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社員が病気で休業するときは傷病手当金を活用しましょう

2019/08/18

社員から突然、会社を休みたいと言われた!

元気だった社員が、いつも元気だとは限りません。突然休みたいといわれたとき、事業主のみなさまはどのように対応しているでしょうか。混乱したり、気を使いすぎて十分な説明がなかったり、傷つけるような発言をしていませんか?

医師の診断により病気が理由であれば事業主としては休ませざるを得ません。そのまま従業員が休みはじめ、予定日になっても戻らない。遠慮しながらも連絡すると、ご迷惑をおかけしたので辞めるという始末。このようなケースを経験した事業主は多いはずです。重要な職責(ポスト)についていた社員や、中小企業・小規模事業者においてはこの採用難、人財不足の時代に大切な従業員が辞めるとなると大変なダメージとなります。このようなケースをできるだけ少なくするため、日ごろから高い保険料を支払っている社会保険の仕組みについて知っておく必要があります。

万が一の傷病手当金

健康保険は病院が安くなるだけの制度ではありません。しかし多くの事業者に傷病手当金という制度はあまり知られておらず、活用されていません。この機会に覚えておくことで、大切な従業員を失うリスクを軽減することができます。

【要件1⃣】業務外の傷病による休業であること

傷病手当金は健康保険からの給付で、たとえば労災のような『業務に起因する』病気や怪我は対象となりません。業務上の場合は労災保険からの支給となります。なお、美容整形などは健康保険法上病気とみなされないものは支給対象外となります。

《交通事故による場合》
過失割合が低い場合は相手方の自動車保険等を使いましょう。傷病手当金は給与が減りますが、自動車保険であれば原則給与全額を賠償請求することができます。保険会社から健康保険を使うよう勧められるケースもあるかと思いますが、被害者に一切メリットが無いため断固お断りしましょう。自身の過失割合が高く相手方の保険会社から賠償請求することが難しい場合は自己の保険または傷病手当金を使うことになります。仕事ができないほどの場合は交通事故に詳しい弁護士を活用すると相手方に十分な賠償請求を行ってくれます。自ら示談したり、保険会社同士で勝手に話をまとめさせないように注意しましょう。

【要件2⃣】労務不能であること

傷病手当金は働くことのできない状態に対する社員とその家族の生活を保障するための給付金ですので、労務不能であることを要件としています。

例えば、趣味のスポーツで足を骨折した場合、外回りの営業職であれば支給されますが、デスクワークの場合や家族の送迎、補助具によって通勤可能で仕事に就くことが可能な場合は対象外となることがあります。医師等の意見を基準に仕事の内容を考慮して判断されます。

【要件3⃣】連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと

仕事を休んだ日から3連休(待機3日間)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。連休には有給休暇や公休日も含まれ、給与の支払い有無は問われません。

【要件4⃣】休業期間に給与の支払いが無かったこと

休業期間にも給与が支払われている場合は傷病手当金は支給されません。ただし、傷病手当金の額より少ない支給があった場合は差額が支給されます。

✅支給される期間

傷病手当金が支給される期間は、支給開始日から最長1年6か月までとなります。期間中に復職し、また休業した場合でも延長されません。

✅支給される手当金の額

《1日あたりの額(支給日額)》

【支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額】÷30日×2/3

✅いつまでに手続きが必要?

傷病手当金の時効は2年です。支給申請を行えば支給(不支給)の通知書が届き、申請から1か月以内に指定した自分の口座に振り込みされます。

✅退職したら?

退職日(資格喪失日の前日)までに被保険者期間が継続して1年以上あり、退職日に傷病手当金を受給しているか、受けられる条件を満たしている場合であれば引き続き受給することができます。つまり、1年継続して被保険者期間が無い場合は退職で打ち切りされるため、退職する場合などは一年を満たすよう退職日を伸ばすなど相談しましょう。また、離職後いったん仕事に就くことができる状態になり、やっぱり仕事に就くことができなくなった場合には打ち切りされます。別の傷病の場合は再度申請を行えば受給することができます。

会社が手続きしてくれない場合

傷病手当金の支給申請は『本人・会社・医師』の三者による手続きが必要です。医師であれば必ず知っているはずですが、医療機関によっては時間や手数料がかかることがありますので事前に確認しておきましょう。事業主にとって手続きさえ行えば保険等級が上がったり、健康保険協会ににらまれるようなデメリットはありませんが、それでも手当金を知らなかったり、怠慢があって手続きが進まない場合は健康保険協会へ申告し、事業所への指導を促すようにしましょう。

 

あまり活用されていない傷病手当金ですが、事業主にとってもこれほど心強い制度はありません。病気休業の申し出があった場合は傷病手当金について十分説明を行い、また長期にわたる場合は復職プログラムなどを用意しておくことで、従業員の不安を大幅に軽減されるうえ、『負い目』についても余計な心配をさせることがなくなります。なぜなら、会社は待機の3日間を有給で使わせる程度の配慮を行えば、休業期間中は社会保険料の負担があるのみで、基本的には給与支払い義務はないからです。療養期間中は従業員も不安になりますが、事業主側で心配はいらない旨十分説明し、また元気に帰ってきてもらえるような余裕のある配慮を示すことができるため傷病手当金は覚えておく必要があります。

 

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