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イデコプラスの導入を検討する中小企業が増加中(就業規則の見直し)

2021/08/03

今年にはいってから『イデコプラス(iDeCo+)』に関する相談やお問い合わせが増えました。

従業員の要件が拡大(100人以下⇒300人以下)されたことや、年齢制限の緩和(60歳未満⇒任意加入被保険者)など、制度上の大きな改正がさまざまなメディアで取り上げられたほか、税法上の高い優遇措置に注目した税理士・FP事務所や保険会社が企業への手土産情報として案内していることもあり、最近は10人程度の小規模事業所でも「聞いたことはある」ところも増え、一気に注目度が高まったように思います。転職時も「持ち運び(ポータビリティ)」できる利便性から、入職希望者からイデコプラスは導入しているか質問された企業もあるのではないでしょうか。

※iDeCo+(イデコプラス)とは「中小事業主掛金納付制度」の愛称で、企業年金を実施していない中小企業の事業主が、iDeCoに加入する従業員の掛金に上乗せして事業主が掛金を拠出する確定拠出年金法で定める制度です。

日本の年金制度における確定拠出年金制度の位置づけ

日本の年金制度は、大きく、公的年金と私的年金に分けられます。公的年金は老後生活の基本を支えるもので、私的年金は公的年金と相まって国民の老後の所得確保を図るものです。「人生100年時代」が到来し、長期化する老後に備えるため、公的年金に加え私的年金の重要性が高まっています。(イデコプラス導入ガイドより)

公的年金 私的年金
●国民年金

国民年金はすべての国民が加入する強制の制度で、加入者は職業等によって第1号被保険者(自営業者等)から第3号被保険者(被扶養者)に分けられます。

●厚生年金保険

厚生年金保険は、国民年金の第2号被保険者に該当する会社員や公務員が加入する制度で、国民年金に上乗せして厚生年金を受け取ります。

●企業年金

企業年金は、企業が従業員の老齢期の所得確保のために実施する年金制度であり、「確定給付企業年金」のほか、「確定拠出年金の企業型年金」、「厚生年金基金」など、企業年金の実施の有無は企業によって異なります。

●個人年金

個人年金は個人が任意で加入する年金制度であり、民間の保険会社などが実施している個人年金保険の他、自営業者など国民年金の第1号被保険者を対象とした国民年金基金や、国民年金の被保険者全体を対象とした今回のiDeCo(イデコ)などがあります。

 

イデコプラス導入のメリット

iDeCoプラスを導入するためには、企業規模が小さく、また他の企業年金を実施していないこと(※1)が要件となりますが、従業員の採用や定着への効果以外にも、様々なメリットがあります。

  • 個人の拠出分が所得控除、事業主掛金も現物給与扱い不要
  • 事業主の拠出金は全額損金
  • 事業主が運用結果の責任を問われない
  • 事務コストがあまりかからず、労使合意によって変更も可能
  • 役員も対象にできる(※2)
  • 全従業員でなく、勤続年数や職種で対象を設定できる(※3)

(※1)2022年10月より制限が撤廃され、企業型DCとiDeCoの併用が可能となります

(※2)一人社長や家族経営の場合にはイデコプラスを導入し、掛金相当額を役員報酬等から置き換えると税負担が少なくなるため効果的で全く問題の無いホワイト節税商品として注目されています。病院経営者など富裕事業者層を対象とした節税セミナーでイデコプラスを紹介されることも多いようです。

(※3)就業規則等や労働協約で区分を規定する必要があります。

 

事業主はいくら負担すればいい?

イデコプラスは事業主と対象者どちらか一方の掛金をゼロにすることはできませんが、1,000円単位での拠出が可能であり、また事業主と加入者の負担バランスも自由ですので、合わせて5,000円以上23,000円以下であれば、事業主の負担は1,000円でも問題ありません。事業主の負担額はともかく、退職金制度や企業年金制度を導入している中小企業はコンプラ意識が高く従業員を大切にする企業が多い印象です。コンプラ意識の低い会社はまず確定拠出年金制度を知りません。

「一定の勤続期間」で掛金を上乗せしたり、逆に一定未満は対象外としたり、「一定の職種」によって掛金に差異を設けることも認められる高い柔軟性も人気の一つですが、実務では『労働協約又は就業規則等における給与および退職金等の労働条件が異なるなど合理的な理由がある場合において区分する資格』とされる要件がなかなか理解しづらいですが、要するに社内で明確に区分されたルール(書面)が存在していることが必要ということです。(厚生局による判断になります)

 

イデコプラス導入の検討

✔step1⃣ 導入できる事業所要件を満たしているか

✔step2⃣ 制度はいつから開始するか

✔step3⃣ 制度の範囲(資格対象者)と事業主掛金の検討

✔step4⃣ 労使協議と過半数代表者の同意取り付け

✔step5⃣ 各種届出書類の作成・提出

✔step6⃣ 制度の実施

『過半数代表者』とは、以下①②のいずれにも該当する者でなければなりません。
①管理・監督の地位にある者でないこと。
②労使協定の締結等をする者を選出することを明らかにして実施される投票・挙手等の方法により選出された者であって、事業主の意向に基づき選出されたものでないこと。

社内で新制度を導入する際は労使協定や不利益変更該当者への緩和措置など頭を悩ませる面倒な手続きでハードルが高いものも多くありますが、こちらのイデコプラスの導入は比較的受け入れやすく不利益変更該当者もほとんどないため、「イデコプラス導入ガイド」を読みながら手続きするだけで簡単です。あえていうなら、就業規則の見直しだけがやや難しいかもしれません。無料でダウンロードできるイデコプラスの記載例はネット上にはほとんど無いので、ガイド等を参考にしながら自社で作成するしかないようです。

日本経済新聞はじめ大手メディアで取り上げられることも多く、拠出時、運用時、受給時の3段階の税制優遇から「節税投資の王様」とも呼ばれるiDeCo(イデコ)はいわゆる老後2,000万円問題の解決方法としても注目されていますし、大切な従業員に長く働いてもらうための福利厚生制度充実を検討するなら、少ない手間と負担でイデコプラスは「コスパも高く」効果的といえます。転職先の条件としてイデコプラス等の企業年金制度導入企業を条件とする方も増えていきそうです。一方で、イデコハラスメント(イデハラ)などという言葉もあるようですので、制度設計はしっかり考えて導入したいですね。

iDeCo加入65歳まで延長 資産数百万円増の効果も(日本経済新聞リンク)

 

社内規定の整備

就業規則の作成が義務付けられていない10未満の事業所や10人以上で就業規則が未整備でも、人手不足の脱却・人材定着の施策として退職金や企業型確定拠出年金(DC)など訴求力の高い福利厚生制度の導入を検討する企業が増えています。イデコプラスは就業規則の相対的必要記載事項(労基法第89条)に該当し、導入する場合には就業規則の整備・見直しが必要となります。育児・介護や私傷病による長期休業者は規程が無ければ拠出中断ができないなど、注意しなければならない点がいくつかあるため、イデコプラスの導入を検討する場合は顧問社労士等にご相談ください。

当社では、顧問社労士がいない、顧問先が規則作成を扱っていない企業に向けて、就業規則の作成も行っております。お気軽にお問い合わせください。

 

小さな会社の就業規則作成費用のめやす(従業員数10名未満)

内容 報酬(税別)
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  1.  就業規則(本則)
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※従業員数10名以上の企業の就業規則は新規作成150,000円~となります。

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