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【事業計画書の書き方】ものづくり補助金《低感染リスク型ビジネス枠》

2021/02/09

(最終更新日:2021/06/29)

まだかまだかと待ち望んでいた最大の補助金の一つ、ものづくり補助金の新特別枠である〈低感染リスク型ビジネス枠〉の募集要項が2/9(火)に公表されました。

ものづくり補助金(正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」)は、中小企業・小規模事業者が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、事業者が取り組む革新的サービス開発、試作品開発、生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するもので毎年実施されていますが、今回の「低感染リスク型ビジネス枠」は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて社会経済の変化に対応したビジネスモデルへの転換に向けた前向きな投資を行う事業者に対して、通常枠とは別に補助率を引き上げるなどの新特別枠として新たに設けられたものです。

本稿では中小・小規模事業主で特に注目の高い低感染リスク型ビジネス枠をピックアップして案内しています。採択を高めるためのポイントの前に、基本の要件をおさらいします。

項目 要件
概要 中小企業社等が行う革新的な製品やサービス開発、または、生産プロセスやサービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援
補助金額

100万円~1,000万円

補助率 [通常枠]中小企業者:1/2、小規模企業(小規模事業者):2/3

[低感染リスク型ビジネス枠特別枠]2/3

設備投資 単価50万円(税抜)以上の設備投資が必要
補助対象経費 [通常枠]

機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用料、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費

[低感染リスク型ビジネス枠]

通常枠に加えて、広告宣伝費・販売促進費(広告制作、国内外展示会出展、セミナー開催、市場調査、営業代行費用、マーケティングツール関連経費)※補助対象経費総額の1/3まで

※小規模企業(事業者)は、採択後の常勤従業員数が20人(卸売・小売・サービス業は5人)以下の会社または個人事業主です。

※本補助金には上記の[通常枠]および[低感染リスク型ビジネス枠]の他に、海外事業の拡大・強化等を目的とした[グローバル展開型]があります。

※低感染リスク型ビジネス枠の要件を満たす場合、特別枠で不採択であっても通常枠で再審査されることとされています。

 

特別枠(低感染リスク型ビジネス枠) の要件

☑物理的な対人接触を減じることに資する革新的な製品・サービスの開発 (例:AI・IoT等の技術を活用した遠隔操作や自動制御等の機能を有する製品開発(部品開発を 含む)、オンラインビジネスへの転換等)

☑物理的な対人接触を減じる製品・システムを導入した生産プロセス・サービス提供方法の改善 (例:ロボットシステムの導入によるプロセス改善、複数の店舗や施設に遠隔でサービスを提供する オペレーションセンターの構築等)

☑ウィズコロナ、ポストコロナに対応したビジネスモデルへの抜本的な転換に係る設備・システム投資

(キャッシュレス端末や自動精算機、空調設備、検温機器など、ビジネスモデルの転換に対して大きな寄与が見込まれない機器の購入は、原則として補助対象経費になりません)

※補助対象経費全額が上記のいずれかの要件に合致した投資であることが必要です。

 

申請に必要なもの

  • GビズIDプライムアカウントの取得 ※申請は電子申請システム限定(郵送不可)
  • 3~5年の事業計画(賃上げ計画等)を策定し従業員へ表明していること
  • 法人の場合は決算書直近2期分(2年に満たない事業者は1期分、1期に満たない事業者は事業計画及び収支予算書),個人事業主は確定申告書
  • 事業計画書(様式自由・Word形式等で10ページ以内)

(事業計画書の記載例/出典:経済産業省中小企業支援サイト「ミラサポplus」)

事業計画書の書き方ポイント(審査の観点と加点項目)

(1)適格性要件

申請事業主が所定要件を満たす取り組みを行っているか

(2)技術面要件

①新商品・新サービスの革新性

②取り組む課題の明確性

③課題解決方法の妥当性と優位性

④実施のための技術的能力

(3)事業化要件

①事業実施を適切に遂行できる体制

②市場ニーズと事業化の寄与

③事業成果の価格・性能・優位性・収益性・スケジュールの妥当性

④事業の費用対効果(儲かるかどうか)の高さ

(4)政策面要件

①各分野や政策で抱える問題解決への効果

②分野での潜在性(ニッチトップの期待)

③環境に配慮した取り組み

(5)加点項目

①成長性加点として、「経営革新計画」の承認を取得(予定)していること

②政策加点として、創業・第二創業後5年以内の事業者

③災害等加点として、「事業継続力強化計画」の認定を取得(予定)していること

④賃上げ加点として、給与支給総額を年率2%かつ地域別最低賃金+60円(または3%かつ+90円以上)以上の計画を有し表明していること 、被用者保険の任意適用

(6)減点項目(ルーキー優遇)

過去3年間に類似の補助金の交付決定を受けている場合は交付決定の回数に応じて減点

(持続化補助金やIT補助金は類似と扱われません)

スケジュールをご確認いただければわかる通り、補助金が入金されるまでは12ヶ月以上の期間を要します。そのため、財務状況によっては経費の捻出方法(借入か、自己資金か)の他、補助事業期間中の運転資金がショートしない具体的な理由も計画書に盛り込む必要があります。実際に、補助金が入金される前に倒産した会社もあるようですので、金融機関から「つなぎ融資」を引き出すノウハウを持ったコンサルタントであれば安心できます。➡つなぎ融資(資金調達)は誰に相談すればいいの?

 

製造業だけが対象⁉商業・サービス業は採択されない⁉

「ものづくり」と聞くと製造業であり、小売業や卸売業、飲食店や理美容関係など非製造業種である商業やサービス業は対象外と思っている方も多くいます。公募要項ではすべての業種を対象とされていますが、実際の採択者一覧を見ますと半分以上が製造業で、その次に歯科医院など医療・福祉関係と続き、サービス業で採択されている企業は少ない印象があり、補助金専門のコンサル会社も「非製造業はものづくり補助金での採択は難しい」との意見が一般的です。確かに製造業以外でサービスや生産プロセスを「革新的」にすることは困難ですし、採択結果だけで判断すれば、製造業以外は採択されにくいと言えそうです。

しかし「採択されなかった」多くの製造業者に話を伺いますと、それらの企業は例えば製造業では取得しにくい「BCP認定」や「賃上げ(上乗せ)」の加点項目を取得していなかったり、数値的指標の表現が難しいからと言って「美味しい」、「他社で扱っていない」、「こだわりの品質」など、ビジネス視点で評価しようがない点ばかりをアピールした計画書になっていることが多くあります。また、数値を日常的に意識していないからか、非製造業者は収益計画の積算根拠が不十分というか、全く理解できていないというか、デタラメというか。。。

さて、補助金は『他の応募者との点数争い』であり、独りよがりの計画書や強運で採択されるような甘い制度ではありません。大阪市の当社は製造業以外からの相談がほぼ全てですが、それでも採択率平均4割程度のものづくり補助金で8割近く採択されている理由はシンプルで、製造業以外の事業者が補助金を勝ち取るためには、他社に勝る計画書で、採択後にも無理のない計画を練り上げることに重点を置いているからです。事業主が真剣に考えた取り組みが平凡(=不採択)となるか非凡(=採択)となるかは計画書だけでなく、戦略も重要ということですね。決して大風呂敷を広げてはいけません。

 

ものづくり補助金の自力採択は不可能⁉

ものづくり補助金は一般の中小企業が申請できる補助金で最大規模であり、申請書類も多く事務作業は膨大です。自社で補助金や助成金を扱う専門部門を持たない小規模事業者が自力で採択された話も確かにありますが、中小企業が初めてものづくり補助金を申請する場合であれば事業計画書の作成作業だけでも1ヶ月以上、約100~200時間程度の作業時間を要するのが一般的です。また、求められる事業計画上の積算は詳細が求められており、高いレベルの会計知識とマーケティング能力が無ければ申請の要件を満たすことすらできません。採択率が40%程度と聞くと「簡単かも」と思う方もいますが、ものづくり補助金は誰でも記念受験できるような低いハードルではなく、エントリーできた時点で本気の会社しかありません。設備機器の購入を条件として補助金申請をサポートしてくれるメーカーも増えましたが、ものづくり補助金の採択を本気で狙うならプロに委託するのが無難です。但し、ものづくり補助金を完全成功報酬で受託してくれる会社はほとんどありませんので、結果にかかわらず10~30万円程度の着手金は必要と考えておく必要があります。

 

公募期間【一般型・グローバル型】※ビジネスモデル構築型の締切日は別

(6次応募締切)

令和3年5月13日(木)【受付終了】

(7次応募締切)

令和3年8月17日(火)

◎7次締切後も令和3年度内で複数回の締切を設けて応募受付される予定です。

詳細は以下のものづくり補助金総合サイトよりご確認ください。

https://portal.monodukuri-hojo.jp/about.html

 

当事務所の補助金申請サポート(計画書作成代行業務)の報酬目安【全国対応可】

小規模事業者持続化補助金 ものづくり補助金 事業再構築補助金
顧問契約 不要 不要 不要
着手金 無し 100,000円 150,000円
成功報酬 交付決定額の20%または10万円のいずれか高い額 交付決定額の10%または50万円のいずれか高い額 交付決定額の10%または75万円のいずれか高い額
計画書の添削のみ

(アドバイス)

1回2万円 1回5万円

無制限10万円

1回5万円

無制限15万円

※交付決定後の完了報告、実績報告等(年次報告)は別途有償でのご契約となります。

※各補助金の加点要件(経営向上計画・経営革新計画・事業継続力強化計画)の取得は別途

※テンプレート(ひな型)のみご希望の方は以下のリンクからダウンロード下さい。

 

ごあんない

ものづくり補助金は他の補助金(たとえば持続化補助金)と比較しても金額が大きいため高い人気ですが、要件を満たせば誰でももらえる雇用関係助成金と違って他の優秀な会社と事業計画の総合得点を競い合うコンペ形式によって採択が決まります。よって、状況分析など工程に相当の時間を捻出しなければならず、当方が支援させていただく場合は補助事業申請の数カ月前から何度も打合せを行いながら事業計画書のブラッシュアップを行います。「とにかくお金が欲しい」、「部下に任せきり」、「時間が無いから丸投げ」でも確かに採択されることがありますが、事業主自身が真剣に事業を行わなければせっかく導入した設備が死蔵化するだけでなく、採択されたにもかかわらず補助金を受給できないことにもなりかねません。WEB等で簡単なヒアリングを行えば丸投げで立派な計画書を作成代行してくれる“採択だけが目的”のコンサルタントもいるようですが、国の補助金は採択されてからが作業の本番です。当社は高い倫理観を求められる士業事務所として補助金を活用した“企業の成長を目的”としており、事業主様と一緒に計画を磨く“伴走型サポーター”として2016年のサービス開始以来100社以上の支援実績があります。設備投資や新規事業展開で補助金活用をご希望の事業主様はどうぞお気軽にご相談ください。自力での申請を断念した方や他社に委託したけれど残念ながら不採択だった方も気兼ねなくご相談ください。

 

速報!!(2021/6/29)

当事務所の支援先は無事に全社採択されました!

低感染リスクビジネス枠(新特別枠)で初めての採択結果は令和3年6月29日に公表され、高い傾向にあるといわれている新枠の期待を下回り採択率は47%と狭き門となりました。当社の支援先は「非製造業+システム開発」が多くいつもなかなか大変ですが、それでも採択を勝ち取るためには、要点を確実に押さえながら、実現可能な事業計画をしっかりアピールできるかどうかが重要です。

当社の補助金申請サポートサービスは全国対応可能で初回相談料は無料とさせていただいております。プロの支援で採択率を高めたいなら、是非お声がけください!!☎:06-6306-4864

お問い合わせ

下記お問い合わせフォームに「ものづくり補助金サポート希望」とご記入のうえ、『送信』ボタンを押して完了してください(送信確認メールは配信されません)。

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