NEWS

社員が続かない原因と解決策|採用定着の専門社労士が実例で解説【保存版】

2022/01/13

(最終更新日:2025/09/12)

応募が来ない。来ても3か月もたない――。
原因は“採用力”だけではありません。入社後の受け入れと育成(オンボーディング)就業規則などのルール整備日々のマネジメントが噛み合っていないことが、本当のボトルネックです。
本記事では、採用・定着支援を行う社会保険労務士の視点で、根本原因の見極め方90日で整える実務手順を、事例とチェックリスト付きで解説します。


目次

  1. 社員が続かない“本当の理由”

  2. 「採用強化すれば解決」はなぜ外れるのか

  3. 根本原因の三分類と見極め方

  4. 90日ロードマップ:定着フレームの作り方

  5. 10項目セルフチェック(保存版)

  6. 事例で見る:改善前→改善後

  7. NG行動コラム(短めに辛口)

  8. 60分でできる初手3つ

  9. 関連サービス・資料ダウンロード


1. 社員が続かない“本当の理由”

  • 期待値のズレ:求人で伝えた「仕事像/評価基準」と、入社後に伝わる実態が違う。

  • 受け入れ体制の欠落:初日・1週目・1か月目の「段取り」と支援者(メンター)が不在。

  • ルールの曖昧さ:就業規則や評価の説明が後手で、判断が毎回“場当たり”。

  • コミュニケーションの不足:上司の1on1やフィードバックが定例化されていない。

要するに、仕組みがないのに“根性”で乗り切ろうとしている――これが早期離職の最も普遍的な原因です。


2. 「採用強化すれば解決」はなぜ外れるのか

  • 応募を増やしても、『受け皿(オンボーディング)』が弱ければ早期離職が比例して増えるだけ。

  • 広告と面接が良くても、初日の体験が悪ければ印象はひっくり返ります。

  • 評価の見える化がないと、頑張りどころが分からず意欲が落ちます。

まずは定着設計 → 採用強化の順。土台ができると、採用コストも自然と下がります。


3. 根本原因の三分類と見極め方

A. ルール未整備(就業規則・労務)

  • 就業規則が古い/説明していない

  • 残業・休日・ハラスメントの運用が人ごとでブレる

サイン:現場判断が分かれる/「聞いてない」が頻発

B. マネジメント課題(評価・指導・コミュニケーション)

  • 1on1不定期、注意指導が属人的、評価の根拠が曖昧

サイン:不公平感の指摘、上司への不信、逸脱行動の放置

C. 受け入れ体制の欠落(オンボーディング)

  • 初日の台本なし、メンター不在、OJTが口頭伝承

サイン:初期ミスの再発、入社1〜3か月での離職集中

4. 90日ロードマップ:定着フレームの作り方

0–30日|受け入れを整える(型づくり)

  • 初日スクリプト(担当・所要時間・配布物)を作る

  • 会社の理念/行動指針、就業規則の“要点”を説明

  • 週1回の1on1を8週連続で入れる(議事メモ必須)

  • OJTタスクを分解し、到達基準とチェック欄を付ける

31–60日|育成を回す(見える化)

  • 評価シート(行動×成果)を共有し、期待値をそろえる

  • 小課題→中課題へステップアップ/ミニ試験で定着確認

  • ハラスメント・通報体制を再周知(“安心の逃げ道”を提示)

61–90日|定着を測る(運用化)

  • 中間面談:強み・課題・次の90日計画を合意

  • KPIを運用:定着率/学習完了率/1on1実施率/初期生産性

  • 改善点はフロー・マニュアルに即反映(更新日を残す)

ロードマップを採用ページ・内定者案内にも抜粋掲載すると、期待値ズレが減ります。


10項目セルフチェック(保存版)

□ 初日の受け入れ台本(担当・タイムライン)がある
□ 1on1を週1×8週以上、議事メモ付きで運用している
□ 就業規則・評価の要点説明を入社1か月以内に実施
□ OJTはタスク分解+到達基準が明示されている
□ 初期3か月のKPI(定着・学習・生産性)を追っている
メンター制度があり、相談窓口が複線化されている
□ マニュアルはスマホ閲覧可で、最終更新日が入っている
評価と給与の関係を文章で説明している
□ カスハラ・ハラスメント時の初動フローが配布済み
□ 退職時のヒアリング票で原因を定量化している

→ 7つ以上「□」がつけば合格ライン。4つ以下は仕組みの再設計をおすすめします。


事例で見る:改善前→改善後

製造A社(50名)

  • :初日バラバラ、口頭OJT、3か月離職38%

  • :初日台本+1on1+OJT表 → 3か月離職14%

ITB社(30名)

  • :評価が暗黙知、若手が不安定

  • :評価シート化+ミニ試験 → 初期生産性1.4倍

多店舗C社(70名)

  • :店ごとにルールが違いクレーム多発

  • :店長研修+初動フロー → 労基署指摘ゼロ


NG行動コラム(少し辛口)

  • 法定義務を“知らない”:知らなかったは免罪符になりません。

  • やりがい先行:待遇が普通でないのに“誇り”を求めるのは順序が逆。

  • ノルマ至上:不正・疲弊の温床。個人売上至上主義は組織腐敗へ

  • 公私混同:オフの呼び出しは“労働”。割増を払う覚悟がなければやめる。


60分でできる初手3つ

  1. 初日台本のドラフトを作る(担当・配布物・チェック欄)

  2. 来月までの1on1予定を8週ぶんカレンダーに入れる

  3. 評価シートの“行動3項目”だけ先に決めて全員に配る


関連サービス・資料ダウンロード


まとめ|“採用難”より“定着難”が課題の時代

  • 応募数を増やす前に“受け入れの型”を整えることで、早期離職は大幅に減らせます。

  • 中小企業でも90日設計と仕組みの運用化で定着率・生産性が改善します。

  • 採用・育成・評価を一気通貫で見る社労士コンサルティングで、制度と運用を結びつけるのが近道です。


お問い合わせ・資料請求

「新人教育を仕組み化したい」「離職率改善に悩んでいる」
そんな企業様のために、初回相談・お見積もりは無料で対応しています。

[無料相談・お見積もり依頼フォームは下から]
☎06-6306-4864(平日10:00-17:00)

※*は必須。所要1分。秘密厳守(社労士法21条)。いただいた情報は問い合わせ対応のみに利用します。

会社名
部署
氏名*
mail*
電話
お問い合わせ内容*


関連サービス