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求人しても応募が来ないのはなぜ?中小企業にありがちな落とし穴と解決法
2020/01/10
求人を出しても応募が来ない…。
やっと応募があっても「自社に合わない人ばかりだ」と感じていませんか?
採用難が続く今、「時代のせい」「若者の質のせい」と考えたくなる気持ちもあるでしょう。
しかし冷静に振り返ると、原因の多くは 「会社側」や「求人票の出し方」 にあるのが現実です。
本記事では、中小企業が「まともな人材」から応募を得られない理由と、その解決法を整理します。
応募が集まらない2つの原因
応募者が集まらない、あるいは不本意な応募しか来ない場合、主な要因は以下の2つです。
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職場環境や労務管理に問題がある
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求人票が魅力を正しく伝えられていない
言い換えれば、職場環境が整い、求人票が誠実で分かりやすければ「まともな人材」から応募は自然と集まります。
「まともな会社」とは何か
「まともな会社」というと高給与や豪華な福利厚生を思い浮かべる方も多いですが、必ずしもそうではありません。
本質は 従業員を大切にしているかどうか にあります。
たとえば――
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長時間労働が常態化していない
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未払い残業代などの法令違反がない
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ミスやトラブルに誠実に対応している
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給与水準が低めでも休暇制度などでバランスを取っている
こうした「配慮ある会社」は、自然と人材が定着し、結果として新しい応募も増えていきます。
「まともな求人票」とは何か
一方で、どれだけ良い会社であっても 求人票の伝え方次第で応募はゼロ になってしまいます。
理想の求人票のポイントは次のとおりです。
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実際の労働条件を偽りなく掲載する
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メリットだけでなく課題も正直に書く
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写真や事例を活用し、雰囲気を伝える
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求める人物像を明確に提示する
「キラキラ楽しい職場」といった曖昧な表現ではなく、現実に沿った情報を誠実に伝えること が、ミスマッチや早期離職を防ぐ唯一の方法です。
採用難を解決する3つの視点
では、具体的にどのように改善すればよいのでしょうか。
1. 職場環境の整備
労働時間、給与、休暇、ハラスメント防止など、基本的な労務管理を整えることが第一歩です。
2. 求人票の改善
専門家の視点で求人票を見直すと、応募数が大幅に増えるケースがあります。
3. 採用後の定着支援
研修制度や評価制度を整え、採用した人材が長く働きたいと思える環境をつくることが重要です。
よくある誤解:「外注すればすぐ解決?」
広告代理店や一部のコンサルタントは「採用難を一気に解消できる」とうたいますが、現実はそう単純ではありません。
短期的な応募増は可能でも、定着しなければ再び採用難に戻ってしまいます。
結局のところ、「職場環境」と「求人票」 の両輪を整える以外に、持続的な解決策はありません。
求人倍率1.5倍の現実
有効求人倍率は全国平均で1.5倍を超えています。
「2/3の確率で選ばれるなら簡単では?」と思うかもしれませんが、建設業・介護・保育といった採用難といわれる業種でも、工夫次第で応募が集まる企業は多数あります。
つまり「応募が来ない=業種のせい」ではなく、会社の工夫次第 ということです。
第三者のチェックも有効
「職場改善には取り組んでいるのに応募が増えない…」という場合は、利害関係のない第三者(社会保険労務士・弁護士など)に労務環境の診断を依頼するのも一つの方法です。
ときに耳の痛い指摘を受けることもありますが、それが改善の突破口となります。
まとめ
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応募が来ない原因は「応募者」ではなく「会社」や「求人票」にある
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「従業員を大切にする会社」+「誠実な求人票」の両立が応募増のカギ
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採用後の定着支援まで含めて初めて人材不足は解決できる
もし「自社の採用力を客観的に診断したい」と思われたら、ぜひ一度ご相談ください。
経験豊富な社労士が、求人票と労務環境の両面から改善点をアドバイスいたします。
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