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スーパーフレックスタイム制度って何!?大企業も続々導入!

2019/12/06

働き方改革に伴う労働基準法改正によって、2019年4月からフレックスタイム制の清算期間が従来の1か月から3カ月へ延長されたことに伴って、さらに柔軟な働き方を可能にする「スーパーフレックスタイム制」が注目を集めています。ソフトバンクやNECなど超大手法人でもコアタイム制度を廃止したスーパーフレックスタイム制度の導入を表明しており、大企業や中小企業でも導入する企業が増加していると言います。

企業の勤務時間と言えば午前9時に出社、18時に退社といったように、従業員は一律で同じ時間帯で働くことが一般的ですが、フレックスタイム制は一か月単位や一週間といった、「一日以上の単位」でどれくらい働くのか総労働時間の枠組みを決めておき、その範囲内であれば個人の都合で働く時間を自由に決めることができます。

フレックスタイム制は出勤時間が自由で憧れの働き方ではありますが、運営上の制約や法律の規制、当然に様々なデメリットもあります。よく確認したうえで導入を決定しましょう。

フレックスタイム導入の手順

フレックスタイム制の導入には「就業規則の記載」と「労使協定の締結」2つの手続きが必要です。

☑就業規則への記載例

フレックスタイムを導入するためには就業規則への記載が必要となります。

コアタイム

コアタイムは、「出勤しておかなければならない時間帯」を定める方式で、現在フレックスタイム制度を導入するほとんどの企業でコアタイムを設けています。法律上定められているものではありませんが運用の便宜上コアタイムを定め、会議などのミーティングや重要な連絡事項のために充てています。

コアタイムを設けないフレックスタイム制を「スーパーフレックスタイム制」と呼ぶことがあります。スーパーフレックスタイムにする場合には、規則の記載に「コアタイムは設けない」との一言だけ記載することになりますが、24時間営業にならないように限界時間の枠組みに工夫が必要になります。

フレキシブルタイム

フレキシブルタイムは、労働者が自らの選択によって労働時間を決定することができる「時間帯」を言います。フレキシブルタイム中に中抜けをすることもできます。フレキシブルタイムは必ず設けなければならないものではありませんが、フレックスタイム制の趣旨や効果を高めるためには導入を検討してみ良いかもしれません。

☑労使協定の定め

①対象となる労働者の範囲(全従業員なのか、限定するのか)

②清算期間(法改正によって1か月→3カ月まで可)

③清算期間における総労働時間(清算期間における所定労働時間)

④標準となる一日の労働時間

⑤コアタイム(任意)

⑥フレキシブルタイム

(遅刻や欠勤は無い?)
フレックスタイム制は一日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて労働しても、直ちに時間外労働(割増賃金の支払)とはならず、一日の標準労働時間に達しない時間も欠勤や遅刻扱いとなるわけではありません。規則で定めた清算期間における実際の労働時間が清算期間における法定労働時間の総枠を超えたり足りなかったりした場合に、時間分の割増賃金支払や勤怠控除で精算します。なお、清算期間を通じた総枠の労働時間で時間外労働を行わせる場合には36協定の締結が必要です。実務上はフレックスタイム制度を導入するのに36協定は必須となります。

法定労働時間総枠の計算方法

法定労働時間の総枠 = 1週間の法定労働時間 × (清算期間の暦日数÷7)

一か月を清算期間とした場合の法定労働時間の総枠は以下の範囲内としなければなりません。

清算期間の暦日数 1か月の法定労働時間の総枠
31日 177.1時間
30日 171.4時間
29日(閏年) 165.7時間
28日 160.0時間

※特例措置対象事業場については週の法定労働時間が44時間となるため、44時間に置き換えて計算します。

【注意!!】

清算期間が1か月を超える場合には、労使協定を所轄の労働基準監督署長へ届出しなければなりません。違反者には罰則(30万円以下の罰金)に科せられることがあります。

精算期間の過不足の処理

清算期間で定めた総労働時間と実際の労働時間に過不足が生じますので、賃金の清算を行う必要があります。法改正前までは清算期間の上限が1か月と定められていたため一か月単位で精算を行わなければならず、正しく厳格な運用を行っている事業者ほど過不足にならないよう実労働時間を無理に調整するという状況がありました。清算時間を延長することによって2カ月、3カ月といった期間で調整が可能となり、使い勝手が高まっています。

フレックスタイムのメリット

★通勤ラッシュの回避

★柔軟な働き方ができる

★オーバーワークの調整ができる(デメリットにもなる)

★平日など空き時間を作ることができる

★仕事のメリハリ

★共働き子育て世帯の家事分担

★閑散時期の調整

フレックスタイムのデメリット

★従業員の自律意識に依存

制度上の注意点

フレックスタイム制は労働者の柔軟な働き方や生産性の向上を目的とした制度のため、直接的・間接的に趣旨を妨げるような運用を行うと「名ばかりフレックス」として制度自体が無効とされる可能性があるため注意が必要です。

・コアタイム比率があまりにも長い

・コアタイムが実態の始業・終業時刻とされ労働者が自由に定めることができない

・始業・終業時刻の一方だけを労働者に委ねる

・過大な労働時間の義務がある(「一日8時間は労働しなければならない」など)

・出社時刻と退社時刻を前倒しする「時差出勤」との混同

全従業員の労働時間管理が義務付けられています

フレックスタイム制は社員が自由に始業・終業時刻や一日単位の労働時間を決定できる制度ですが、だからと言って会社の管理が不要というわけではありません。フレックス制度のような自由な制度を放任すると、必ず悪用する会社が現れ、また既に多くの会社でも疑わしい制度の運用方法を行っているところがあります。

会社は実際の社員の「実労働時間」の管理を把握する義務があります。みなし労働時間制度のように、労働時間管理が不要になるので決まった時間で記録しておけば問題ないと思っている経営者もいるかもしれませんが、実労働時間の把握によって労働時間管理と賃金精算を行わなければなりません。スマートフォンでも利用可能なクラウド勤怠ソフトでも対応できるものがリリースされているためIT機器の導入で管理するのが一般的ですが、フレックスタイム制は始業・終業時刻の打刻がルーズになりがちです。好きな時間に出勤できることを「好きなことをしても良い」と混同されないよう、制度の説明はしっかり行う必要があります。

自分で業務開始時間を設定したり、帰社時間を調整することが直ちに悪いとはなりませんが、監督署の臨検や紛争となった場合には基本的に「勤怠打刻時間」を基準として判断されます。他のメンバーとプライベートの用事で待っていたり、出勤して他のメンバーを待っていたり、出勤しているのに仕事を開始していないが打刻は行っているなど、打刻時間と労働時間に大きな差が生じることの無いよう、正しい打刻時間を指導したり、制度自体を許可制としたり、不適切利用者には制度を制限したりなどで「自由ではあるが厳格な規律」の設計が必要です。

フレックスタイム制度に向いている業種とは

技術的な業務を個人の裁量に大きく任せている研究・開発者やデザイン事務所、エンジニアのような職種には向いていますが、営業職やチームで行う法人間取引(BtoB)の他、サービス業や小売、商店では適していないと言われています。しかし、例えば、製造系の業種なら製造部門と技術部門があり、小売業なら仕入れと販売部門があります。フレックスタイム制度を許可制にすることや、極端な例ですが1名だけの利用も制度設計次第で可能なため、従業員の多様な働き方推進の方法として自社業務を見直しすると意外な発見があるかもしれません。

おわりに

フレックス制度は要件的な形式を備えるだけでなく、自社に合わせた技術的な問題があるため、専門家のアドバイスを受けずに導入すると思っているような効果が見込めず、またトラブルとなることになります。多様性(ダイバーシティ)のある職場や働き方に効果の高いことは間違いありませんが、実態として機能せず形骸化していたり、法適合性に疑いのある会社も多くあるため安易な考えで制度を導入して失敗しないよう慎重な検討が必要です。

なお、フレックスタイム制は労務管理の基本中の基本のため、弁護士はもちろん、社労士でその分野に詳しくない人はいませんので導入を検討する場合は相談してみることをおススメします。

 

(フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き:厚生労働省リンク)

https://www.mhlw.go.jp/content/000476042.pdf

 

フレックスタイム制度導入に関するご相談は

➡メール相談・お問合せフォームへ

☎06-6306-4864(平日10時~18時)

※しつこい営業、無理な勧誘は一切いたしません

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