます。

 

わかりやすい例として、誰も知らないような給料の安い零細企業なのに、有名大学の卒業者を求めるケースがあります。これは、目にとまるような容姿でもないのに、才色兼備なパートナーを求めるケースとよく似ています。

 

ということで今回は、現代最強の出会いツールであるマッチングアプリを使っても全く成果につながらない方たちのために、人事のプロの立場から実践的なビジネスのノウハウを応用した、「マッチングアプリでもダメな非モテでも確実に結果を残す方法」について検討していきます。おおよそ人事コンサルティングとマッチングアプリは関係ないように見えて本質的には全く同じであり、人事をビジネスとしている実業家の実務ノウハウを惜しみなく公開します。婚活・恋活中の方だけでなく、人事担当者の双方に応用可能ないたって真面目な記事です。是非最後までお読みください。

 

プロフィールは正直であれ!

マーケティングの第一目的は最大分母の獲得です。簡単に言えば、「持ちうる資源で最も多くの人たちに知ってもらうこと(マスマーケティング)」が重要です。マッチングアプリのような利用者の多いツールを使う場合には、マス狙いが基本と言えます。(逆に、地域密着のように少数を深く狙う場合をターゲットマーケティングと言います。)

一般消費者が商品を購入するには、「知る」➡「興味(関心)を持つ」➡「調べる」➡「購入する」と、右に進むほど数を減らしながらもおおよそ同じプロセスを経ます。イケメンでもないタレントがなぜかモテるのは、「知る」の分母獲得に成功しているため、必然的に購入する(モテる)までのプロセスの確率が上がっているだけの話です。

そして、プロフィールが正直であるべき理由は、顧客は騙されたくない意識的・無意識的な心理から非正直(不誠実とも言います)を直感的に嫌い、初期の段階では警戒心も高く、不誠実と判定された場合にはその後のプロセスから高確率で離脱するからです。よくある例として、マスクで顔を隠した写真をプロフィールに使うのがNGと言われるのは、「非正直」と判定されるためです(以降、「離脱リスク」とよびます)。同様に、写真が遠い、後ろ姿など、過度な加工は問題外として、本人にはそんなつもりが無いものも非正直と判定され離脱リスクが高まります。マーケティングの基本として、ネガティブ判定されるような写真を利用することは最大分母の獲得という第一目的からしてもNGと言えます。なお、自撮りがNGと言われるのは非正直が理由ではなく、単に表情の無い真顔で不機嫌そうに写り敬遠されるだけです。

魅力の弱い中小企業と同様に、非イケメンが関心を持ってもらうためにはまず、非正直にならないよう注意しながら分母の最大化を目指すことが必要です。偽りの写真のように自己アピールを「盛る」と分母は増えますが離脱リスクが高く無駄が多くなります。

(プロフィール写真について)

☑顔は隠さない

☑自撮りするならにっこり表情を付ける

☑非正直な写真は使わない

正直すぎても良くない

早速矛盾したアドバイスとなりますが、過ぎる正直さは幼さの表れであり、自分でも気づかないような無神経さが発言に潜んでいるかもしれません。

例えば、イケメンは皆大好きですが、「イケメンが好きなのでいいねするのはイケメンだけにしてほしい」と書くのは正直ですがどうでしょう。「虫が大嫌い」と書くのは正直ですがどうでしょう。それでは、「できるだけたくさんの人にお会いしたいです」はどうでしょう。求人広告にも、「応募いただいた方全ての方にお会いします」と同じような表現を見かけますが、節操のなさが表れています。

多すぎて困っているなどあえて応募者を減らす意図があるかもしれませんが、マスマーケティング的には節度を持った正直さが必要です。

身の丈に見合ったパートナーを求めろ!

認知度の低い中小企業はその企業名だけで入社を希望する人はほとんどいません。給与や休日など、職場環境と待遇が選定基準です。中小企業の求人コンサルティングを行っていると、全く無名で待遇も並み以下にもかかわらず、あまり業務に関係ない学歴や年齢、取得資格を入社条件としていたり、何度も面接に足を運ばせる会社があります。こういった話を聞くと、人手不足で当然だとわかるはずですが、実際に当事者はそれに気が付いていないのが客観性の難しさでもあります。

マッチングアプリで成功(w)したいのであれば、やはり身の丈に合った人材を求めることが最大分母の獲得と離脱リスクを最小限にするポイントです。専門性が高く待遇も高い業種であれば必要な資格や必要な技能があるのもやむを得ませんが、特にモテ要素の無い個人が身の丈に合わないような希望条件(例えば、自分より若い・自分より金持ち・自分より容姿が良いなど)を求めるほど、時間またはお金がかかることを理解しなければなりません。そして、マッチングアプリ内に限っては年齢を重ねるほど市場価値は失われていきますので、自分以上のものを求めることは「高くつく」と思ってください。いつまでも「もっといい相手を」と選んでいる時間には利息がかかっており、その代償はさらなる妥協という形でいずれ支払いを求められます。(大金持ちが若い恋人を侍らすのは、高くついても問題ないからですね)

(パートナーに求める基準)

☑自分より高いレベルを求めない

☑自分以上を求めると高くつく

☑選ぶ時間にもコストがかかっている

 

プロフィールは最強唯一の自己アピールだ!

求人票は中小企業にとって唯一のアピールポイント、自己プロフィールもまた個人の唯一のアピールポイントであり、一切の手抜きは許されません。そして、最も難しいのがターゲットに訴求するアピールの書き方と言えます。

求人票の基本は、抽象的を避け(和気あいあいとか)、できるだけ具体的に(年間休日120日とか)、「求職者目線で原稿を作成する」ことが基本中の基本です。また、情報については十分な量であり、且つ簡潔でなければなりません。少なすぎると興味がわかず、無駄が多いと読みにくい。そんな矛盾しそうな要件を網羅するレベルの高い文章を作成しなければなりません。そして、求人原稿のレベルが低いと応募が減り、また応募があったとしてもレベルの低い人材か、又は理解に相違があり入社に至りません。マッチングアプリでいえば、変な人からしか「いいね!」が来ない状態を指します。

自己プロフィールも同様と考えて作成しましょう。自分目線で書くと自慢になりますが、相手の立場に立てばアピールになります。デブは嫌いとか、若い人限定とか、アイドルグループ大好きや頭の悪い人が嫌いなど、趣味の指向は大いに結構ですが、そういった排他的な指向はターゲットも遠ざけていることも忘れてはいけません。ビジネスでは排他的指向を全面に押し出して商品を売る手法もありますが、あまりにもニッチのため瞬時に判断されるマッチングアプリには不向きです。求人票でも排他的な人事指向を記載している会社を多く見かけますが、変なこだわりが強い会社はブラックな匂いがしますので応募しようとは思いませんね。

(自己プロフィールのポイント)

☑相手目線で自己プロフィールを作成する

☑排他的な趣味指向は書かない

☑情報は十分かつ簡潔に(意味不明?)

 

デートの誘いはアポイント獲得!?

マッチングアプリに限らずですが、デートに誘うことができないという悩みも多い相談の一つです。どうすればデートに誘うことができるのでしょうか。

デートの誘いをビジネスに置き換えると、新規顧客のアポイント獲得と言えます。アポイントを獲得するためには顧客の予定を聞き出し待ち合わせすることですが、結論からいうと、こちらの都合で一方的に日時を指定することが必要です。相手の都合を考えているようではいつまでたってもアポ取りはできません。誠実でやさしい人ほどアポイントの獲得率が低いのは、「相手の都合を無視するなんてできない」と善人になっているからです。いい人かどうかは会ってからの話で、アポ取得の行動で必要以上に配慮するのは必要はありません。アポ取りは無機的な作業であり、感情は不要です。

もちろん、こちらが営業、相手を顧客と考えると、相手側の近い場所であるほどアポ取得確率が高まるため、相手の住所がわかればできるだけ近隣の商業地等を指定する方が良いでしょう。商談と同様に、アポ取得で初めて商売は俎上に乗ったと言えます。最終目的の達成のためにはダラダラとやり取りを続けたり、またアポ取得を焦っては無駄打ちとなります。マッチングアプリならば10ターン(相手と合わせて計20回)ほどやり取りが続けば話題の途中であっても問答無用でアポイントの取得にステップしましょう。また、アポイントを確実にするため、3日前から前日くらいまでにアポイントの確認メールを送りましょう。採用の面接であれば、「●月●日の●時からご予定させていただいております面接についてご都合お変わりなかったでしょうか。当日はお気をつけてお越しくださいませ。」などと送りますが、マッチングアプリの待ち合わせならば「●月●日は晴れのようですね。お会いできるのを楽しみにしております。」など、念押しととられないような自然なメールを送るのも確実性を高めるテクニックの一つです。

(デートに誘うポイント)

☑10ターン続けばデートに誘う

☑相手の近い都市部で

☑日時はこちらで決める

☑直前に確認メールを送る

 

デートで何を話せばいいかわからない!

デートでどんな話をすればよいかあらゆる人達が悩んでいます。ここでも商談に置き換えますが、商談は商品の良さを一方的にまくしたてても売れません。よく、「トークに自信がない」という営業マンがいますが、営業はトークの巧みさではなく、相手のニーズを満たす商品説明を行うことであり、相手にたくさん話してもらわなければニーズはわかりません。つまり、自分のトークを磨くことより聴きだすための質問が大事であり、極論は話さなくても良いのです。沈黙に耐えられないのはスマホ社会の現代人の性と言えますが、堂々と沈黙していれば勝手に相手から話してくれることを「売れる」営業マンは知っています。相手に合わせてトークを盛り上げるのは難易度が高い達人技であり誰にでもできることではありません。一方、質問ならば誰にでもできる準備可能な汎用性の高いコミュニケーションスキルです。「何を話すか」より「どう聴くか」。いろんな意味で、胸襟を開かせるためには相手に話してもらうほうが簡単です。

(初めてのデート)

☑巧みなトークより下手な相づち

☑堂々と沈黙する

☑質問は事前に考えておく

 

いい雰囲気だったけど、次どうすればいいかわからない!

ここまでくれば、もはやいうことはありません。採用人事でいうところ、最終選考まで残ってくれた数少ない入職希望者へのオファーです。気負い過ぎてはいけませんし、かといって冷静過ぎてもよくありません。ここまで来れたならば人事計画としては大きな間違いはありません。あとは、自分の正直な気持ちを誠意をもって打ち明け、評価をいただくだけになります。

恋愛においてはこのタイミングが心拍数のピークとなりますが、人生で何度経験できるかわからない希少体験として楽しんでいただければと思います。辞退されてセンチメンタルを愉しむもよし、もしもうまくいったなら、次は定着してもらうための施策を考えなければなりません。企業に定着させるための方法については昇給や福利厚生制度があり、それらはすべて能動的で継続的な努力が必要なものになります。企業活動は従業員を定着させるために様々な施策を講じていることはご存じだと思いますし、享受を受けていることに気が付かないような様々な事務コストを負担しています(給与計算や源泉徴収事務など)。新しい仲間を迎え入れる人材採用の業務は、事前準備と計画実行の失敗の繰り返しによって磨かれていきます。恋愛も同様に、数多くの失敗が腐葉土となって人格を育てます。何度失敗しても正しく続けていれば、良い人材と巡り合う日は必ず来るのだと信じましょう。

(最終選考「告白」について)

☑ここまでくればあとは楽しむだけ

☑失敗は次の糧となる!

☑失恋はタダ

 

おわりに

ビジネスと恋愛を同列にすると批判が高まりそうですが、モテない人ほどビジネスを応用すべきであり、冷たい応用ですが恋愛もロジックにすればそれなりの成果に確実につながります。幸せになるかどうかはわかりませんが、パートナーは人生に彩りをあたえ、少なくとも生活に不確実性という面白さを与えてくれます。幸せになるかどうかはわかりませんが、仕事ばかりの人生ではなくなります。

人手不足にお悩みの企業様には求人票の作成ほか、採用計画に関するアドバイスを行っております。

また、当事務所は人事コンサルタントしてビジネスの観点からマッチングアプリ成功のロジカルな個人向けアドバイスも行っております。本記事を100回よんでもうまくいかない方には個別でプロフィールの添削、写真の選考、成功(w)までの伴走コンサルティングも承っております(有料)。

 

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