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【2026年対応版】改正公益通報者保護法の実務ポイント|実効性強化・刑事罰拡大を踏まえた通報体制整備と外部窓口の活用

2022/07/04

(最終更新日:2026/02/24

はじめに|2026年改正のポイント

公益通報者保護法は、2022年6月の改正により、内部通報体制の整備や「公益通報対応業務従事者(以下、従事者)」の指定、刑事罰付きの守秘義務などが導入されました。

これに加え、2025年に成立した法改正(2026年12月1日施行予定)では、制度の実効性をさらに高めるための重要な見直しが行われています。

2026年改正の最大の特徴は、

「制度はあるが、実際には通報しにくい」
「通報者が守られていないのではないか」

といった課題に正面から対応し、通報妨害・不利益取扱いを明確に違法とし、刑事罰や推定規定を導入した点にあります。

本記事では、

  • 2026年改正のポイント

  • 企業・団体に新たに求められる実務対応

  • 外部通報窓口を活用する意義

を、中小企業・実務担当者向けにわかりやすく解説します。

✔この記事はこんな方におすすめ:

  • 「2026年改正で、何を直せばいいのか分からない」

  • 「今の通報窓口の運用で、法的に大丈夫か不安」

  • 「刑事罰が強化されたと聞いて担当者の負担が心配」

  • 「外部通報窓口を導入すべきか検討している」


公益通報者保護法とは

公益通報者保護法は、事業者による法令違反行為について、労働者・役員・退職者などが通報を行った場合に、通報者を不利益取扱いから保護することを目的とした法律です(2006年施行)。

2022年改正および2026年改正により、単なる「通報できる仕組み」ではなく、実際に通報が機能し、通報者が守られる体制整備が強く求められるようになっています。


【2026年改正】主な改正ポイント(重要)

1.通報妨害・通報者探索行為の禁止(新設)

2026年改正では、次の行為の違法性が明確になりました。

  • 通報しようとする者に対し、通報を思いとどまらせる行為

  • 通報者を特定する目的での探索行為

これらは、従来グレーとされがちだった行為ですが、「通報制度を形骸化させる行為」として明確に禁止されました。


2.不利益取扱いに対する刑事罰の新設・強化

2022年改正では、従事者の守秘義務違反に刑事罰が導入されましたが、2026年改正ではさらに踏み込み、

  • 公益通報を理由とする解雇・懲戒等の不利益取扱い
    について、一定の要件を満たす場合は『刑事罰の対象』とされます。

また、法人に対する罰金刑(いわゆる両罰規定)も設けられており、「担当者個人の問題」では済まされない制度設計となっています。


3.「通報を理由とする不利益取扱い」の推定規定

公益通報後、一定期間内(原則1年以内)に行われた解雇等については、「公益通報を理由とするものと推定される」規定が導入されます。

これは、通報者側の立証負担を大きく軽減するものであり、事業者にとっては、

  • 人事判断の記録

  • 通報対応と人事評価の切り分け

がこれまで以上に重要になります。


4.保護される通報者の範囲の拡大

2026年改正では、フリーランス等の特定受託業務従事者なども保護対象に含まれ、雇用関係の有無にとらわれない通報者保護が進められます。


従事者制度と刑事罰(2022年改正からの重要ポイント)

従事者とは、公益通報の受付・調査・是正対応に関与し、かつ、通報者を特定し得る情報を取り扱う者をいいます。

従事者には刑事罰付きの守秘義務があります

正当な理由なく、公益通報者を特定させる情報を漏えいした場合、

  • 6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金

が科される可能性があります。

この刑事罰は、事業者ではなく、従事者個人が対象となる点が、実務上極めて大きなインパクトを持ちます。


従事者の負担と実務上の課題

従事者は、

  • 通報内容の事実確認

  • 被通報者・通報者双方への配慮

  • 経営層や現場との調整

といった高度な判断を求められます。

さらに、情報漏えいが疑われた場合、刑事責任・懲戒処分・社内外からの疑念を負うリスクもあり、心理的・法的負担は非常に大きいのが実情です。

そのため、

  • 従事者の範囲を必要最小限に限定する

  • 研修・権限・独立性を確保する

  • 一次受付を外部委託する

といった対応が、2026年改正を踏まえると、より重要になります。


内部通報体制が機能しないと何が起きるのか

近年の不祥事では、「通報窓口があったが、信頼されていなかった」という点が共通して指摘されています。

  • 匿名性が確保されていない

  • 上司や経営層に筒抜けになる不安

  • 通報後の不利益取扱いへの恐怖

こうした状況では、行政機関・報道機関・SNSへの通報が選択される可能性が高まります。

一度公表された情報は、企業規模を問わず、ブランド・採用・取引関係に長期的な影響を及ぼします。


中小企業でも通報体制整備が重要な理由

300人以下の事業者は努力義務とされていますが、

  • SNS炎上リスク

  • 取引先・自治体からのコンプライアンス要請

  • 採用時の企業評価

を考慮すると、実務上は「対応していないリスク」の方が大きいと言えます。


外部通報窓口を活用するメリット

  • 刑事罰付き守秘義務を負う専門家が対応

  • 通報者の安心感(中立性・匿名性)を確保

  • 従事者の心理的・法的負担を軽減

  • 社内リソースが少なくても制度運用が可能


当事務所の外部通報窓口サービスについて

当事務所では、月額5,500円(税込)からご利用いただける、中小企業・団体向けの外部通報窓口サービスを提供しています。

  • 公益通報・ハラスメント双方に対応

  • 実務を理解した専門家が一次受付

  • 2026年改正を踏まえた運用設計

をご希望の方は、下記よりお問い合わせください。


まとめ|2026年改正は「実効性」が問われる時代の始まり

2026年改正により、公益通報者保護法は「形だけ整えていれば足りる制度」ではなくなりました。

  • 通報を妨げない

  • 通報者を探さない

  • 不利益取扱いをしない

  • 実際に機能する体制を整える

これらを前提とした体制構築こそが、企業価値と信頼を守るための現実的な選択です。


よくある質問(Q&A)

Q1. 300人未満の中小企業も窓口設置が必要?
→ 努力義務ですが、SNS・告発リスク対策として事実上必要です。

Q2. 顧問弁護士を窓口にしてもいい?
→ 指針上は「抑止効果を弱める恐れがある」として、中立性に疑義のある窓口は非推奨です。

Q3. ハラスメント相談窓口担当者も「従事者」に該当しますか?
→ 可能ですが、対象行為が法令違反に該当する場合、ハラスメント窓口担当者も「従事者」に該当します。


まとめ|「形だけ」から「機能する体制」へ

内部通報制度は企業のガバナンスを強化するだけでなく、従業員が安心して働ける職場づくりに直結します。

制度の整備は「義務だからやる」ではなく、企業価値を高める投資です。

 

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