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罰則付きで義務化!有給休暇を消化させて働きやすい会社へ!

2019/03/10

年次有給休暇の時季指定取得が義務化!

すべての事業場を対象に5日間の有給休暇取得が義務化(2019.4施行改正労働基準法)されます。対象者は正社員、パート等の雇用区分に関わらず、年次有給休暇が10日以上付与される従業員が対象となります。管理監督者として通常は労働時間管理されていない社員も対象となり、まずは最低の日数を取得できる職場環境を整備する必要があります。

《法改正のポイント》

✅10日以上有給休暇を付与した労働者に対して

✅有給休暇を付与した日から1年以内に

✅与えられた有給休暇のうち5日を与えなければならない

✅時期、日数、基準日を労働者ごとに作成し3年間保存(有給休暇管理簿)

と定められます。

本改正によって違反事業者には30万円の罰金(法120条)が適用されることになり、労働基準監督署における調査時(臨検監督)においても有給休暇に関する書類(年次有給休暇管理簿)の提出を求められるようになるため、行政各所からの是正指導や社名公表(『労働基準関係法令違反にかかる公表事案』)など、行政処分を受けることの無いよう中小企業・小規模事業主においても最低限の管理を行うことが求められます。

年次有給休暇とは、休日とは別で、賃金を受け取りながら自らの希望する日に休むことができる労働基準法を基準とした制度(労働基準法第39条)をいいます。入社日から6カ月勤務するなど要件を満たすと自動的に発生し、事業主側によって規則で制限したり、拒否したりすることのできない労働者の権利です。

年次有給休暇の要件

付与要件

1.雇い入れから6か月以上の継続勤務

2.全労働日の8割以上の出勤

以上の2点を満たした従業員に対して、その週所定労働日数に応じた有給休暇が与えられます。

継続勤務

連続する雇用期間を言います。一度退職して日を開けて再雇用となった場合は継続勤務とみなされませんが、定年退職時の再雇用や契約期間を何度も更新したりした場合は実態に即して実質的に判断し、継続勤務として扱うこととされています(S63.3.14基発150号)。

全労働日

就業規則等により定められた所定休日を除き、就労することになっていた全ての日を指します。(休日労働、会社命令による休業、労働組合法等による権利行使により労務の提供が無かった日は全労働日に含まれません。)

出勤日

仕事をすることになっていた日に、実際に仕事をした日を指します。以下の場合は出勤日に含めなければなりません。

◎業務上のケガや病気の療養のために休業した期間

◎産前産後休業、育児・介護休業法に規定された休業をした期間

◎年次有給休暇を取得した日

「出勤日に含めてはいけない」という規定はありませんので、その他の休業日を出勤日として扱うことは法違反になりません。

付与される日数

(通常の労働者の付与日数)

継続勤務年数 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上
付与日数 10 11 12 14 16 18 20

(パートタイム労働者の付与日数)

週所定労働日数 1年間の所定労働日数

継続勤務年数

0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上
付与日数 4日 169~216 7 8 9 10 12 13 15
3日 121~168 5 6 6 8 9 10 11
2日 73~120 3 4 4 5 6 6 7
1日 48~72 1 2 2 2 3 3 3

年次有給休暇の取得(権利の行使)

有給休暇は労働基準法で定められた労働者の権利です。使いたい日を請求(時季指定権)されると、基本的に事業主はその日に有給を与えなければなりません。

しかし事業所全員による一斉取得などは事業の運営上支障をきたしますので、そういった事業の正常な運営を妨げる場合には、ほかの日に変更して与えることができます(時季変更権)。有給を取得した従業員に対して一方的に賃金を減額したり、退職金を減額したり、皆勤手当てをカットしたりなど不利益な扱いをしないようにしなければならないとされています。消化しきれなかった年次有給休暇は翌年に繰り越し、2年の時効をもって権利は消滅します(2019.4.1時点の法律によります)。繰り越し分と新規付与分の消化の優先度は法律上決まりはありませんので、事業場の実務に沿った形で就業規則へ明記しておきます。

労基法附則136条では「有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な扱いをしないようにしなければならない」とされていますが、行政通達(昭63.1.1基発1号)や判例(沼津交通事件:最二小判平5.6.25)においても訓示規定、つまりは強制力のないものとして解されている一方で、他判例(日本シェーリング事件:最一小判平1.12.14)では「労基法上の権利行使を抑制し,ひいては同法が労働者に右権利を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められるような取扱いは公序に違反して無効となる」など、法解釈の足並みがそろっていない。

【時季?時期?】
労働基準法では有給休暇の取得について、一般的な『時期』ではなく、『時季』という字があてられています。これは間違いではなく、法律制定時に「四季のある日本でもバカンスのようにまとまった休暇の取得」を期待して使われています。

年次有給休暇の計画的付与

会社全体や部署、個人を対象に有給休暇の計画を立てて取得させる制度が法律上認められています。大型連休に合わせて取得させるなど、大企業・中小企業の規模を問わずに広く利用されている方法ですが、正しく運用するためには要件をクリアしなければなりません。

①労働者代表の選任(挙手・投票等民主的な方法による決定)

②就業規則への明記

③労使協定書の締結(対象者・日数・具体的方法)

《注意点》

☑すべての有給休暇を取得させることはできず、5日を超える部分のみが対象となります。

☑一度決定した計画付与日を従業員や事業主の都合で変更することはできません。

☑対象グループ内で日数が不足する従業員がいる場合は、休業手当の支払いや別途付与日数を増やすなどの措置が必要です。

☑計画付与日前の退職予定者が時季指定した場合は拒否できません。

年次有給休暇取得日に支払う賃金の額

①平均賃金

②所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金

③健康保険法の標準報酬日額相当額(労使協定が必要)

いずれの方法で支払うこととするかは、就業規則への明確な規定が必要です。

よくある間違い

✅従業員の申請を企業側が許可することで取得できる性質のものではありません。

✅パート・アルバイトの区分を問わず、労働者に該当すれば付与されるものです。

✅有給休暇は一労働日を単位とし、時間の取得の申請があった場合に企業が応じる義務はありません。(規則によります)

✅有給休暇の買い取りは原則法律違反となります。買い取りの要求があった場合でも企業が応じる必要はありません。(※結果的に残ってしまった場合の金銭給付は差支えありません)

その他有給休暇を取得しやすい職場環境のため、事業主により積極的に取り組みが従業員に評価されれば、従業員の定着性が高まり、また採用市場での優位性が確保され、人材不足の解消に大きな効果があります。

【有給休暇の取らせ方(有給休暇消化のコツ)】

◎時季指定は簡易な方法にすること

◎管理者に消化率のノルマを課す

◎残有給を共有掲示板等に張り出す

◎事前届の日数と引き継ぎの義務化(就業規則に明記)

◎有給休暇ポリシーの作成などによる周知

『人手不足で会社が回らない』

『業種的に無理』

『タダで休ませるのは勿体ない』

など、事業主の都合で消化させないことは従業員の不満を招くほか法律違反になり重いペナルティを課せられます。この機会を好機ととらえ、従業員が喜ぶ施策を実施することができれば、モチベーションや生産性が高まり、離職率が減少し、利益に好影響します。恒常的に有給休暇を取得しやすい職場で、常に高い消化率を心がけていればそもそも本改正に対策も不要です。皆様の会社でもぜひ有給消化率の向上に向けた取り組みを検討ください。

 

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