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若手社員に職場のビジネスマナーを身に着けさせる組織運営の基本

2019/10/07

新入社員のモラル意識と社内のビジネスマナー問題

若者のビジネスマナー問題についてはいつの時代でも取り上げられる永遠のテーマといえます。名刺の渡し方、挨拶の角度、訪問時の入室方法、メールの送り状、アポイントのお礼など、相手先に対するビジネスマナー研修は多くの会社で実施されています。

ビジネスのシーンではその相手が信用できる会社であるかどうか、提供される商品やサービスの品質をその会社で働く従業員のふるまいによって判断されることもあるため、特に大きな取引となるBtoBでは従業員には何としてでもビジネスマナーを身につけさせたいと思うのは企業として当然の考え方です。従業員にとっても出世や昇給など見返りが期待できるため、「挨拶ができる」「時間が守れる」「私情を挟まない」など、当然に身に着けておくべきビジネスマナーではありますが、最近では職場内のビジネスマナーについても注目が高まっています。組織の秩序維持、従業員のモチベーション向上、事業の発展のため、従業員にビジネスマナーを身に着けさせる組織運営の基本について、再度確認していきましょう。

人間関係は挨拶が最も重要

社内のビジネスマナーについてこの後も記述していきますが、人間関係で最も大切なのが「挨拶」です。社会でのコミュニケーションを円滑にするためには挨拶が最も重要で、「挨拶さえできていれば仕事の印象は各段に変わる」と考えても過言ではありません。皆様の職場でも見渡せば、上司や部下から信頼を勝ち得ている社員はほとんどが挨拶に何らかの工夫をしている人が多いはずです。「人より大きな声で」「笑顔で」「先に挨拶する」。これら挨拶の基本をクリアしておけば、他のマイナスなどかすんで見えるものです。まずは上位職者から部下へ積極的に挨拶する習慣を身につけましょう。大変多い失敗事例ですが、部下に挨拶させて自分たちは挨拶しない会社で事業所への挨拶の張り紙、朝の唱和を毎日行っても、挨拶が習慣化することはありません。

服装の清潔さ

社内で勝手にネクタイを締めない従業員がいたり、Tシャツで出勤したり、服装については上位職の頭を悩ませています。さて、就業規則に服装についての規程はあるでしょうか。大半の中小企業では、「清潔な服装」程度しか記載していません。注意したり咎めたりする場合には規則をまず確認したうえで指導しなければなりません。社員は意外と就業規則をしっかりと確認しており、備え付けや周知を行っていない場合の他、規則上において例えば、「営業職に該当する従業員はスーツ及びネクタイを着用すること」などの記載が無い場合にネクタイを締めるよう指導しても従う義務がありません。社内で服装について習慣上ルールがあるのであれば、ルールは規則へ明記しましょう。清潔な服装も当然の常識といえますが、常識は社内のルールにはなりません。清潔な服装、過度に肌を露出する服装(ミニスカートやキャミソール)、襟付きのシャツ、ビジネスパンツの着用、髭染めやヘアスタイルなども具体的に就業規則へ記載しなければなりませんが、企業の円滑な運営上必要かつ合理的な範囲であることが必要です。服装やファッションなど、人格や信条に影響する労働者の行為を過度に制限することは労働者とのトラブルや口コミサイトに投稿されるリスクが伴うため、規則整備には配慮が必要です。

報告・連絡・相談

よく言われる「報告・連絡・相談」ですが、これらを強制すると逆効果になります。あくまでも上司からの促しによって自然に報告できるようなコミュニケーションを普段から心掛けておくこと。報告が長かったり気に入らなかったりすると激高するようなパワハラ上司であれば部下が委縮し、重要な問題の発覚が遅れることになります。「ホウレンソウ」は部下と上司の信頼関係が基礎となるため、双方の教育が必要となります。ハラスメントは法律改正によって類型行為の禁止と企業の措置が義務づけられたため、ハラスメントの教育と併せて部下からの相談を受ける場合の教育も行うことが管理職の育成につながります。

(上司への教育)

1.いかなる報告であっても頭ごなしに叱ってはならない

2.相談しやすい環境と複数の報告ツール(口頭・メール・グループウェア)を活用する

3.問題がある場合でも個人ではなく組織や商品上の問題点を考える

4.報告を歓迎できる人格教育

携帯電話の使用

スマートフォンの普及によって私用携帯の業務利用(BYOD)を活用する企業も増えた一方で、業務中にスマホゲームで遊んでいたり、友人や家族と私用の連絡を頻繁に行っている従業員の問題が大きくなっています。節度は人それぞれですが、私用携帯電話等に関して規則類で定めている中小企業はほとんどなく、また上司は持ち込んでいるのに部下は禁止している整合性の無い会社もあります。スマートフォンはもはや生活に欠かせないものですが、その業務中の利用についても社内でルール化することが必要な時代です。

私生活への関与

コミュニケーションを取り違えて私生活へ必要以上に関与する従業員がいます。本人に悪気はなくとも、「恋人の有無」、「休日の過ごし方」、「有給休暇の取得理由」、「家族構成」など、業務に関係の無いことは部下に対しても、従業員間でも慎まなければなりません(個の侵害)。管理職者であれば体調の悪そうな従業員に対して「大丈夫か」程度は聞かなければならない義務がありますが、一般従業員同士が馴れ合いでプライベートに関与しすぎると私生活の不和が業務に影響することにもなるため、十分注意が必要です。恒例の社内飲み会や職場の男女1対1での飲酒など、パワハラやセクハラの温床となる行事についても厳格に禁止しなければなりません。

社内での呼称

組織のフラットな関係を期待して、上司や従業員の間では外国人風の愛称で呼びあうことにした会社がありました。外国人従業員の他、海外にも支店がある会社であったため組織運営に米国式を取り入れて国籍の垣根を取り払うことも目的にしていたのだと思います。アイデアは悪くなかったのですが、結局は大量の名刺を刷っただけで使われなくなりました。社内の人間関係は友人でも家族でもありません。目的を遂行するためのチームであり、適度な距離が必要です。社内の呼称は上司、部下問わずに「役職名」または「さん」付けで呼び合う程度を超えると職場である意識が欠落します。部下を呼ぶ場合も愛称や呼び捨てすることなく、「さん」付けで敬意を表す呼び方が今のところは最適です。呼称を意識していない会社も多くありますが、職場の秩序維持には呼称も重要な影響があります。

労働時間管理

ビジネスで最も大切なことは『時間を守ること』だと言われます。遅刻や早退、急な欠勤など決められた時間を守ることのできない従業員は社会人として不適格であると言わざるを得ません。しかし、会社側も従業員と約束した時間を守っているでしょうか。寝坊する。欠勤する。体調不良になる。これら原因が長時間労働であったり、36協定を締結していなかったり、最悪は残業代を支払っていない会社もあります。従業員に時間を守らせるためにはまず、会社が正しく時間を守ったうえで指導する必要があります。完全に守っている会社であれば時間分の賃金カット、その他評価のマイナス扱い等によって、お互いに時間を守ることの意識を高めておく必要があります。会社は時間外労働をさせてしまえば割増賃金を支払い義務があり、欠勤した従業員は当日賃金の請求権が無いのは当然のバランスです。

体調管理

いつも体調不良で欠勤の多い従業員がいる一方で、いつも元気な従業員もいるのが組織です。社会人である以上、体調は自らの責任で管理しなければなりませんが、インフルエンザのような無差別に伝播する病気のようにやむを得ないものもあります。欠勤者に対してはノーワークノーペイの原則に則り、厳粛に賃金のカットを行うことが不公平さの解消には必要なマネジメントです。一方に甘く、一方に厳しいようでは組織の秩序維持はできません。台風や電車の遅延に関しても、多くの労働者だけでなく管理職者でも「有給が当然」と勘違いしている人がいます。労働基準法上の基準について基礎をしっかり理解せずに処分だけを厳しくすることはできません。ノーワークノーペイの原則、人事管理で最も重要な考え方について基礎を理解し、理解させましょう。

整理整頓

デスクやロッカーが散乱している従業員はどの組織でも存在します。ものを探す時間や、紛失するリスク、また重要書類の漏洩など、整理整頓せず散乱していることのリスクについてはいくらでもありますが、さてデスクの従業員はオーバーワークになっていないでしょうか。社内業務の均衡を見るにはデスクの状態にもヒントがあります。適切な業務量を超えて仕事している人員はあまり不満を口にすることはありませんが、キャパがオーバーしているようであればいずれ離職することになります。散乱しているデスクの従業員へは業務量について聞き取りを行い、適切な量と分配できるように注意が必要です。

言動の躾(口のきき方)

最近はテレビタレントの流行りを真似ているのか、まともな敬語を使えない若手社員が増えていると言います。上司に対しても友達言葉やお笑い芸人気取りの無礼なツッコミを、自分なりに面白いと思っているのか全く笑えない社員に手を焼いている会社が多くあります。当事務所でも同様の相談を扱いますが、これらは全て、「人事マネジメントの権限」による問題です。人事評価や処分など、マネジメントの権限が無い上司に対して馴れ馴れしい対応を行うのは未熟な子供であれば当然のことです。社長に対しても同じ態度であればそれはもはや個性で、営業職に回せばいい数字が期待できるかもしれませんが社会は甘くありません。採用選考で見つけられなかった自社の問題を反省としつつ、担当上司へ人事権を委譲するなど長期間をかけて学ばせる必要があります。少しくらい失礼な方が将来伸びるかもしれません。

おわりに

業務中に携帯ゲームで遊んでいる新入社員、指示に従わず定時で必ず帰る部下、報告せずにトラブルを大きくする社員、何度言っても遅刻する従業員、女性の新入社員が入社するたびにナンパする社員など、注意しても改善しない問題社員の相談を数多く扱いますが、「規則はどうなっていますか?」と聞くとほとんどが答えに詰まります。中には法律上義務付けられていないという理由で規則が無い小規模事業主もいます。残念ながら、問題社員がいる会社は、ほとんどが会社の規則(ルール)に問題があります。従業員にも、上司にもそれぞれ「常識」というルールがありますが、常識は人によって違うため対立するのも当然です。会社は会社内で共通のルールを定めなければなりません。ビジネスマナーの無秩序はモラルハザードにつながり、処分が甘い会社はいずれコンプライアンス上の大きな問題を引き起こします。問題社員がいるなと思ったら、その個人を問題社員と責める前に、まずは社内の運営ルールを確認してから行動するようにしましょう。

 

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