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【2025年対応版】外部相談窓口を設置すると通報はどれくらいある?内容・傾向と導入メリットを徹底解説
2025/10/01
はじめに|「外部相談窓口を作っても通報は来ないのでは?」という疑問
中小企業や医療・介護法人の経営者、人事担当者からよくいただく質問が、
「外部相談窓口を作っても、実際には通報なんて来ないのでは?」 というものです。
確かに、社内に窓口担当者(総務・上司・院長秘書など)を置いても、ほとんど相談が寄せられないケースは珍しくありません。
しかし、それは 「問題が存在しない」からではなく、「相談できない環境」 が原因となっていることが圧倒的に多いのです。
1. 外部相談窓口に寄せられる通報件数の目安
実際に外部相談窓口を設置した場合、件数の目安は次のとおりです。
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従業員300名規模の企業:年間で数件〜十件程度
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従業員100名未満の小規模事業所:年間で数件程度
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医療・介護・保育など人間関係が密な業種:やや多めの傾向
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小売・飲食などサービス業(BtoC):やや多めの傾向
「年間数件しかないのか」と思われるかもしれません。
しかし、その数件が 職場崩壊や訴訟リスクにつながる芽を早期に摘むきっかけ になるのです。
2. 外部窓口に寄せられる相談内容の傾向
(1)明らかなパワハラ・セクハラ(近年は減少傾向)
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暴力や暴言
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性的な発言や身体接触
(2)モラハラ・グレーゾーン事案(顕著に増加傾向)
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新入社員の部下に上司が握手を求めてなかなか離さない
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男性上司が部下を何件も飲食店に連れ回す
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上司に誘われた会食で「割り勘」された
違法性までは認定されにくいが、モラル的に不快と感じる人が多い行為が通報されることが増えています。
(3)制度や運用の不公平に関する不満(顕著に増加傾向)
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酷暑の屋外作業でも空調服を一部社員にしか認めない
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特定部署だけに福利厚生が手厚い・部署ごとに有給取得率が違う
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カスタマーハラスメント(カスハラ)対応の整備不足
これらは「法違反ではない」が、離職や不満蓄積につながる要因となります。
3. 社内相談窓口では機能しにくい理由
中小企業や小規模事業所では、次のような事情で社内窓口が機能しないことが多いです。
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窓口担当者が同僚や直属の上司で「近すぎる」
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社長・院長との距離が近すぎて反論しにくい
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「相談すれば人間関係が悪化する」と恐れられる
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「どうせ変わらない」と思われて黙って退職してしまう
結果として、本音は表に出ないまま人材流出が続くという悪循環に陥ります。離職率が高いのに、離職原因はわからないという中小企業の典型例です。
社内窓口と外部窓口の違い(比較表)
項目 | 社内相談窓口 | 外部相談窓口 |
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相談しやすさ | 担当者が同僚や上司で「近すぎて話しにくい」 | 社外専門家が対応、匿名性・客観性が担保され相談しやすい |
公平性 | 利害関係が絡みやすく偏りが出やすい | 利害関係がなく、中立的に判断可能 |
調査対応 | 通常業務と並行で負担が大きく、調査精度も低下 | 専門家が対応し、適切な記録・ヒアリングを実施 |
通報件数 | 「ゼロ件」が多いが、それは相談できない環境の結果 | 年間数件〜十数件の相談が寄せられる傾向 |
経営リスク対応 | 初動不備で安全配慮責任を問われる可能性 | 重大事案に発展する前に早期対応が可能 |
従業員の安心感 | 「言っても変わらない」と不信感を招きやすい | 安心して相談でき、離職防止・信頼関係強化につながる |
※外部窓口の設置は「公益通報者保護法」に基づき、中小企業にも努力義務が求められています。
4. 社内調査の限界と負担
社内窓口担当者が通報を受けた場合、次のような配慮事項があります。
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公平性の確保(利害関係の調整が困難)
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個人情報・秘密保持の管理
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記録の取り方・ヒアリング手法の妥当性
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二次被害防止への配慮
これらを通常業務と並行して行うのは非常に負担が大きく、結果的に 調査の質が低下したり、業務が滞る というリスクを抱えます。さらに訴訟や行政調査にまで発展した場合、初動対応の不備が謳われると企業の安全配慮責任が問われることにもなりかねないリスクがあります。▶ハラスメント事案発生時の初動対応と改善計画まで完全ガイド
5. 外部相談窓口を導入するメリット
外部窓口を導入すると、次のような効果が得られます。
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客観性の担保:社外専門家が対応することで偏りがなくなる
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従業員の安心感:身近な人に知られずに相談できる
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早期発見・早期対応:小さな不満を大きな問題に発展させない
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人材定着の向上:「辞める前に不満を吸い上げる」仕組みになる
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コンプライアンス対応:公益通報者保護法・パワハラ防止法制に準拠
6. 「通報が少ない=安心」ではない理由
外部窓口を設けても、年間数件程度しか通報がないこともあります。
しかし、これは 「声なき声」が存在しない証拠にはなりません。
従業員一人ひとりは、程度の差はあれ何らかの不満や課題を抱えています。
それが企業運営に起因するものである以上、経営側が真摯に取り組むことが、
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慢性的な人手不足
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採用難の時代
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厳しい競争社会
を乗り切る最大の経営戦略(経営の生き残り)となります。
FAQ(よくある質問)
Q1. 外部相談窓口を設けても、本当に相談は入るのでしょうか?
A. 年間の件数は数件〜十数件程度ですが、その数件が職場崩壊や訴訟リスクを防ぐ「早期警告」となります。件数が少ないから意味がないのではなく、声を拾える環境を作ること自体が経営リスク対策になります。
Q2. 相談は匿名でも可能ですか?
A. はい、匿名・記名どちらでも受付可能です。匿名の場合でも内容を精査し、必要に応じて会社へ報告します。匿名性が担保されることで、従業員が安心して声を届けられるのが外部窓口の大きなメリットです。
Q3. 小規模事業所でも外部窓口を導入する意味はありますか?
A. あります。むしろ小規模ほど「社長や院長との距離が近すぎて言えない」状況が多く、辞める前に相談できる仕組みが重要です。離職防止や採用力強化に直結します。
Q4. 社内相談窓口と外部相談窓口を併用できますか?
A. 可能です。日常的な相談は社内で受けつつ、利害関係の絡む案件やハラスメント・コンプライアンス違反は外部窓口が対応する、といった併用型を導入する企業も増えています。
Q5. 相談内容はどのように会社へ報告されますか?
A. 報告は 「相談者の特定につながらない範囲で要点のみ」 を整理して行います。必要に応じて詳細調査を行う場合でも、秘密保持と個人保護を最優先に進めます。
Q6. 費用はどれくらいかかりますか?
A. 月額5,500円〜導入可能です。従業員数や業種に応じてプランをご提案します。
まずは 無料相談・お見積り からお気軽にお問い合わせください。
Q7. 外部相談窓口を設置すれば人手不足は解決しますか?
A. 人手不足は社内の問題だけでなく、様々な外的要因にも影響を受ける悩ましい課題です。当社では外部相談窓口設置前に、企業の採用力(定着力)診断サービスも承っております。
まとめ|外部相談窓口は「経営リスク対策」と「人材定着策」
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社内窓口では出てこない声を拾える
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重大リスク化する前に芽を摘める
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従業員の安心感と信頼感を高め、人材流出を防げる
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法令遵守・コンプライアンス体制でも必要性が高い
外部相談窓口は単なる「ハラスメント対策」ではなく、
パワハラ・モラハラ・カスハラを未然に防ぎ、採用力と定着率を高める経営基盤の仕組みです。
小さな声を早期に拾い上げられる仕組みが、従業員の安心と企業の信頼を守ります。
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