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令和2年(2020年)ものづくり補助金は3月公募開始!採択要件のポイント

2020/01/24

終了しました!令和3年度公募の低感染リスク枠はこちらから

 

先日23日、中小企業庁より「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(いわゆる「ものづくり補助金」)」に係る事務局の公募が開始されました。(事務局の公募につき事業者の申請受付ではありません)

ご存じない方も多くいらっしゃいますが、ものづくり補助金は中小企業・小規模事業者等が生産性向上を目的とした設備投資等を行う際、かかった経費の一部(1/2~2/3)を支援する中小企業生産性革命推進事業と呼ばれる国(中小企業庁)の政策のひとつです。

ものづくり補助金の他にもIT導入補助金や小規模事業者持続化補助金と呼ぶ国の補助金施策があります。本年は中小企業庁の補助金の予算が昨年の1,100億円から3,600億円とウソみたいに大幅にアップされたことから例年以上に「採択率が上がるかも=自社ももらえるかも」と期待が高まっています。ちなみに3,600億円の予算は3年度分です。

本稿でピックアップするものづくり補助金については毎年制度や予算の変更があり、専門家の集会やセミナーでは様々な憶測が飛び交う一大イベントですが、令和元年補正(2020年実施)も少しずつ情報が明らかになり始め、いよいよ公募が近いと感じる時期になりました。本年度も申請方法や審査内容に大幅な変更があり、正式な公募要領が公表されるまで詳細は不明ですが、現時点で確実性の高い情報が今回の事務局公募要項の中に盛り込まれていましたのでポイントを簡単にまとめました。

補助対象となる事業者の要件

以下のいずれも満たす3~5年の事業計画を策定し、従業員に表明している中小企業・小規模事業者等(申請締め切り日前10カ月以内に同一事業の採択決定及び交付決定を受けた事業者を除く)

  • 事業計画期間内の給与支給総額を年率平均1.5%以上増加(社会保険適用拡大の事業者は年率平均1%)
  • 事業計画期間内において事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準
  • 事業計画期間内の事業者全体の付加価値額(※)を年率平均3%増加

(※付加価値額とは営業利益+人件費+減価償却費)

加点要件

①成長性加点:経営革新計画の承認(申請中を含む)を取得した企業

②政策加点:小規模事業者、又は創業・第二創業後間もない企業(5年以内)

③災害加点:激甚災害(昨年の台風15・19・20・21号)指定地域の被災事業者又は有効な期間の事業継続力強化計画(BCP)の認定(申請中を含む)を取得した企業

④賃上げ加点等:事業計画期間内で給与支給総額を年率平均2%又は3%以上増加させる計画を有し従業員に表明している企業、並びに、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+60円又は+90円以上の水準にする計画を有し、従業員に表明している企業(賃金引き上げ幅に応じて段階的加点)、被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業・小規模事業者等が制度改革に先立ち任意適用(※)に取り組む場合

(※任意適用とは、フルタイム正社員に比べて週所定労働時間2/4以上のパート労働者に対して労使合意に基づき社会保険に加入するなど手続きを行うこと)

政府は多様な働き方の推進や年金制度の充実に向けて、被用者保険の適用拡大を進めたい意図があります。一方で負担が増加する企業団体からは反対が大きく、積極的な被用者保険の適用拡大には消極的です。そのためものづくり補助金で加点優遇することにしたと思われますが、加点欲しさに事業主が適用拡大に取り組むかどうかは微妙なところです。しかし、時短社員の社会保険加入は定着性や採用力にも効果が高いため、補助金の加点だけでなく人材不足や採用難の解消に取り組むことを目的として検討してはいかがでしょうか。(当社は既に適用拡大済みです。)

加点要件に記載されている各計画の認定は「申請中を含む」と記載されていますが、これは申請書の行政局受理日を基準として判定されます。補助金申請日より受理日が後の場合や認定が取得できなかった場合は補助金認定が取り消しされることにもなりかねず、また計画を申請するには相当な時間を要します。認定を受けようとする各計画は前もって取得しておくことが得策です。そういえば中小企業診断士の先生が「BCP認定取らずにもの補助申請する奴は、素手でボブサップに挑むようなもんや」と言っていました。言葉の意味はよく分かりませんでしたが、とにかくすごい自信です。

減点要件

過去三年間に類似の補助金(平成28年度補正革新的ものづくり・商業・サービス開発支援事業、平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業、平成30年度2次補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業、令和元年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業)の補助金の交付を受けた事業者は審査上の減点措置あり

補助額と補助率

事業概要 補助上限額

(補助下限額)

補助率
1.一般型

新製品・新サービス開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資及び試作開発を支援。

1,000万円

(100万円)

中小企業

2分の1

小規模事業者

3分の2

2.グローバル型【新設】

海外事業(海外拠点での活動を含む)の拡大・強化等を目的とした設備投資等の場合、補助上限額を引上げ。

3,000万円

(100万円)

 

中小企業

2分の1

小規模事業者

3分の2

3.ビジネスモデル構築型【新設】

中小企業30者以上のビジネスモデル構築・事業計画策定のための面的支援プログラムを補助。(例:面的デジタル化支援、デジタルキャンプ、ロボット導入FS等)

1 億 円

(100万円)

支援者

定額補助

 

補助予定件数

約3万件(1件当たりの補助申請額によって予定件数の増減あり)

【前年度(平成30年度)補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金実績】

採択数9,531件/申請数20,803件

今回のものづくり補助金のポイント

☑採択数は3年間で3万社程度

☑Jグランツ(補助金電子申請システム)の利用必須(※)

☑経営革新計画の承認はできればほしい(地域によってはかなり難しい)

☑事業継続力強化計画(BCP)認定は必須(全国同じでそこそこ難しい)

☑賃上げは必須

☑賃上げ表明に偽りや目標未達があった場合は補助金返還の可能性?

☑公募開始時期は3月以降

☑経営力向上計画、先端設備等導入計画は加点無し?

☑3カ月に一回ずつ採択発表(3カ月ごとの公募)

※Jグランツで補助金を申請するためにはGビズID(gBizプライム)の登録が必要で、発行まで2~3週間かかります。ミラサポはお役御免でしょうか…

 

ものづくり補助金の公募開始予定はパンフレットによると、一般型が3月頃、その他の類型は4月以降順次開始予定とされています。詳細が公表され次第、随時当ホームページにてアップしていきます。

 

※本稿は独立行政法人中小企業基盤整備機構「令和元年度補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業」に係る事務局の公募」から引用しておりますが、補助を受けようとする事業者に対する公募要項の告知までに変更されることがあります。

(引用:中小企業庁『令和元年度補正予算「中小企業生産性革命推進事業」に係る補助金事務局の募集が開始されました(令和2年1月23日』)

おまけ

ものづくり補助金以上に知られていませんが、ものづくり補助金は平成10年から施行されている新事業創出促進法におけるSBIR特定補助金の指定を受けており、ものづくり補助金の採択を受けると補助金が受給できるだけでなく総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省の7省で連携する「中小企業技術革新制度(SBIR)」という支援を受けることができます。日本政策金融公庫の低金利融資(激アツ)、中小企業信用保証制度の債務保証枠の拡大、公共事業の入札参加資格や特許料の減免等、おまけというにはあまりにも大きな特典がセットで付いてきます。

令和2年度は予算の倍増など、政府による中小企業の生産性向上の支援は強化されていることが明らかなことから、補助金を利用するのとしないのでは大きな差がつきます。いままであきらめていた事業主の皆様も今年は積極的に活用していきましょう!!

当事務所の特徴

認定支援機関や経営コンサルタント(中小企業診断士等)、弁護士、税理士、公認会計士、行政書士などの専門家と連携し、中小企業に補助金・助成金の活用や金融機関からの資金調達コンサルティング、資金繰り改善など多様なご依頼とご相談に対応できるようネットワークを構築しています。

当事務所の公的補助金申請サポートは一社一社に満足いただけるサービスを追求するため対応できる件数には限界があり、受注は先着順で締め切りさせていただくことがあります。補助金・助成金に関するご予約や補助金申請に加点される事業継続力強化計画(BCP)認定サポートは随時受付しておりますので関連ページをご確認の上お問合せください。

 

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