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【2026年版】職場NGワード100 悪意ゼロでも“ハラスメント扱い”される言動と、企業が整備すべき実務対応

2025/11/13

監修:RESUS社会保険労務士事務所(社会保険労務士 山田雅人)

はじめに|“何を言ったか”がすべて残る時代へ

2024〜2026年にかけて、「言葉が原因のトラブル」が爆発的に増えています。

POINT

  • 声を荒げていない

  • 悪気がない

  • 指導のつもり

  • 褒めてるつもり

…でも、受け手が不快に感じればハラスメント要因になるのが現在の実務です。

特に2026年は、
● SNS拡散
● 録音・録画
● 価値観の多様化
● DEI(多様性・公平性・包摂性)
● 「意図より影響」重視の潮流

が重なり、「何気ない一言」が炎上・離職・相談・訴訟につながりやすくなっています。本ガイドは、実際の相談窓口で最も多い“NGワード100”を完全分類し、企業の予防策まで体系化したものです。


1. 最初に確認すべき“危険度MAX”の職場NGワード20

まずは、2026年以降は特に危険度が高い20語を提示します。

【危険度MAXのNGワード20】

  1. 普通はできるよね?

  2. 考えればわかるでしょ

  3. なんでこんなこともできないの?

  4. は?(短い否定語)

  5. 気にしすぎじゃない?

  6. 大げさだよ

  7. 若いのに偉いね

  8. もういい年なんだから

  9. 女の子なんだから丁寧にして

  10. 男なんだから我慢しろよ

  11. 最近の若いやつは…

  12. 昭和かよ

  13. その体型だと厳しいよ

  14. メイク濃くない?

  15. 発達っぽくない?(最危険)

  16. 外国人なのに日本語上手だね

  17. 子ども作らないの?

  18. 彼氏(彼女)いるの?

  19. 前の人はもっとできてたよ

  20. ため息/舌打ち(非言語でもNG)


2. 分類別:職場NGワード100

ここから分類別に 100語 を一覧化します。

① 外見(容姿・体型)NGワード(15)

  1. 髪切った?

  2. 太った?

  3. 痩せた?

  4. 若く見えるね

  5. 老けたね

  6. メイク濃いね

  7. メイク薄くない?

  8. その服派手じゃない?

  9. 地味な服だね

  10. 身長低いよね

  11. その体型はちょっと…

  12. 顔色悪くない?

  13. 清潔感足りなくない?

  14. もっとおしゃれしたら?

  15. なんか老け込んでない?

※相談窓口では、外見コメントに関するトラブルが特に多い傾向があります。


② 年齢・世代NGワード(10)

  1. 若いのにしっかりしてるじゃん

  2. 若いくせに生意気だね

  3. もういい年なんだから

  4. その年齢でそれはないよ

  5. おじさん(おばさん)だから仕方ない

  6. ゆとり世代だからね

  7. Z世代は面倒くさい

  8. 昭和脳だね

  9. ベテランなんだからちゃんとして

  10. 若いやつはすぐ辞めるよね


③ 性別・ジェンダーNGワード(10)

  1. 女なんだから丁寧にね

  2. 男なんだから我慢しろ

  3. 女性は感情的だよね

  4. 男なんだから外回りでしょ

  5. 女の子は愛嬌でしょ

  6. 男のくせに細かいね

  7. 女性は出産するから大変だよね

  8. 男なら泣くなよ

  9. 女のくせに強いね

  10. 男なのに怖がりだね


④ 性格の決めつけNGワード(10)

  1. メンタル弱いね

  2. 空気読めないね

  3. 神経質だよね

  4. マジメすぎるんだよ

  5. 適当な性格だね

  6. すぐ凹むタイプだよね

  7. 考え甘いよね

  8. せっかちすぎない?

  9. ネガティブだよね

  10. 頑固だよね


⑤ 能力・属性の決めつけNGワード(10)

  1. 文系だから数字弱いよね

  2. 理系なのに言葉が下手だね

  3. 外国人だから難しいよね

  4. 東京の人は冷たいよね

  5. 関西の人はノリが強いよね

  6. 発達っぽいよね(最危険)

  7. ADHDっぽくない?(絶対NG)

  8. 女の人はエクセル苦手だよね

  9. 男の人は細かい作業苦手でしょ

  10. 部署柄、雑な人多いよね


⑥ 比較・レッテル貼りNGワード(10)

  1. 前の人はもっとできてたよ

  2. 同期の〇〇はできてるよ

  3. あの子より遅いよね

  4. 前の職場では普通だったけど

  5. 兄弟みたいに仲良くしなよ

  6. あなたっていつもそうだよね

  7. どうせまた間違えるでしょ

  8. 部署全体の足を引っ張ってるよ

  9. なんか君って変わってるよね

  10. センスないよね


⑦ プライバシー侵入系NGワード(10)

  1. 彼氏(彼女)いるの?

  2. 結婚しないの?

  3. 子ども作らないの?

  4. 家どこ?

  5. 実家はどこ?

  6. 休日何してるの?

  7. 推しは誰?

  8. 宗教は何?

  9. 親は何してる人?

  10. 家計大丈夫?


⑧ 威圧・言い方NGワード(10)

  1. は?

  2. だから?

  3. 何で?

  4. 違う

  5. 普通わかるよね?

  6. これじゃダメ

  7. どういうつもり?

  8. ちがうちがうちがう

  9. 前も言ったよね?

  10. なんで言われた通りにできないの?

※分類上は100語ですが、実務ではこれ以外にも多数の言い方リスクが存在します。


⑨ マイクロアグレッション化する“褒め言葉”NGワード(10)

  1. 意外と仕事できるんだね

  2. 女性なのに頑張るね

  3. 外国人なのに優秀だね

  4. 若いのにしっかりしてるね

  5. 子育てしながら頑張ってるね

  6. 年齢のわりに頭の回転早いね

  7. 文系なのに数字強いね

  8. 男性なのに気が利くね

  9. 女の子なのに飲み会強いね

  10. よくそんな体型で頑張ってるね(非常に高リスク)


⑩ 非言語のマイクロアグレッション(10)

  1. ため息

  2. 舌打ち

  3. 無言で書類を返す

  4. 眉間にしわ

  5. 無表情で見下ろす

  6. 急に声のトーンを落とす

  7. 机に物を置く音が強い

  8. 椅子を強く引く

  9. ドアを勢いよく閉める

  10. 視線で威圧する

※ 言葉ではないが“言葉と同等(場合によってはそれ以上)”の攻撃性。


3. なぜNGワードが問題化するのか(心理構造)

POINT

  • 若手は「言われた内容より言い方」に反応

  • 記録(録音・チャット)が残る

  • 「意図」ではなく「影響」で判断される

  • “毎回言われている”と感じた瞬間、ハラスメント化

  • SNSでの切り取り文化が強まっている


4. 企業が2026年までに整備すべき対策

■ ① NGワードリストの明文化
社内の“標準言動”をルール化。
→ ハラスメントの線引きが明確になる。

■ ② 管理職研修(アサーティブ)
言い方・距離感・非言語を改善。

■ ③ 雑談ガイドライン
業務関連+短時間を基本に。

■ ④ 外見コメントの「ゼロ方針」
褒めてもNGの時代。

■ ⑤ 外部相談窓口の設置
“違和感の初期”を拾える唯一の仕組み。


5. 自己診断チェック(10)

□ 外見をつい褒めてしまう
□ プライベートを深掘りしてしまう
□ つい短い否定語を使う
□ “意外と”を使いがち
□ 比較して指導してしまう
□ 若手が相談しづらい雰囲気がある
□ 表情が怖いと言われたことがある
□ 雑談が長くなる
□ 指導を公開空間で行っている
□ 外部相談窓口がない


6. まとめ

NGワードは“悪意ゼロでもアウト”の典型領域です。

企業が守るべきは、
● 明確な言動基準
● 教育・研修
● 外部相談窓口(安全弁)

RESUS社会保険労務士事務所では、
ハラスメント研修
管理職研修
アサーティブ研修
外部相談窓口
若手定着支援
を一貫して提供しています。

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FAQ

Q1. 一度使っただけでハラスメントになりますか?

A. 単発ではグレーですが、上下関係・録音の有無・文脈次第で問題化します。

Q2. 雑談レベルもNGですか?

A. 外見・恋愛・家族は2026年以降は高リスクです。

Q3. 外見を褒めてもダメですか?

A. 原則避けるのが安全です。

Q4. 管理職研修で改善しますか?

A. 最も改善効果の高い領域です。

Q5. 外部相談窓口でNGワード相談も対応できますか?

A. 可能です。むしろ最も多いテーマのひとつです。