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営業社員のモチベーション向上と節税対策なら出張旅費規程の作成!

2019/09/16

出張旅費規程が節税と営業社員のモチベーションアップに!?

事業活動を行う上で他県や海外などへの営業活動は避けることができません。営業社員たちの頑張りは会社の売り上げに直結するため、モチベーションを上げて仕事を取ってきてほしいと願うのはどの会社でも同じですが、営業社員たちの不満や不公平感が無いような制度作りを行っていますか?出張へ行けば飲みたくなくてもコーヒーは飲むし、夏はドリンク代だけでも馬鹿になりませんし、宿泊となれば外食となり余計な出費がかさんでいますが自腹で支払いさせていませんか?事業主の皆様が知らない間に不満や不公平がたまっていると、いずれ大切な従業員を離職によって失うことになります。中小企業では、交通費は支給できても一人での飲食を経費計上することはできないと思いこんで別途営業手当などを支給していることが多くあります。営業手当はご存じ、所得税も社会保険料も控除の対象となりますが、日当が支給できて清算手続きを簡素化できるうえ、節税と社会保険料がかからない方法が『出張旅費規程』の作成です。

出張旅費規程

税法では、出張で通常必要とされる費用の支給を行っても非課税として扱うこととされています。

(非課税とされる旅費の範囲)9-3 法第9条第1項第4号の規定により非課税とされる金品は、同号に規定する旅行をした者に対して使用者等からその旅行に必要な運賃、宿泊料、移転料等の支出に充てるものとして支給される金品のうち、その旅行の目的、目的地、行路若しくは期間の長短、宿泊の要否、旅行者の職務内容及び地位等からみて、その旅行に通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲内の金品をいうのであるが、当該範囲内の金品に該当するかどうかの判定に当たっては、次に掲げる事項を勘案するものとする。(平23課個2-33、課法9-9、課審4-46改正)
(1)その支給額が、その支給をする使用者等の役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか。
(2)その支給額が、その支給をする使用者等と同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものであるかどうか。

健康保険及び厚生年金保険上の報酬は、「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受ける者および3月を超える期間ごとに受けるものはこの限りではない(健康保険法3条・厚生年金保険法3条)」とされています。少し混同して難しくなりますが、勤務に要する『通勤交通費』は支給の自由が使用者側にあり「その実態が経常的実質的収入の意を有する」として報酬(給与)扱いとされていますが、出張旅費や宿泊費は「事業主が負担すべきものを労働者が立て替えているだけ」の実費弁償と考えられるため報酬として扱いません。

費用を概算で精算できる

出張時の公共交通機関、新幹線などの交通費や宿泊代を会社で直接支払うとそれで経費精算は終了しますが、出張旅費規程でルールを定め、出張に要する費用として出張者に対して相当の金額を支給することで、非課税扱い、社会保険料負担の無い支給を行うことができます。出張者の負担を考えると、外食費や着替えの用意、軽食など通常経費として落とせない余計な費用が発生しており、業務命令によって遠方へ行かされる人からすれば、十分な補填と少しぐらいのインセンティブが無ければ『出張に行くと損』となり、不満が高まるケースにもなります。『出張旅費規程』で定めることで細かい実費精算を要することなく、一律の基準額を支給することができます。

メリット

☑国内出張は課税仕入れ扱いとなるため、消費税の納税負担を抑える効果につながる

☑食事や軽食など必要な雑費も領収書無しで補填できる

☑給与扱いにならないため所得税、社会保険料がかからない

☑実際にかかった費用が安く済んだ場合でも差額は個人が自由に使える

デメリット

当然、支出が伴うため過大な支給額を設定するとキャッシュフローに悪影響があります。しかし、出張旅費規程は営業活動に必要な経費の実費弁償的性質の面が強いため、経営の悪化によって制度の見直し・廃止を検討しなければならなくなった場合でも、労働契約法上の不利益変更を問われることは想定されず、大企業でなければ事業主側の一方的な減額、廃止も難しくありません。

出張旅費規程の要件

✅全社員を対象とすること

✅出張者個人で支払いすること

✅カラ出張を疑われない根拠を残すこと

出張旅費規程(ひな形)

《出張旅費規程(ひな形サンプル)》

(適用)
第1条 この規程は、社員が業務を遂行するため出張する場合の手続および旅費に関して定めたものである。
(出張の定義)
第2条 出張とは、勤務地または自宅を起点として、目的地までの距離片道〇〇km以上の場所に移動し職務を遂行するものをいう。
(出張の区分)
第3条 出張は、出張をする社員の勤務地または自宅を起点として次のとおり区分する。
(1)日帰り出張  日帰り出張とは、片道〇〇km以上の目的地に赴き、宿泊を必要としないものをいう。
(2)宿泊出張  宿泊出張とは、片道〇〇km以上の目的地に赴き、宿泊を必要とするものをいう。
(出張旅費)
第4条 本規程でいう出張旅費とは次のものとし別途定める定額を支給する。
(1)交通費
(2)宿泊費
(3)日当(日帰り出張・宿泊出張)
(交通機関)
第5条 利用する交通機関は原則として、鉄道、船舶、飛行機、バス、レンタカーとし、やむを得ず自動車、タクシーを利用する場合は所属長の承認を受けなければならない。
(長期出張)
第6条 長期間(〇日以上)連続して出張した場合は規程によらず別途支給することがある。
(出張期間中の労働時間と休日の取扱)
第7条 出張期間中は通常の時間労働したものとみなす。
2.所定休日に業務活動を行った場合は休日勤務とみなして扱う。但し、移動のみに要した休日は勤務として扱わない。
(出張手続きと仮払い)
第8条 業務上出張が必要な場合はあらかじめ上長の承認を得たものに限り仮払いを受けることができる。
(出張報告および旅費の精算)
第9条 出張業務が終了した場合、帰社後速やかに次の書類を提出し、旅費の精算を行なわなければならない。
(1)出張報告書
(2)出張旅費精算書(領収書を添付)
(3)その他指示を受けた報告書
(交通費の計算)
第10条 交通費は、本規則に従い利用した実費を支給する。
(宿泊費の限度額)
第11条 出張による1泊当り宿泊費の限度額は次のとおりとする。
(1) 一般職 8,000円
(2) 管理職 12,000円
(3) 役 員 15,000円
(日当の計算方法)
第12条 日当は1日につき次に定める金額とし、出発の日から帰着の日までの日数によって計算する。
(1) 一般職 4,000円
(2) 管理職 6,000円
(3) 役 員 8,000円
(その他)
第13条 その他、本規程で処理できない場合は、その都度協議にて処理する。

附 則
この規程は、令和元年○月○日から適用する。

他に対象となる営業社員がいるにもかかわらず出張旅費規程を役員だけに適用させると税務調査の際に否認されますが、社長一人しかいない法人や家族経営の場合は事実上全員に適用されていることになりますので問題とされることはありません。また、出張の範囲は自社で自由に設定することができますので、例えば10km程度の短い移動も規程に明記すれば出張として扱うことができます。

おわりに

出張旅費の金額については社会通念上とされ、明確な基準が定められておらず、また専門家によって意見は様々です。当社が関与した大企業では役員の国内出張日当で10万円をこえる金額を支給していたところもありますが、中小企業では上限で1~2万円程度が限界の範囲かと思います。企業規模や役職者の所得金額のほか、適用範囲の全体を考慮した『社会通念上』のラインは慎重に検討しなければなりません。あくまでも税務上出張旅費は「少額不追及」扱いされているだけであり、本制度を悪用して過度に納税を逃れたり、役員だけが私腹を肥やすようでは指摘され重いペナルティになることもあります。出張旅費全体が高額であれば税務調査官からも調査時に必ずチェックする項目と言われていますので、あまり派手にやりすぎないようにすることが何事も大切です。

出張旅費規程は事業主の節税を目的として利用されることが多い制度ですが、営業社員はスーツや靴が直ぐに傷みますし、休憩中の飲み物、その他簡単な軽食や会食など、内勤者からすると無駄なように見えますが営業社員にとっては必要な経費が様々かかっています。大切な営業社員のモチベーションを高めるため、数千円程度の支給でも出張旅費規程の導入を検討してあげてはいかがでしょうか。

 

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