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社員が続かない中小企業の解決策を採用定着専門の社労士がお教えします。

2022/01/13

新型コロナとの闘いも2年近くなり、このままではジリ貧であることにようやく気付き回復に向けて思い腰を動かし始めた中小企業の事業活動が活発となってきました。事業活動に従業員は当然に必要となりますが、既にコロナ以前から人手不足といわれていた建設・不動産関連、飲食等接客サービス業だけでなく、クリニック・歯科医院スタッフ(看護師・歯科衛生士)や士業事務所(弁護士事務所・司法書士事務所ほか)、人気の企画系ITクリエイター業務など様々な業界・業種から採用に関する相談が寄せられるようになりました。

新型コロナによってたくさんの仕事が失われたはずなのに、空前の採用難。求人広告のクリック単価はガンガン上がり、上限設定を忘れるとワンクリック1,000円近くになるほど求人活動は活発になっています。儲かっているのはインディードだけ?。稼ぎ時を嗅ぎつけたその他の求人広告媒体も熾烈な争いでキラキラ求人ページの作成代行で応募者を増やすことだけにしのぎを削っています。さて、事業の求人活動は応募さえあればよいのでしょうか。そんなはずはありませんよね。

10年以上、400社を超える企業の採用・定着を専門にコンサルテーションしてきた当社としてはこれもまた事業のチャンスであり、ビジネスの対象となりえる経営者や役員・人事担当責任者からの悲痛な相談は解決しなければ商売になりませんが、それでもどうにもならない会社はあります。わざわざ相談に来た当社のアドバイスに耳を傾けてもどこ吹く風で参考にするだけ。どうにもならない不幸な会社は大量一斉離職や罹災によるマインドセット、事業の行き詰まりなどケツに火がつく大きなきっかけが無ければ変わることがないのだと我が非力を痛感しています。

さて、事業者はコロナ禍で大量の失業者がいると期待して求人活動を行ったものの全く応募は来ないじゃないか。雇い入れた正社員やアルバイトは次の就職も厳しいから続くはずだと思っていたらすぐ辞めちゃったよと嘆く会社はどんな本質的問題を抱えているのでしょうか。一方で労働者側としては、コロナ禍で職を失いようやく見つけた職場でも、求人情報と入社後の期待値に違和感があると感じている労働者も多いはずです。

本記事では実際に当社が取り扱いしてきた問題企業の例と改善策のヒント、もしくはどうしようもない会社なので労働者の方には一刻も早い退職をお薦めする会社の例を参照しますので、当てはまった経営者の皆様は猛省し、当てはまらないけどなぜか人手不足という会社は当社まで相談をお寄せ下さい。ちなみに、事実をみとめないから人手不足なため、確かにわが社には一理あるので改善しようと思えた経営者はまだ人手不足から脱却できる可能性があるかもしれません。ミドル層はどうにもならない会社と専門家も言っていることに気づいても今さらどうにもなりませんので、せっかくの気づきは他社で発揮しましょう。多少辛辣になりますが、面と向かって言いたいけれども怒らせそうで言えないホントの話であり本来は有料会員向けのものですが、最近は儲からない話ばかりであまりにも不完全燃焼でやるせないためにサイトにて記事にして発散します。1万字を超える長旅は衝撃の結末へ。どうぞ飽きながらお読みください。

 

【第一章 問題外の例(人手不足で当たり前)】

■法定義務を果たしていない

事業活動をおこなうためにはルールがあり、従業員を雇い入れて働かせる場合にも事業主が『しなければならない(「してほしい」ではない)』法定義務があります。

☑時間外の残業代は分単位で計算して支払わなければならず端数を切り捨てすることは許されない(労働基準法第37条関係)

☑時間外労働を行う場合はあらかじめ労働者代表と協定を締結しなければならない(労働基準法第36条関係)

☑時間外労働には上限があり、超過してはならない(改正労働基準法36条関係)

☑一定時間以上就労義務のある労働者には1年に一回健康診断を受診させなければならない(安全衛生法第66条関係)

☑定められた労働時間を超える日は所定の休憩時間を取得させなければならない(労働基準法第34条関係)

☑一定期間勤務した労働者はアルバイト等に関わらず、有給休暇を付与しなければならない(労働基準法第39条関係)

上記のようないまどき誰でもしっているような義務から、マニアックな義務まで多岐に渡ります。事業主である以上は知らなかったは通用せず、義務を果たさない場合には罰金などのペナルティーがありますが、違反者が多すぎて罰せられる可能性が低いため野放しになっています。これらの義務はすべての労働者が労働するために必要なルールを法律で定めたものであり、労働者のために作られたルールです。労働者のための基本的なルールを果たしていない会社が人手不足なのは当たり前です。信じられませんが、法定義務を果たしていないのに人手不足で悩んでいるケースが最も多いパターンです。わけがわかりませんね。当社もわけがわかりません。守ればいいだけですけど、何かと理由を付けて「でも。でも」を繰り替えす子供のような会社です。やるせません。

 

■ハラスメントを放置している(気づく努力を怠っている)

いまや大きな関心ごととなったハラスメントの問題で、報道でもいろいろなハラスメントの類型が議論されているにもかかわらず、自社のハラスメントは放置し続けている会社も非常に多くあります。ハラスメント問題はどんな優良企業でも発生しており規模に関係しない印象がありますが、改善や対策には大きな差があります。一定規模以上の会社であれば監査部門や株主の圧力、労働者の団結など経営陣に改善を迫るプレッシャーをかけガバナンスを適正に保つ機能がありますが、誰も叱ってくれない中小零細企業でのハラスメント問題はトップが変わらないと絶対に解決しません。よって、ハラスメント問題意識が低い社長や優しすぎてパワハラ野郎を処分する勇気がないチキン社長の下で働く従業員は辞めるの一択(辞めた後にやり返す)しかありません。人が集まる組織である以上は必ずどこかにハラスメントの温床があり、未然に防止する努力、発生をキャッチする傾聴力、発生を解決する準備は一人ぼっちの社長には大変な労力ですが、人手不足の苦しみに比べれば前向きで楽しい業務と考えるべきです。ハラスメント撲滅は筋トレ同様に苦しみが長く続きますが、重い物が持ち上がるようになった筋肉(従業員)を見れば成長も実感できるでしょう。最近は零細企業でも結果はともかく、ハラスメント問題を起こすとヤバいという意識が常識になりましたが、定着性の低い会社にはいつまでもハラスメント問題が横たわっています。

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■私腹を肥やした役員が従業員を冷遇している

中小企業の9割以上はオーナー企業(社長と株主が同じまたは家族)です。会社の収益を家族に手厚く分配したり、豪華な家や車を所有しながら、従業員には厳しくあたる専制君主のような会社が未だにあります。中小企業で私腹を肥やせるほど利益を出しつづけられる会社は稀で、それはそれで優秀な証ですが人材は不足しがちです。やはり、現代の使用人(労働者)は前時代の使用人とは全く異なり、あくまでも意識は対等で、あまりにも太りすぎの精神的肥満人の下で頑張って働くという意識はなかなか保つことはできません。人手不足会社の経営者は高級車を従業員に自慢せずガレージに隠して、休日にこっそり乗ってください。

 

■過度なノルマ制(儲かったらやる。儲からないならあげない)

さすがにいまどき棒グラフを張り出している会社は存在しないと思いきや、まだまだ営業系の会社では進化(?)しパソコン上の棒グラフで営業成績を共有している会社があります。本来は業績に関わらず給与を支払わなければならないのが労働契約で、ノルマ(リスク)を追うなら給与上乗せ(ゲイン)を寄越すのが当然ですが、全く売れない商品でもノルマ未達は厳罰。ブランド力が乏しい零細企業の売れない商品は気合と根性で売りまくるしかない時もあります。ノルマ主義はモラールとトレードするため、売れない⇒無理に売る⇒一線を越える⇒懲戒処分されて不満⇒悪評が立つ⇒人手不足★の負のスパイラルに陥る危険性と隣り合わせです。商品を売るのは大変ですが、ノルマは適正な範囲でなければ最終的には売ってくれる人材がいなくなります。大手自動車メーカーや食品メーカーの不祥事事件の第三者委員会による報告書では、過度なノルマが不正を助長していると分析されることも多いため、金でやる気を釣る人事マネジメント手法は危険と隣り合わせといえます。

■勘違いカリスマ社長の押し売り(偉大な社長のありがたいお話を聞きなさい)

会社を創業し、従業員を雇用し続けることは大変なことであり、いろんな人にちやほやされて優秀と勘違いしてしまうことがあります。社長がどのような生い立ちでどのように人生を歩みカリスマ(束の間の)になったのか、思考や思想を熱く語りたい人が多いのも経営者の特徴ですが、そんな話はだれも聞いていません。定期的な給与支払いがある従業員という地位を人質にとられて文句を言わない犬ばかりを集めていれば気持ちよくなれますが、こういった勘違い押し売り行為も人手不足の一因になります。従業員を豪邸(もしくは悪趣味な家)に招いてありがたいお話を聞かせていませんか?賃金も支払せずに研修と称してありがたいご講釈を聞かせていませんか?少ない休日にプレイフィーも出さずにゴルフに誘ってカートでご高説を聞かせていませんか?人手不足ならば、改めた方が良いでしょう。

 

■待遇が良くならない(昇給の不実施)

中小企業庁による「2018中小企業白書」によると、大企業の賃上げ(一人当たり平均賃金の改定率)は2.1%、中小企業は1.8%となっています。中小企業経営者からすると、このデータに異論や昇給できなかった言い訳はたくさんあるものの、これは統計ですので個人的な経営の言い訳で自社が有利に判断されるようなものではありません。つまり、平均的に毎年2%程度昇給することが一般的であり、それ以下であれば定着施策としては他社より劣っていると考えなければなりません。20万円の給料であれば来年は4,000円昇給するのが『普通』です。昇給できない理由の最たるものは、「そんな金は無い」ですが、役員報酬も同じですか?接待交際費ならジャバジャバ使うのに、社員の給料は増やさないんですか?社会保険料や所得税負担が増えるのが嫌なら、福利厚生制度に回してもいいですけど、どうですか?なお、人手が潤沢な会社は「借金してでも昇給」しています。さて、覚悟はいかに。

 

【第二章 想像力が欠如していて見込みがない(人手不足で当たり前)】

■離職理由を他責する(最近の若いものは根性がない)

従業員が離職する場合、死亡以外のほぼすべて会社に原因があると考えるのが組織を成長させる基本です。『思っていたより使えなかった』なら会社の選考能力が無かっただけですし、『急な欠勤が多い』も必要な出勤意識を教育しなかった会社の問題です。退職者は本当の退職理由を決して話しませんが、会社の問題点を想像することはできます。そして、退職者を責めても会社に成長はありません。根性が無くても仕事は好きな人はたくさんいますし、今は無能でも将来も無能とはだれにもわかりません。種ではなく、土に問題があると考えるのが育成ですね。期待値の高かった従業員が辞めてしまったらショックで他責する気持ちもわかりますが、経営者はほどほどに。

 

■新入社員をキャリア業務に就かせる(業務レベルが不適切)

既に人手不足に陥ってしまっている会社では多少やむを得ませんが、入ったばかりの新入社員に誤ったOJTで責任のある業務に就かせていることもよくあるエラー原因です。

社長やベテラン社員からすればどれも慣れた業務で簡単な業務と思っているかもしれませんが、新入社員からすればパソコンの電源ひとつとってももしかしたら会社独自のルールがあるかもしれない未経験の業務であり、簡単とはいえません。社内の業務についてジョブレベルに分類できていない会社では上から下までいっぺんに覚えさせた(当社もそういうところがありますが。)ほうが全体がつかめてわかりやすいと思っているかもしれませんが、新入社員はベイビーステップを経て業務を教えることが必要であり、適切な業務レベルに適したスキル、成果など、見様見真似でもいいのでジョブディスクリプション(job description)風のものを作成して整理した方が良いケースがあります。新入社員に未経験の業務を当たらせておいて、失敗したと責めるようでは救いようがありません。何でもやらせるなら失敗しても「ハハハOKOK!」と許す器の大きさが必要です。当社のケースでは実務よりメンバーの名前や職場環境、仕事(事業)の目的や顧客情報など実務以前のところからゆっくり説明してリラックスを促しています。

人手不足でも即戦力の中途採用社員は採用するな!?失敗しがちな落とし穴

 

■やりがいや気合いが空回りしている(やりがいだけ)

『やりがい搾取』って恐ろしい言葉ですね。社長自身もいつもやりがい搾取されててかわいそうですが、社長は自己責任、自業自得です。従業員にやりがいだけを与えて金銭を与えないことは許されません。パティシエやインストラクター、美容院、看護師など、テレビドラマであつかわれるような社会を知らない10代の若者が憧れるようなメジャーな業種はだいたい応募者が多いので人手不足には陥らず、離職率が高いだけのブラック企業が多くありますが、もしもそんなメジャー業界で応募も来ないような人手不足状態なら相当深刻な状態です。やりがいではなく待遇を。根性には休息を。

 

■労働目的を期待しすぎている(仕事に誇りを持て持て詐欺)

新入社員たちがどんなモチベーションで働きに来ているかわからないという経営者も多いです。わからなくて当然で、仕事にモチベーションなどないからですね。仕事は生活のための手段であり、待遇さえしっかりしておけば仕事はするのが若者に限らない今の労働者です。もっと仕事を覚えて技能を高めたいとか、出世したいとか、難易度の高い資格を取得して会社の役にたちたいと考えてほしいのは経営者のエゴで、社員が人生の目的で何を選ぶかであり、会社の為ではありません。つまり、会社のために働く人材など幻想であることを理解しなければ勝手に失望するだけです。誇りをもって仕事に打ち込めたならそれは素晴らしい人生ですが、それはもっと後の話で、まずは普通の暮らしができる待遇です。普通の待遇もあたえずに誇りを持ってほしいという期待は強欲です。モチベーションなんてどうでもいいので普通の待遇を。仕事はしますから。

■いまだにガンバリズム(気合いだ!気合いだ!気合いだー!)

恐ろしいことに、2022年一発目の相談は気合と根性でやってきたのになぜかうまくいかない会社の人手不足の相談でした。個人的には気合と根性と高い報酬は嫌いではありませんが、やはりマニア受けするだけで多数の評価は得られない実務にむかない思想です。人命にかかわる自衛隊や消防士なら気合が必要なのも理解できますが、気合は長期的には業績に寄与しないと考えるのが自然です。根性がある人がほしいという人材の要望はしょっちゅう聞きますが、それは打合せ時だけの与太話で、現実には心理的に安全な職場が気合のある従業員を育てるため、誰も守ってくれないような危険な職場では気合いでチャレンジすることはできません。疲弊したプロジェクトの終盤や繁忙期にはガンバリズムで発破するのも必要ですが、たまに使う刺激的な香辛料としての程度にしておき、常用するのはやめておくのが人手不足に陥らない考え方です。気合や根性を人事に持ち込んではいけません。

 

■多様性に不寛容(違いを許せない)

人手不足の相談は恋人ができない人の相談に似ていると誰かが言います。確かに、非モテのオッサンが若い美女を求めるように、大した会社じゃないのに優秀な人材ばかりを求めるないものねだりは重なるところがあります。若いスタッフが欲しいという割には、若年齢層を必要とする合理性が無かったり(単にいうことを聞きそうだから)、応募者は大卒以上という割には学歴と関連しない業務のポジションだったりします。あまりなぜなぜと聞くと不機嫌になるので聞かないようにしていますが、だれも入る人がいないのにやたらと門が狭い中小企業はものすごくたくさんあります。性マイノリティーや身体障碍者など、世界のトップ企業は成長性を優先してどうしても必要な技能以外には全くこだわらないのが当たり前で、経営者も一個人としては理解しているはずですが、こと経営となると他との軋轢や問題を起こすのではないかと『人を雇い入れる以上必ず潜在するリスク』を過大に評価して躊躇してしまう傾向があるように思います。「当社は人手不足なので多様な人材の雇入れにチャレンジしていきまーす♪」と言えばだれにも反対されずむしろ称賛されそうですが、もう少しかかりそうですね。

 

■よかった時代から抜け出せていない(あの頃はよかった。だからこれからきっとよくなる)

この件はなにもいうことはありません。もう、いいかげんにして。

 

■顧問先に頼りすぎて自分で考えることができない(思考停止)

税理士や弁護士が委託業務の範囲を超えた経営に口出しすることは無いはずですが、やたらと不安症で何でも顧問先に相談してきた経営者は自分で判断する能力が全くないケースがあります。例えば、従業員を定着させるために社宅や報償制度、食事やイベントなど福利厚生制度の導入を検討する場合、従業員への現物支給は給与対象になると言われて取りやめてしまう経営者が中小企業には非常に多いです。税理士や社労士など資格で飯を食う専門家はグレーな指導はできませんし、万一のトラブルに備えてリスクを説明するのも当然ですが、顧問先がこう言っていたからこうなんだと、借りてきた頭任せで経営者なのに決断できない人もたくさんいます。

組織運営は各社各様であり、同じものは一つとしてなく、そこには結果があるだけです。実業家ならば、従業員にとって有用なものであればどんどん取り入れて、「人事の勝ち組」を狙うのが当たり前と思うのですが、なかなか優柔不断・決断できない社長の下では組織が硬直した結果として人手不足に陥っていることがあります。

 

■下請け意識が蔓延している(強者に媚び、弱者に強い内弁慶タイプ)

従業員が仕事にプライドを持つも持たないも自由ですが、経営者ならば自分の仕事にプライドを持ってほしいものです。全てのビジネスは構造的に下請けですが、元請けにはヘコヘコしている下請け意識では交渉事が発生したときに負ける確率が高くなり、交渉で負けることは自社の利益を失い、従業員の分配も減らしていることになります。

支払と受取が発生する商売で対等な関係は実務的には大変難しいですが、意識だけは媚びずに対等であることが大切です。元請けの発注が減っているから従業員の待遇が良くならないという言い訳は、お前(経営者)が悪いんやろが。と従業員なら思いますよ。(頼りないリーダーは見放されるのが世の常。-(T-T;)→グサーッ!!)

 

■休日休暇が優先されない(仕事ファーストできないやつは去れ)

ワークライフバランスという言葉もすでに目新しさはなく、当たり前の考え方となりつつあります。休日は私生活であり私生活こそ優先されるべき時代に、なぜか私生活が仕事に侵害される会社があります。休みの日や終業後ににやたら電話がかかってくるなど論外で、緊急で重要な要件であればやむを得ませんが、休憩時間や休日に対する意識が低い会社はほぼ100%人手不足です。休日であっても必要があれば出勤を命じることができますが、休日や休暇は労働者が私生活の充実やリフレッシュに充てるため労働から解放される大切な時間であり、顧客や業務の都合であれば法律上も許されると都合の良い解釈で休日侵害が常態化している会社では疲労は蓄積していくばかりです。(機械でも調子が悪ければメンテナンスします)

休日を返上してでも猛烈に仕事に打ち込むことができるのは、報酬と昇給率、退職金や賞与が比類なきほど充実している会社の一部の従業員だけです。中小企業では不可能ですので、休日はしっかり休ませましょう。経営者に労働基準法の適用はありませんので、勝手に猛烈に働いてください。

■出戻りに厳しい(妊娠したなら辞めて頂戴ね♪)

人生は何が起きるかわかりませんし、望む望まないに関わらずイベントが起きます。そのイベントは仕事に大きな影響を及ぼすものかもしれませんし、そうでないかもしれませんが、本人にはどうしようもないことがあります。介護は同情されますが、妊娠はいまだに寛容とはいえないのが中小企業の実態です。さすがに妊婦に辞めてくれとは言わないかと思いきや、けっこう言われた人、多いですね。零細企業経営者の気持ちもわかりますが、一人を冷遇することは、他のスタッフも同じ目にあわされるかもしれないと恐怖に感じることが想像できているでしょうか。

従順で健康でライフイベント(リスク)の低い独身社員をかわいがりたい気持ちもわかりますが、長期休業や退職者の復職を歓迎しない会社が人手不足となるには十分な要件です。逆に、人事の勝ち組企業では退職しても数年間は無条件で復職を許可したり、育児や介護で長期離脱する場合の私生活まで一部保障する制度を導入している会社もあります。大企業だからできると思ったあなたは既に人事の負け組です。中小企業でも、いくらでも法定以上の復職制度を導入・実施している会社はあります。制度が形骸化することもありますが、まずは復職者を歓迎する風土づくり。元カノ・元妻・元カレ・元夫に優しくできなくても会社はそうであろうとする努力が風土になるのです。(私は元カノはブロックするタイプ)

なお、パワハラだけでなく、マタハラやセクハラによって精神疾患に罹患した場合も労災対象となり、労災認定されれば企業の責任も追及されるリスクが高まります。

➡これってハラスメント?アウトかセーフか最新の判定ラインを知りたい!

 

■公私混同(社長宅の掃除と犬の散歩行ってね♪ボランティアで♡)

「従業員は家族です!」と自信満々で放言される会社に多い傾向がありますが、従業員は家族関係ではなく労使関係です。いつも愛されたいと社長が願うのは勝手ですが、だからといって従業員のプライベートの時間をタダで奪ってはいけません。しょっちゅう飲みにつれて言ってやってるって迷惑ですし、喜んで来てたのは断ると不利に扱われるかもしれないからです。プライベートで呼び出すなら、時間外労働手当を支払って遊んでください。もちろん、割増です。人手不足会社なのに管理職者が休日や時間外に平社員と遊んでいるなら即刻やめさせましょう。

 

【第三章 あと一歩惜しい例(もしかすると改善するかも)】

■同業他社が改善に取り組んでいることを知らない

中小企業でも従業員の定着のためユニークな福利厚生制度やカフェテリアプランを導入する会社もかなり増えています。人材の採用・定着施策は長期計画であり、すでに競合他社では人手不足が解消して生産性が上がっていることは他所からは見えません。しかし、今までと同じように求人広告をかけているのに応募が来ない。なぜか最近辞めるスタッフが多いと感じる場合、もしかすると近隣の競合他社が働きやすい職場に生まれ変わっているかもしれません。

当社でも、駅まで徒歩30分の不人気工場が待遇改善に取り組んだ結果、近隣からの応募で殺到している会社を知っています。近隣から殺到しているということは、あなたの会社の従業員も応募しているかもしれないということです。人材は奪い合い、良い待遇を提示できた会社が勝つ熾烈な争いであり、人事計画は勝つための「戦略」です。他社を調査し、良いところは盗み、自社で付加価値を付けることができれば、人事の勝ち組に生まれ変われます。近隣同業他社の求人広告を調査していますか?

 

■ターゲット層が減少していることを知らない(その井戸は枯れている)

先にも出た中小企業白書によると、我が国の生産年齢人口(15~64歳)は1995年の8,700万人をピークに減少に転じ、2015年には7,700万人まで減少、2060年には4,800万人と現在の6割の水準まで減少すると推計されています。既に労働者としての分母が減少し改善は期待できない以上、あらゆる選択肢から労働力を確保しなければならないことは明白ですが、それでもまだ『20代の若いスタッフ』や『新卒』にこだわり、来ないのは運が悪かったと思っている経営者がいます。誰かお近くの方が、「運じゃなくて、もういないんだよ」と言ってあげればすぐに気が付くはずです。勇気を出して、教えてあげてください。どうなっても知りません。

 

■待遇改善のポイントを間違えている(知らずに不均衡待遇)

従業員を大切にするため、「出産したらお祝い金として10万円!」と気持ちよくなっている社長がいます。ところで、出産を望んでいない従業員や独身者はどう思うか考えているのでしょうか。まさか、産まない人間が悪いとヤバい考え方をしていたり、正社員だけに限定してパートは制度の対象外と扱っていないでしょうか。。。

せっかく気持ちよくいいことをしていると思っているところ水を差しますが、せっかく何も考えずお気に入り社員を意識してバラまいたカネは、同一労働同一賃金、均衡(均等)待遇の観点からすると逆効果になっていることがあります。

出産一時金や家族手当、子供手当のようなひと昔であればほとんどの労働者が享受できた制度も、今やDINKSや事実婚(同性含む)、独身者など、多様なライフスタイルに対応できずに悪制になりつつあるものがたくさんあります。社長が個人的なポケットマネーで支払っていると説明している会社もありましたが、従業員からすれば会社のカネ=社長のカネであり、手放しで納得できるはずもありません。待遇改善に取り組むことは大切ですが、ライフスタイルに影響しないような誕生日や勤続年数、創立記念日など、だれにでも当てはまるトリガーで一時金を支給したり、今はコロナ禍で社員にも様々な労を強いていることもありますので、コロナ対策報奨金としてわずかでも全従業員に一時金を支給するなど、待遇に不公平が無いか慎重な検討が必要です。考えるのが面倒だからといって止めてしまっては意味がありませんので、実施することを前提に問題点を整理することが大切です。

 

■高度な職種(または卑しい職種)と思い込んでいる

人手不足はあらゆる業種に押し寄せている問題であり、貴賤はありません。にもかかわらず、ウチの業界は人気が無いから、ウチの業界で必要な人材レベルは高度だからと、業界特有と諦めている経営者がいます。さて、あなたの業界に属する会社は全社が人手不足でしょうか。そうではありませんよね?同じ業界でもいつも同じ社員で、さらに新入社員がやたら増えている会社はあるはずです。そういう人事勝ち組は、負け組の共通点を徹底的に排除し、スタッフが働きやすい職場を真剣に考え、実戦しているから集まっているんですね。わかってるけどできないという経営者も非常に多くいますが、人事の勝ち組はいきなり勝ち組になったわけではなく、筋トレのように、日々漸進性過負荷の原理と闘いながら筋力アップを続けているのです。

【漸進性過負荷(ぜんしんせいかふか)の原理】限界を少しずつ超えるチャレンジを行うことで筋肉は成長するというトレーニングの原則的考え方。

■愛情が不足している

経営は理論より思想であることは実感することがあり、大したことないのになぜか人気のある人間は確かに存在します。従業員との向きあい方に愛情を欠いては全てがお説教になりますし、せっかくの制度も愛情がなければ形骸化するでしょう。大企業ではなかなか社長と接する機会はありませんが、社長との距離が近い中小企業の優位性は、社長が直接愛情をもって従業員と接することができることにあります。すべての従業員は会社を支える大切なメンバー(家族ではない!)であり、時にはえこひいきで嫉妬されることもあるかもしれませんが、経営者は不公平でないことをこころがけ、愛情をもってすべての従業員に接し、感謝をもって事業を行う根源的なことを欠かぬことが最も大切です。

 

(他、割愛した項目)

  • コミュニケーションが機能していない(暗い職場)
  • 個人主義(営業成績至上主義)
  • 朝礼・会議にやたら気合を入れている(時間の無駄)
  • 求人広告が立派過ぎる(ハリボテ企業)

 

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