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サバティカル休暇導入の注意点!せっかくの制度が逆効果に!?

2019/05/27

最近やたらと注目度の高い福利厚生制度『サバティカル休暇』

使途理由不要の長期休暇を指す言葉で、日本のサラリーマンにとっては夢のような話だが、夢とならないように導入は慎重に考えた方がよさそうだ。

良い面ばかり見て手放しで制度を導入すると、社員を想ってのつもりが結局社員のためにならないのが福利厚生制度。結婚祝い金や出産祝い金などのように独身者やDINKS、事実婚者、性マイノリティーを無視してよく考えずに思いつきで実施してしまったが大した効果もなくひっそりと姿を消すような恥ずかしい制度とならないよう、不公平の配慮や規則上の扱いについてはしっかり検討しておく必要がある。

 

●社会保険の自己負担額徴収方法

●行ったっきり社員の離職手続き

●有給休暇の出勤率

●就業規則の変更

●人員補充

 

まずは社会保険の自己負担額徴収方法についての前に、休暇期間中の給与扱いについて考慮する必要があるが、例えば一定期間勤続者に対して自動的に付与するような功労報奨的性質のものであれば有給だろうが一時金を支給しようが問題ないが、希望する従業員にだけ適用するような条件付き制度であればやはり有給取得を除きノーワークノーペイに則り無給がよい。有給休暇の出勤率算定もバランス的には不算入(不出勤扱い)が妥当だろう。例外を扱うと制度は瓦解する。長期休暇期間中も給与を支払う会社が存在するが、従業員が相当数存在する会社であれば一人くらいの給与など分散されて気にならないが、50人程度の企業であればやはり不公平感はぬぐえない。それから社会保険は加入し続けることになるため自己負担額の徴収方法を検討しなければならないが、長期休暇の際には本人から後日振込させるか、持参させるしかない。持参という方法も休暇期間中の報告と兼用すれば便利かもしれないが、いちいち持参させることがサバティカル的かというとどうやら違う気がする。振込させるのがよさそうだ。

行ったきり従業員が社会保険料を「滞納」したまま飛んでいくことも考慮しなければならない。この場合は非常に難しい問題となる。本人が不払いだからといって会社は社会保険料の納付を免除されることはないため、通常の督促業務が必要だ。ということは、踏み倒された場合も考慮しなければならない。まぁ適当な損金計上で頑張って処理できるが、事業主としては良かれと思った制度が数名の滞納者によって気分の悪い制度となり下がることもあり得る。

現行法上サバティカル休暇は労働者の権利ではない。つまりは会社の許可をもって実施する制度となるが、許可申請の際にかなり神経質な申請書を作成しておかなければ使い物にならない。人事労務担当者は知っておかなければならないが、行ったっきり音信不通行方不明従業員の退職手続きは非常に難しい。予定日になっても出社しない、帰ってこないというだけで解雇、離職扱いはできないため、理由なく復職しなかった際には退職扱いとなる誓約書も兼用したほうがよさそうだ。なんだったら復帰しなければ退職しますと「停止条件付退職届」を書かせてもよさそうだが、喜ばせたいのか脅迫したいのかどっちかわからなくなってくる。やはりサバティカル休暇導入の最大のデメリットは、復職しない人間が発生する点にある。資格取得や学びなおし、留学やボランティアなど、個人のキャリア形成を目的とした使用ならば、休職中に気が変わって戻る気がなくなることは容易に想像できる。立派になって、帰ってきてくれれば御の字。立派にはなったが、帰っては来ないのが通常とも考えられる。それでも良いと人格高き経営者ならば素晴らしいが、おいおい、休みの間にも給与払ってたのに戻ってこないってどういうこと?ともなりえる。ヘッドハンティングされて競合他社に転籍したなら紛争レベルだ。そういえば、会社負担で海外留学した従業員がそのまま戻らず留学費用の返還をもとめた訴訟があったが、美しい善意も、過度に期待すると恨みに変わるのが世知辛い。

中小企業でも張り切って導入している会社をちらほら見受けられるようになってきたが、規模が小さくなるほど離職と休業欠員の影響は大きい。キャリアの長い従業員ならばより同僚へのしわ寄せも大きく、社長は恰好付けて横文字休暇に喜んでいるが、従業員は青い顔をしていることになっていないだろうか。また簡単に欠員補充が可能だろうか。会社から押し付けられるお互い様精神ほど恐ろしいものはない。常に誰かに不公平は発生しており、考えることをやめた結論がお互い様精神だ。

まぁ辞めるの一択だったものが、長期休暇という選択肢が一つ増えることで「戻ってくれればラッキー」程度に考えておくことが事業主の健康精神経営にはちょうど良い。

さて面倒な実務上の事務手続きであるが、やはり就業規則の変更は必要で、規則変更と聞けば事業主はビクッと構える。規則変更は有益な変更なら問題ないが、縮小や廃止となると大変な労力が要る。そういえば、住宅手当を廃止して借り上げ社宅制度を導入したいと超大手企業からオファーを受けて人事部と一年がかりで相当頑張ったが、ごく一部の持ち家社員の大反発で白紙になった苦い過去を思い出す。

零細企業であれば規則など明記せずに事実上実施するということでも良いが、事業活動の最も重要な秩序維持に甘い考えでは運営に支障をきたすことは経営者ならば理解している。サバティカル休暇ヤッホーイで喜んでいるのは労働者だけで、事業主は従業員が喜んでくれるような多様な組織づくりのためしっかり配慮した制度(ルール)づくりに知恵を絞ることが必要だ。

そういえばわが社でも映画鑑賞料会社負担という謎の制度があるが、一度キリでひっそりと姿を消しそうな恥ずかしい制度がある。

 

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