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労働条件通知書?雇用契約書?そんなの無いけど何か問題でも?

2020/01/29

転職シーズンに差し掛かりつつあり、皆様の会社にも新しい従業員を迎え入れる準備を行っているころと思います。

従業員が入社することになった場合には法律上、従業員と会社の間で雇用契約が成立することになります。多くの会社では「雇用契約書」を用意していますが、規模の小さな中小企業では「雇用契約書」を締結していなかったり、「労働条件通知書」との違いがわからない、または混同しているところも多いようです。

何せ私も4回転職経験がありますが、そのうち3回は雇用契約書も労働条件通知書も渡されない会社でしたので、きっと偶然ではないはずです。

労働条件通知書と雇用契約書とは

「労働条件通知書」は、雇用契約を締結する際に事業主から労働者に対して開示する義務(労働基準法第15条)のある事項を記載した書面(労働者が希望した場合にはFAXや電子メールなどの電気通信も可)を指し、「雇用契約書」は労働者との雇用が成立する際に事業主と労働者の間で締結する契約書です。雇用契約書は法律で締結が定められたものではなく、労働条件通知書とほぼ内容が一致しているため、労働条件通知書の要件さえ満たしていれば法律上は口約束でも雇用契約は成立し、雇用契約書は不要となりますが、「聞いてない」や「書面を受け取っていない」などのトラブルを予防するために雇用契約書を締結しておくのが安全です。

実務上は「労働条件通知書(兼)雇用契約書」として作成することも多く、二部印刷してそれぞれで保管しているのが一般的です。新米の頃は働く人が読みやすいようにA4で1枚にまとめろと口酸っぱく上司に言われましたが、1枚にまとめるのは結構大変です。1枚にまとめられたシンプルで無駄のない美しい雇用契約書があればそれだけで良い会社のような気がします。そんなわけありませんが。

雇い入れ時に書面で明示しなければならない主な事項

明示しなければならない事項《絶対的明示事項

☑労働契約の期間

☑就業の場所

☑従事する業務の内容

☑始業・終業他労働時間に関する事項

☑時間外労働の有無

☑休憩、休日、休暇等

☑賃金の決定・計算・支払の方法、昇給事項

☑賃金の締め切り・支払の時期に関する事項

☑退職(解雇)に関する事項

制度がなければ明示義務の無い事項《相対的明示事項》

☑退職手当が適用される労働者の範囲、決定、計算、支払、支払時期

☑臨時に支払われる賃金、賞与など

☑労働者が負担する食費、作業用品その他

☑安全、衛生に関する事項

☑職業訓練に関する事項

☑災害補償、業務外傷病扶助

☑表彰、制裁

☑休職

※相対的明示事項は口頭でも構いませんが、従業員との信頼関係に関わることですのでできる限り書面にすることが望ましいでしょう。

短時間労働者の絶対的明示事項

☑昇給の有無

☑退職手当の有無

☑賞与の有無

☑相談窓口

期間の定めがある場合(契約社員)

☑更新の有無と更新の基準

派遣労働者に対して明示が必要な事項(いずれか)

☑派遣労働者の派遣料金額

☑事業所における派遣料金の平均額

※これらの他にも就業規則等で定めがあれば明示義務があるものがあります

 

労働条件の明示義務を怠ったペナルティ

労働条件通知書を渡していない、口頭でしか行っていないなどで労働条件の明示を怠った場合には企業の罰則規定が設けられており、労働基準法第120条にて30万円以下の罰金が科せられることがあります。明示義務違反だけで監督署が処分することは少ないようですが、罰金よりも採用難。労働条件がよくわからない会社ではせっかく来てくれた従業員がすぐに辞めてしまうかもしれません。

 

さて、そこで先に申し上げたように、なぜ労働条件通知書や雇用契約書を渡さない会社が多くあるのでしょうか。

①そもそも知らない

これは事業主として由々しき事態ですが、実は結構多いです。それは、創業間もない時は気心の知れた半分身内のようなメンバーで構成されていることがほとんどでトラブルも少なく、労働に関する専門家である弁護士や社労士と相談の機会が少ないことがあると思います。就業規則の作成が義務付けられていない従業員10名以下の事業所では労働条件通知書が無いことも多く、求人票を見ていると、「この会社には雇用契約書がないんだろうなぁ」とすぐにわかってしまう会社もあります。新たな従業員を募集するための求人票を作成する場合には労働条件をしっかり確認したうえで作成することが必要ですが、「とりあえず先に求人」の会社も多くあるのが実態でしょう。雇用契約書が無いと従業員は不安ですよ!

 

②締結するとリスクがある

こちらも意外に多く、労働条件通知書や雇用契約書を締結することを嫌がる事業主がいます。法律上義務付けられているとはいえ、実刑を食らうことは無いと高を括るのでしょう。また、正確な情報を開示すると従業員から不備や誤りを指摘された際に鬱陶しいと思っているのかもしれません。雇用契約書は事業主と従業員のお互いが行き違いの無いよう確認する意味もあり、お互いを守るためのものです。締結しないリスクと締結するリスクは比べるまでも無く、法律云々を無視しても雇用契約書は締結しておくべきです。しかし飲食店などのサービス業は本当に雇用契約書の無いところが多いです・・・。そういえばフリーターしてた頃のバイト先から雇用契約書は一度ももらったことありませんねぇ。20年以上前ですが。

 

③作成するのが面倒で必要性を感じない

自社の労働環境に自信を持っており、わざわざ書面で締結しなくても「家族」なので必要無い。と思っている事業主もいることでしょう。確かに一人一人の労働条件通知書や雇用契約書を作成するのは手間がかかります。しかし、間違いがあった場合に間違えたでは済みません。家族経営であれば問題ありませんが、他人を採用するということは家族関係ではなく雇用契約関係ですので、めんどくさがらずに作ってください。

 

④本人が拒否した

そんな人いるでしょうか。いませんね。それは嘘でしょう。(実際にそういう事業主に会ったことがあります。)私は警察じゃないんだから嘘つかなくても。いや、警察にも嘘はついてはいけません!

 

⑤雇用関係助成金を知らない

従業員の採用に積極的に取り組む企業には厚生労働省による助成金を受給することができますが、助成金を受給するためには就業規則や雇用契約書などを整備することが要件となります。ああ、勿体ない。

 

嫌なトラブルを防止するためにも雇用契約書は締結しておくのが最適

言うまでも無く事業活動は従業員たちによって支えられており、従業員に職場のルールを守り納得して働いてもらうためには雇用に関する約束事は欠かせません。また、問題が発覚した場合や言った言わないのトラブルになった場合に雇用契約書が存在しない場合には事業主はかなり弱い立場に立たされ、深刻な状態になることもあります。例えば極論、有期雇用のつもりでも有期雇用を証明できませんし、残業の有無を記載していなければ残業させることはできませんし、就業時間は自由ということにも、、、それは厳しいか。とにかく、従業員たちが不安なまま働いているようでは「心理的安全性の高い職場」とはいえず、当然にパフォーマンスも低下することでしょう。社員のやる気は規則から!やる気がない従業員がいると思ったら規則を見直しするのが労務管理の基本です。

雇用契約書は企業独自のノウハウや失敗の積み重ねによって創意工夫されており、雇用トラブルの多くは雇用契約書の不備によるものが挙げられます。今一度、新たな従業員の雇用を考えているときには労働条件通知書と雇用契約書の見直しをおすすめします。➡小規模事業者の就業規則作成サービスはコチラ

 

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