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【2025年対応版】就活ハラスメント防止法改正対応ガイド|採用・インターン段階の防止措置義務化と企業実務
2025/10/27

― 採用段階から「人権・公平性・信頼」を守るために ―
(監修:RESUS社会保険労務士事務所/社会保険労務士 山田雅人)
はじめに|採用の第一歩から、企業の「誠実さ」が問われる時代へ
インターンシップ・説明会・面接・OB/OG訪問。
企業と学生が接するすべての場面に「ハラスメントリスク」が潜んでいます。
かつては「雇用関係の外」にあった就職活動の場面でも、いまや企業側に防止体制の整備義務が課される時代となりました。
2025年6月11日、労働施策総合推進法・男女雇用機会均等法・女性活躍推進法の改正法(令和7年法律第63号)が公布されました。 同改正により、求職者等に対するセクシュアルハラスメント(いわゆる就活セクハラ)への防止措置を講じることが事業主の義務として法定化されました。施行は「公布の日から起算して1年6か月以内に政令で定める日」とされています(一部規定は令和8年4月1日施行予定)。
RESUS社会保険労務士事務所では、採用・研修・相談体制を含む「人事リスク管理の専門家」として、就活ハラスメント防止体制の構築を外部相談窓口・研修・マニュアル点検を通じて支援しています。
1. 「就活ハラスメント」とは何か
定義と対象範囲
「就活ハラスメント(就ハラ)」とは、就職活動中の学生・求職者・インターン参加者など、企業との接点を持つが、雇用関係にない人に対して優越的立場を背景に不適切な言動・接触を行うことで、人格や尊厳を害する行為を指します。
主な対象場面
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インターンシップ(職場実習、短期体験、リクルーター面談含む)
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会社説明会、合同企業説明会
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面接・採用試験・Web面談
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OB/OG訪問・職員交流イベント
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内定後フォロー面談・懇親会
こうした場面では「学生が断りにくい立場」にあり、企業側の一方的な言動がハラスメントと受け取られやすい構造にあります。
2. なぜ今、法改正が進んでいるのか
背景にある社会的課題
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学生・求職者の約3割が「ハラスメント被害を経験した」と回答
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SNS等で「就ハラ企業」の名前が拡散される事案が急増
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インターン中のセクハラ・パワハラ・マタハラ・宗教勧誘など多様化
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企業ブランド毀損・内定辞退・採用広報への影響が拡大
これらを受けて、2025年6月11日に改正法が公布され、求職者等へのセクハラ(就活セクハラ)防止措置の義務化等が定まりました。施行は「公布から1年6か月以内(政令指定日)」で、概ね2026年末ごろまでの施行が見込まれます(※一部は2026年4月1日施行予定)。早期整備が推奨されています。
3. 改正法のポイントと企業の義務
| 改正項目 | 内容 | 実務対応ポイント |
|---|---|---|
| 防止措置義務(求職者等へのセクシュアルハラスメント) | 採用段階(学生・インターン等)でのハラスメントも対象 | 採用活動における方針・相談窓口整備 |
| 雇用管理上の措置(指針改正・省令整備を含む) | 求職者・学生に対するセクハラ等を防止する体制構築 | 外部相談窓口・明確な通報ルール |
| 相談・通報者への不利益取扱い禁止 | 通報・相談した者への報復を禁止 | 内部規程・教育で明文化 |
| 勧告・企業名公表等の枠組み(適用条文は今後の詳細にも留意) | 勧告違反企業の名称を公表可能に | 対応遅延はレピュテーションリスクに直結 |
| 採用活動に関与する者への教育義務 | 面接官・リクルーター・OB/OG含む | 教育・研修体制の整備必須 |
※詳細は厚労省の概要・特設ページと今後の省令・指針(告示)で順次示されます。実務は指針準拠で運用してください。
4. 発生しやすい事例と企業リスク
代表的な「就活ハラスメント」例
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面接官が容姿・年齢・恋愛・結婚などプライベート質問を繰り返す
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OB/OG訪問で「飲みに行こう」「個人的に会おう」と誘う
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Web面接で部屋の様子を映させたり、プライベート空間に踏み込む
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インターン中に社員が身体的接触や性的発言を行う
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採用担当者がSNSを通じて個人的メッセージを送信
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採用不採用の理由を「性格が暗い」「見た目の印象が悪い」と伝える
発生した場合のリスク
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SNS・報道による企業名拡散 → 採用ブランド毀損
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求職者からの損害賠償請求(不法行為・人格権侵害)
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内定辞退・応募減少・口コミ悪化
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学生団体・大学等からの企業登録停止・取引停止
5. 企業が取るべき防止体制構築の3ステップ
STEP1|方針と体制の整備
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採用段階からのハラスメント防止方針を明文化
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採用規程・インターン要項・社内ガイドラインの改訂
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求職者・学生も利用できる外部相談窓口の設置
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相談・通報者への不利益取扱い禁止の明示
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採用担当者・リクルーターへの守秘義務教育
STEP2|教育・研修・周知
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面接官・リクルーター・インターン担当者向け研修
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「学生心理・同意の原則・適切な質問・SNS利用マナー」などを体系化
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社外向け採用ページ・案内資料に「就ハラ防止方針」「相談窓口」掲載
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受入部署・人事部門・経営層への定期周知
STEP3|点検・対応・改善
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採用後アンケートで「不安・不快感」ヒアリング
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外部窓口経由での報告体制(第三者性確保)
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相談・通報があった際の迅速な調査と被害者ケア
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年1回のマニュアル・規程点検と再教育実施
▶就活ハラスメント防止法施行に伴う運用ポイントと企業の実務対応
6. RESUSによる3つの支援サービス
① 外部相談窓口サービス
採用段階・インターン受入時の「外部相談窓口」を、社労士事務所が第三者機関として運営します。
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匿名・実名いずれも受付可能
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相談専用メール・電話受付対応
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相談毎にレポートを作成し改善提案を企業にフィードバック
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窓口設置を社内・学生向けに案内するテンプレート提供
料金目安:月額5,500円~(従業員100名未満法人)
対応範囲:全国対応/オンライン完結可
▶法人向け外部ハラスメント相談窓口【月額5,500円】|パワハラ・カスハラ・内部通報に対応【全国対応】
② 就活ハラスメント防止研修
採用担当者・面接官・OB/OGリクルーターを対象とした専門研修です。
講義+ケース演習+ガイドライン整備ワークの3部構成。
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講義:法改正・リスク・学生心理を理解する
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事例研究:グレーゾーン対応、会話シナリオ演習
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ガイド整備:面談・質問・SNS対応マナー策定
実施形態:オンライン60分/対面90分/eラーニング可
研修料金(例)
オンライン:66,000円(税込/60分)〜
対面:88,000円(税込/90分)〜※出張費別
助成金対応:助成金・補助金の対象となることがあります。詳しくは厚生労働省等のサイトをご確認ください。
▶採用担当者のための就活ハラスメント防止研修【2025年対応版】|疑われない採用対応で企業を守る
③ 採用マニュアル・規程点検サービス
既存の採用関連書類(規程・マニュアル・面接官チェックリスト)を、最新法令・行政指針に適合させる点検・改訂支援を行います。
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採用規程/インターン要項/OB訪問ルールの改訂案提示
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相談対応フロー・フォロー体制の設計
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内部通報・個人情報保護・SNS運用の統合整備
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Word・PDF形式で即導入可能な文書として納品
規程ひな形:16,500円(税込)
採用ハラスメント防止マニュアル作成:33,000円(税込)〜(規程+運用文書)
▶就活ハラスメント防止マニュアル作成代行|採用・インターン段階の防止措置を文書で整備
7. よくあるご質問(FAQ)
Q1.「就活ハラスメント」は法令上の正式名称ですか?
→ 条文上の用語ではありませんが、厚労省のガイドライン・改正法説明資料で「求職者等に対するセクシュアルハラスメント」として整理されています。実務上は「就活ハラスメント」「就ハラ」が定着しています。
Q2. 採用活動前の段階(大学主催説明会等)も対象ですか?
→ はい。企業が関与する活動であればすべて防止措置の対象になります。派遣講師や外部採用代行業者も同様に義務が及びます。
Q3. 外部相談窓口の設置は必須ですか?
→ 改正法では「相談体制の整備」が義務化されました。第三者性やアクセス性の確保、相談体制の実効性を高める観点から、外部相談窓口の併設を推奨します。
Q4. 小規模企業でも必要ですか?
→ 規模の大小を問わず、ハラスメント発生時の社会的影響は同様です。小規模事業者でも簡易版体制の整備が望まれます。
Q5. 研修は年1回で十分ですか?
→ 採用時期(春・秋)ごとの実施が理想です。特に新任の採用担当者やインターン担当には、初回前に受講を推奨します。
Q6. 相談が来た場合、企業側がすぐ加害者処分すべきですか?
→ まずは事実確認・ヒアリングが必要です。外部専門家と連携し、事実認定→被害者ケア→再発防止までを中立的に行うことが求められます。
Q7. 助成金や奨励金の対象になりますか?
→ 東京都・名古屋市などで自治体による「ハラスメント防止奨励金」により、研修実施や体制整備が助成対象となる場合があります。最新情報は各自治体(例:東京都、名古屋市等)および厚生労働省の公表資料をご確認ください。
Q8. オンライン面接で背景を映すよう求めてもよいですか?
→ 原則不要です。個人の生活空間への踏み込みは避け、バーチャル背景の推奨など代替手段を案内してください。
Q9. 学生からSNSアカウントの共有を申し出られた場合は?
→ 会社公式チャネル以外での私的連絡は避ける運用を徹底します。採用連絡は公式ツール(メール・ATS等)に限定してください。
Q10. 採用担当者が就活セクハラを行った場合は懲戒処分して問題ありませんか?
→ 企業で就活セクハラ対策(周知・研修・窓口運用等)を十分行っていないまま、行為者だけに責任を押し付けると企業側の責任を問われる可能性があります。懲戒処分は慎重に検討ください。
8. まとめ|採用ブランドを守る“法令遵守+誠実対応”
就活ハラスメント対策は、単なる法令遵守ではありません。
それは「学生・求職者から信頼される企業であるか」を示す採用ブランディングの核心です。
防止体制の整備は、採用力・企業価値・従業員満足をすべて高める投資。
RESUSは、御社の採用現場と経営を守る“法務×人事の専門パートナー”として、伴走支援いたします。
9. 無料チェック・ご相談はこちら
社内だけでなく、就活学生にまで、ハラスメントを許さない企業体制の支援を行っています。
自社でハラスメント事件を起こさないために。万全の整備が唯一の予防です。
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