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【M&A労務デューデリジェンス】買収・投資判断に必須の労務リスク調査|社労士監修

2025/08/27

なぜM&Aに労務デューデリジェンスが必要なのか?

M&A(合併・買収)や資本提携においては、財務・法務デューデリジェンスに加え、「労務デューデリジェンス(労務監査/労務DD)」が極めて重要です。

未払い残業代・社会保険未加入・就業規則不備・ハラスメント対応不足は、すべて『簿外債務(偶発債務)』として、買収後に大きなリスクとなります。

  • 想定外の未払い残業代・社会保険料の追加負担

  • ハラスメント訴訟・労災請求による損害賠償リスク

  • 行政からの是正勧告・企業名公表によるレピュテーションリスク

  • 組織トラブル拡大による従業員の離職・士気低下

こうしたリスクは、買収側だけでなく売却側にも影響し、買収価格や取引そのものの成立を左右します。


買収側の視点:価格の適正化とリスク最小化

買収を検討する側にとって、労務デューデリジェンスは 「買収価格の妥当性」「統合後のリスク管理」 に直結します。

  • ✅ 買収後に発覚する未払い残業代や社会保険料の追徴を防ぐ

  • ✅ 労務トラブルによる突然の訴訟・労災リスクを事前に把握

  • ✅ 統合後の制度・規程のすり合わせをスムーズに進められる

労務リスクを金額換算して調査することで、価格交渉や契約条件に反映でき、買収後の想定外コストを防ぐことができます。


売却側の視点:企業価値を守り、価格を下げられないために

一方で、売却や資金調達を目指す企業にとっても、労務デューデリジェンスは避けて通れません。

  • ✅ 未払い残業代や規程不備があると、買収価格の減額要因になる

  • ✅ ハラスメント・安全衛生リスクは、契約破談の原因になり得る

  • ✅ 事前に整備することで、買収交渉を有利に進められる

つまり、売却側は「労務リスクの棚卸しと改善」を事前に済ませることで、企業価値を守り、買収条件の悪化を防ぐことができます。


労務デューデリジェンスで確認される主なポイント

未払い残業代リスク(固定残業制・裁量労働制の適法性、勤怠記録の実態)
社会保険加入の適正性(加入漏れ・誤りの有無、パート・アルバイト対応)
就業規則・協定の整備状況(最新法令適合性、実態との乖離の有無)
36協定・長時間労働規制対応(上限規制、特別条項の有無)
管理監督者の範囲と適法性(名ばかり管理職リスク、健康管理措置)
ハラスメント・安全衛生体制(相談窓口・衛生委員会の設置状況)
訴訟・紛争リスク(裁判・労働審判・行政指導・内部通報の有無)

【買収側 vs 売却側】労務デューデリジェンス チェックリスト

視点 買収側(チェックすること) 売却側(整備・準備すること)
未払い残業代 ・勤怠記録と賃金支払いの整合性確認・固定残業代・裁量労働制の適法性チェック ・未払い残業代リスクの棚卸し・制度の適正化(就業規則・協定の改訂)
社会保険加入 ・全従業員(パート含む)の加入状況確認・資格取得・喪失届の適正性 ・加入漏れ・誤りの是正・年金事務所調査対応履歴の整理
就業規則・協定類 ・最新法令との適合性確認・運用実態との乖離チェック ・法令改正への対応済み規程整備・労働者代表選出手続きの適正化
労働時間管理 ・勤怠管理システムの有無・PCログや残業申請との突合 ・エクセル・手作業管理の排除・勤怠システム導入と運用ルール化
36協定 ・届出状況と上限規制の遵守確認 ・36協定の更新・特別条項の見直し・実態と合致させる調整
管理監督者の範囲 ・「名ばかり管理職」の有無調査 ・対象者の見直し・健康管理措置の導入
安全衛生管理 ・衛生管理者・産業医の選任確認・衛生委員会の開催記録 ・衛生委員会の実施・議事録整備・メンタルヘルス・ハラスメント窓口の設置
ハラスメント対応 ・相談窓口・研修実施状況の確認 ・再発防止体制の整備・外部相談窓口の導入
訴訟・労使紛争 ・労働審判・訴訟の有無・内部通報案件の確認 ・係争案件の解決・過去事案の記録・再発防止策の明示
その他 ・有給休暇の取得義務履行状況・同一労働同一賃金の遵守状況 ・有休管理簿の整備・非正規社員処遇格差の是正


実際の導入事例(匿名・抜粋)

  • IT企業買収:固定残業代制度が違法運用 → 未払い残業代3,000万円が買収後に判明し、買収額見直し。

  • 製造業M&A:社会保険未加入のパート50名が発覚 → 年金事務所調査で追徴1,200万円。

  • 医療法人統合:ハラスメント相談の未対応事案が発覚 → 企業名公表を回避するため緊急体制を整備。

 


当事務所のM&A労務デューデリジェンス支援内容

  • 就業規則・協定類の点検・改定

  • 勤怠管理・労働時間実態調査

  • 未払い残業代のリスク試算

  • ハラスメント・安全衛生体制の確認

  • 社会保険加入状況の適正確認

  • 労務改善プラン・改善計画書の作成支援

※財務・法務監査と連携し、買収スキームに応じた実務的サポートを行います。


費用(目安)

  • 労務デューデリジェンス(簡易調査):110,000円(税込)〜

  • 詳細調査・改善プラン策定:220,000円(税込)〜

  • 継続支援プラン(顧問契約/6か月〜):月額55,000円(税込)〜

※企業規模・買収スキーム・調査範囲により個別お見積りとなります。


FAQ(よくあるご質問)

Q. M&A直前でも依頼できますか?
→ はい。優先度を整理し、価格に直結するリスクから調査します。

Q. 買収側だけでなく、売却側も依頼できますか?
→ はい。売却準備企業が事前に労務体制を整備しておくことで、買収価格の下落を防げます。

Q. IPO労務監査と並行して対応可能ですか?
→ 可能です。IPO準備・M&A双方に耐えうる労務管理体制を一括で構築できます。


まずはご相談ください

労務リスクを見逃せば、M&Aの成功はありません
当事務所では、買収側・売却側の双方にとって必要な労務デューデリジェンスを実務に即して支援します。

▶ [無料相談・資料請求はこちらから]
☎ 06-6306-4864(平日 10:00〜17:00)


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