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【2026年版】評価制度の透明性ガイド|不満・誤解・離職を防ぐ「説明責任」と見える化の実務対応
2025/11/25

(監修:RESUS社会保険労務士事務所/社会保険労務士 山田雅人)
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2026年は、働き方関連法の見直し・評価制度の透明性要求・Z世代の価値観変化や採用競争の高まりにより、企業にはこれまで以上に「評価の根拠を説明できること」が求められる年です。特に中小企業では、評価の不透明さが次のような経営リスクを引き起こします。
● 若手・中堅の離職
● モチベーション低下
● 上司への不信感
● ハラスメント相談の増加
● 評価結果への苦情・トラブル
実務上の経験では、評価制度そのものより「評価の説明が不足していること」が不満の多くを占めます。本ガイドでは、評価制度の透明性を高め、社員が納得しやすい“評価結果の渡し方”まで、実務対応として体系化して解説します。
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1.なぜ2026年は「評価の透明性」が最重要になるのか
労働時間管理の厳格化・中抜け時間の取り扱いの見直し・勤務間インターバル義務化など、労働時間や働き方の“可視化”が強く求められる年です。
同時に、
● 若手(Z世代)の価値観変化
● 評価への不満がSNSや口コミで表面化しやすい文化
● 同業比較が容易(AI検索・OJT動画文化)
● 公平性・説明責任の重視
といった影響から、中小企業でも 『評価の根拠が説明できるか』が採用・定着の大きな分岐点になります。
実務の現場では、「評価そのもの」よりも、次の声が圧倒的に多い状況です。
● 「なぜこの評価なのか説明がなかった」
● 「上司によって基準が違う」
● 「努力しても反映されない」
● 「結局“好き嫌い評価”に見える」
これは制度の問題ではなく、透明性と説明責任の不足 です。評価制度の改善は「制度そのもの」より「運用の透明性」で効果が出るのが最新の実務傾向です。
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2.評価トラブルが起きる会社の共通点
数多くの中小企業支援から見てきた各社の評価トラブルには共通点があります。
● 評価基準が抽象的
● 上司ごとに判断がバラバラ
● 行動基準が“言語化されていない”
● 評価面談の時間が短い
● フィードバック方法の教育が不十分
● 期待役割が共有されていない
● 評価の説明を「面談1回」で終わらせている
結果、社員は 正解がわからず、努力の方向性が揃わない ことになります。
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3.“透明性が高い評価制度”の5つの原則
原則①:行動基準の言語化
抽象語(主体性・協調性・リーダーシップ)はトラブルの原因。行動レベルに落とすことが必須です。
例:
×「主体性がある」
○「期限前に進捗を共有し、改善策を自ら提案できる」
原則②:期待役割を半期ごとに共有
社員が最も知りたいのは「今の自分に何を期待しているか」。これを伝えずに評価すると、不満が出るのは当然です。
原則③:評価プロセスの見える化
● 評価者会議
● 点数の付け方
● 評価の根拠
● 加点・減点のルール
これを“見える形”にするだけで納得度は大幅に上がります。
原則④:評価結果の説明責任
点数だけの面談はNG。「どうしてその評価なのか」「今後何をすれば上がるのか」までセットで伝える必要があります。
原則⑤:フィードバックの標準化
上司の“言い方”で評価トラブルは激増します。フィードバックテンプレ化は必須です。
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4.評価面談(フィードバック)の実務ポイント
評価面談で社員が知りたいのは、次の3点だけです。
1)今回の評価理由
2)改善ポイント
3)次に何をすればよいか
これを満たすテンプレート:
● Step1:努力・行動の事実を肯定
● Step2:改善点を具体的に
● Step3:次の半期の期待役割を提示
● Step4:支援内容を明示(会社としてやること)
例:「今回の評価は◯◯の行動が特に高く評価されています。一方で、△△の部分は改善の余地があります。次の半期は□□を目標にし、上司として◎◎をサポートします。」
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5.Z世代に効く「評価の伝え方」
Z世代は、
● 抽象語が伝わりにくい
● 理由や背景を重視
● 公平性に敏感
という特徴があります。
▶ 効果的な伝え方
● 「理由→行動→期待」の順番
● 客観的事実・数字をできるだけ添える
● 評価の“プロセス”を説明
● 小さな成功体験を拾う
例:「今回の評価は“改善報告のタイミングが安定した点”が大きなプラス要因です。」
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6.評価×1on1×オンボーディングの連動
納得度を高めるには、評価制度・1on1・オンボーディングがセットで機能する必要があります。
● 1on1で行動・成果を観察
● オンボーディングで期待役割を明確化
● 評価基準と照合して面談につなぐ
ここが連動すると「育成と評価の一貫性」が生まれ、トラブルが激減します。
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7.評価制度の自己点検チェックリスト
□ 評価基準が“行動レベル”で定義されている
□ 上司の評価プロセスが統一されている
□ 期待役割を半期ごとに共有している
□ 評価理由を面談で説明できている
□ 1on1と評価が連動している
□ フィードバックテンプレがある
□ 社内に評価に関する苦情が少ない
3つ以下 → 評価トラブルが起きやすい状態です(めやす)。
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8.RESUSの評価制度改善サービス
● 評価基準の言語化(行動指針の作成)
● 期待役割の明確化
● 評価者トレーニング
● 1on1制度の構築
● オンボーディング制度設計
● 管理職研修(言い方・マイクロアグレッション)
● 外部相談窓口の設置
※すべて全国オンライン対応可能。
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9.FAQ
Q1.評価制度が古くても改善できますか?
A.できます。評価制度を変えずに“渡し方”だけ改善する方法もあります。
Q2.小規模企業にも向いていますか?
A.特に小規模企業ほど効果が早期に出ます。
Q3.評価者研修は必要ですか?
A.必要です。評価トラブルの約6割は「言い方」「説明不足」が原因です。
Q4.評価と給与を連動させるべき?
A.連動あり・なしの両方にメリットがあり、企業の状況に応じて選べます。
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10.まずは無料相談から
評価制度・説明責任・フィードバックの改善は離職率・エンゲージメント・生産性に直結する労務管理のコア領域です。
以下フォームから「評価制度の相談」と記載のうえご連絡ください。